F2:Rd.14ヤスマリーナ 第2レース結果
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2023年11月5日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WEC2023年シーズン第7戦 バーレーン8時間 決勝
11月4日(土)、バーレーン・インターナショナル・サーキットでFIA世界耐久選手権(WECの)2023年シーズン最終戦となるバーレーン8時間の決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 8号車が今季2勝目を挙げて2年連続でのドライバーズチャンピオンを獲得。7号車は2位で続き、TGRは今季4度目の1-2フィニッシュでハイパーカーによる激戦となったシーズンを締めくくりました。
セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車はポールポジションからレースをスタートし、一度もそのポジションを譲ることなく今季2勝目。2年連続でのWECドライバーズチャンピオンを獲得しました。ブエミとハートレーはWEC史上新記録となる4度目のチャンピオン。平川はハイパーカークラス参戦開始から2年連続でタイトル獲得ということになりました。
このレースで8号車と首位を争った小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、スタート直後の1コーナーで追突され大きく順位を落としながらも、見事な追い上げを見せ、2位でチェッカーを受けました。逆転タイトルへ向け優勝を目指した7号車でしたが、この結果によりドライバーズランキングも2位となりました。
今季はキャデラック、フェラーリ、プジョー、ポルシェ、ヴァンウォール、そして、グリッケンハウスという強力なライバルとのエキサイティングなハイパーカー同士の争いとなる中で、TGRは5年連続でのマニュファクチャラーズ/ドライバーズのダブルチャンピオンを獲得するという完璧なシーズンフィニッシュを飾りました。
6マニュファクチャラーによるハイパーカー間の激戦最終ラウンドは、暑く晴れ渡ったバーレーンで現地時間午後2時に幕を開けました。ポールポジションからスタートしたブエミの8号車が順当に首位をキープする一方で、逆転タイトルを目指す7号車のコンウェイは2番手スタートからすぐ後で追う形としましたが、1コーナー進入で後方のキャデラック2号車に追突されコースオフ。大きく順位を落とすこととなってしまいました。
しかし、7号車のコンウェイはすぐに追い上げを開始。スタートから35分ほどでプジョー、ポルシェ勢を次々と交わしていきトップ5へ浮上。一方、その間に首位を行くブエミの8号車は安定した速さを見せ、追うフェラーリの2台に対し大きなマージンを築きました。
スタートから1時間を前に、各車最初のピットストップへ。コンウェイはそれまでにさらにフェラーリ50号車とポルシェ38号車をかわして3位へとポジションを取り戻しました。
最初のピットを終え2スティント目に入ったブエミがさらに後方との差を広げていく中、コンウェイは2位のフェラーリ51号車との差を詰めていきましたが、タイヤの摩耗が激しくなり、逆転には至らず。しかし、ほぼ2時間の走行を終えたところでコンウェイから7号車のステアリングを受けとった小林が、すぐにファステストラップを更新する速さを見せてフェラーリ51号車をパス、2位へと浮上しました。
8号車はハートレーへドライバーチェンジ。コースは日没を迎えて闇に包まれる中、2位の7号車小林に対し30秒ほどの差をつけて首位を堅守。周回遅れの車両を慌てることなく正確なドライビングでかわしながら走行を続けました。レースが折り返しを過ぎる頃には8号車は平川、7号車はロペスへと交代。2台のGR010 HYBRIDは後半のナイトランでも安定したペースでレースをリードしました。
レースが残り2時間となったところで、8号車はブエミ、7号車はコンウェイが再びステアリングを握り、最後の1時間は8号車ハートレー、7号車小林がドライブ。2位に40秒ほどの差をつけたハートレーの駆る8号車は、リスクを犯さず安定したペースで走行。3位との差も大きく開いていた2位小林の7号車は終盤ファステストラップを更新する速さを見せました。
セーフティカーの出ない安定した展開となった8時間のレースで、249周を走り切ったハートレーの8号車は2位の7号車に対し47.516秒差で現地のファンの皆様に見守られながら、トップチェッカー。8時間レースでトップ4台が同一周回という激戦を制しました。レース後には、表彰台に向かうTGRメンバーにフェラーリチームから拍手が送られるなど、ハイパーカーで戦い合ったライバル同士、チームの垣根を越えて称え合いました。
全7戦で争われた2023年シーズン、決勝の総走行時間は64時間、TGRは7戦中6勝を挙げ、4回の1-2フィニッシュ。そしてチームは、2012年に現行WECに参戦して以来45勝目を挙げることとなりました。このプロジェクトを支えていただいたパートナー、ファン、そして、多くの関係者の皆様に感謝いたします。
豊田章男(TOYOTA GAZOO Racing チームオーナー)
TOYOTA GAZOO Racingの2台が最後まで繰り広げた“アスリートとしての戦い”最高でした。6人のドライバーたち、それを支えた両車のメカやエンジニアのみんな、素敵なレースをありがとう。セブ、ブレンドン、亮、2年連続のドライバーズタイトルおめでとう!ワンツーでそれを決めてくれた7号車のホセ、マイク、可夢偉もありがとう!
今日は、2台ともトラブルを抱えながら走ることになってしまいました。気持ちよく最終戦を走ってもらうことができず、ドライバーたちには申し訳なく思います。7号車はスタートでのアクシデントもありましたが、すぐに差を詰め、8号車とどちらが勝ってもおかしくないような優勝争いをしてくれました。レースに向かう全員でクルマを走らせて、戦ってくれたと感じられるレースでした。
モータースポーツの主人公はクルマを走らせる人々です。だからこそ“スポーツ”であり、そこに集う人は、みんながアスリートでありファイターであると思っています。今年のWECはライバルも増え、ファンが待ち望んでいた“戦いの場”になりました。そんな選手権の場で、今日はアスリートたちが全力を尽くして結果を勝ち取りにいく姿を見せてくれました。いちファンとして、私もその姿にとても興奮しました。アスリートが戦える場を整えてくれた主催者の皆さまにも感謝いたします。
この最終戦にむけて可夢偉は、チーム代表として“どうすべきか?”、ドライバーとして“どうしたいか?”かなり悩んでいたと思います。
チーム代表の可夢偉は、チームを鼓舞したり、リラックスさせるために戯けたり、改善点を探すためにメカやエンジニアたちと話したり、そんな代表としての役割を、これ以上ないほどにやってくれていました。本当に感謝しています。今日のレースを見ていても、チーム全員が勝利に向けて戦うアスリートになり、だけどお互いを信頼し尊重し合っている…ずっと目指してきた「家族的でありプロフェッショナルなチーム」になってきたと感じます。可夢偉代表、今年もお疲れさまでした。ありがとう。
一方で、ドライバーの可夢偉に私が望んでいることは“たったひとつ”「誰より速く走ってほしい。全力で戦ってほしい。」ということだけです。これは以前から変わりません。他のドライバーに対しても同じ気持ちです。
予選でポールを取れずに悔しがる姿、決勝に向けてエンジニアと相談し続ける姿、そして最終スティントでファステストラップを叩き出す走り、今週の可夢偉は、私が見たいドライバーの姿そのものでした。チャンピオンを取れず悔しい結果だとは思いますが、ドライバー可夢偉としても、これ以上ない仕事をしてくれたと思います。
そんな一人二役の姿を見せることでTOYOTA GAZOO Racingは“ドライバーファーストなチーム”にも変わってきました。これからも2つの顔の狭間で悩むことはあるかもしれませんが、来シーズンも引き続き、“可夢偉だからこそできるドライバーファースト”を続けて、チームを強くしていってもらえればと思います。
追伸
このメッセージを書き終えたところでチームから映像が届きました。見てみると「ドライバーたちがレース後のクルマを磨いているシーン」でした。みんなクルマを大切にしてくれてありがとう。(特にホセは一生懸命、楽しそうに磨いてくれていましたね!ありがとう。)みんなにもっと気持ちよく走ってもらえるクルマをつくっていきたいと改めて思いました!
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
シーズン最終戦で1-2フィニッシュを達成し、最高のパフォーマンスを見せて締めくくることができました。7号車のタイトル獲得は叶いませんでしたが、素晴らしい仕事を成し遂げた8号車の全員を祝福します。今季もずっとチームメイト同士の僅差の戦いが続きました。今日のこの素晴らしい結果は、ミスすることなく戦い続けたチームとドライバーの努力の賜物です。パートナーと日本の関係者の皆様の多大なサポートに感謝いたします。そして、もちろんここまで我々が強くなるように支えてくれたモリゾウこと豊田会長、佐藤社長のお二方にも感謝しています。今年は多くのマニュファクチャラーとの激戦となる中で、我々のチームとクルマの強さを証明することができました。このような形でシーズンを締めくくることができたことは、間違いなく我々全員にとって誇りとなります。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
複雑な感情の湧くシーズンエンドとなりました。今レースはチームメイトの後方からのスタートで、少しでもポイントを挽回するつもりでしたが、スタート直後のアクシデントでポジションを落としてしまいました。多くの車両をパスしながらの困難な追い上げを強いられ、タイヤにも負担をかけてしまいました。ベストを尽くしましたが、今日は2位が精一杯でした。タイトルを勝ち取った8号車に祝福を贈ります。彼らの戦いぶりはタイトルにふさわしいものでした。今年もハードワークで支えてくれた7号車のメンバー全員に心から感謝しています。そして、常に素晴らしい仕事をしてくれたチームメイトの可夢偉、ホセにも感謝します。良いシーズンでしたし、4勝できたのは素晴らしいことだと思います。
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
チームに取って最高の1年でしたし、全員が素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。2台のGR010 HYBRIDが全てのレースで競い合いながらも、常にチームとして協力しあってきました。それが最も重要なことです。今日のレースに勝ち、そしてチャンピオンも勝ち取ったセブ、ブレンドン、亮、おめでとう。我々の7号車も今年は何度も勝利を挙げ、その一員として戦えることができた、本当に素晴らしい1年でした。今日も勝利を目指し、逆転タイトルのチャンスをつかむために全力で挑みましたが、1コーナーでその望みはかなり難しいものになってしまいました。とは言え、そこからよく挽回しましたし、最終的な結果には満足しています。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
また世界チャンピオンを獲得でき、信じられない気分です。本当にチームに感謝します。全てが順調にいき、最後までレースとタイトル争いをリードすることができ、最高の夜になりました。本当に価値のあるタイトルだと思います。もちろん、ル・マンで勝てなかったことは残念でしたが、このタフなシーズンの戦いの中でチャンピオンを勝ち取れたことで、我々の強さは証明できました。何度でもチャンピオンは格別なものですが、今年は安定した走りで勝ち取ったタイトルでした。常に最速というわけではありませんでしたが、困難なレースでも着実にポイントを獲得してきました。最終戦で優勝し、チャンピオンを獲得するというのはシーズンの締めくくりにおいて最高の形です。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
最高の1年でした。8号車、そして、TGRのチームの一員であることを誇りに思います。この最高のシーズンを支えてくれた全員に感謝します。シーズンを通して7号車、またライバルたちとの激しいバトルを繰り広げてきましたが、今日も同じでした。ラップタイムとしては、我々8号車が最速ではないこともあったので、とにかくプッシュし続けました。セバスチャンは今日のレースで最もプレッシャーのかかる、スタート直後の1コーナーをトップで抜けるという大役をこなし、亮と共に素晴らしい仕事をしてくれました。4度目の世界チャンピオン獲得を実感するまでにはまだ時間がかかりそうですが、本当に嬉しいです。
平川亮(8号車 ドライバー)
今日のレースに勝利し、チャンピオンを獲得できて最高です。我々はチャンピオン獲得のために努力を続けてきたので、本当に嬉しいです。今年は厳しいレースもありましたが、常にプッシュを続け、タイトル連覇を達成することができました。シーズンを通して強力なライバルと、難しいコンディションでの戦いを続けてきましたが、今日のレースはいつも以上に厳しいものでした。我々は後続とのギャップを広げてそれを維持する走りを強いられましたが、タイヤの摩耗が激しく、容易ではありませんでした。2年連続で世界チャンピオンを獲得できるなんて、チームに入った2年前には想像もできませんでした。このチャンスを与えてくれたトヨタとハードワークで支えてくれたチーム全員に感謝します。このチャンピオン獲得という結果を、チャンスを与えてくれた皆様への感謝の気持ちとして捧げたいと思います。
(C)TOYOTA GAZOO Racing
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2023年11月4日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WEC2023年シーズン第7戦バーレーン8時間 予選
11月3日(金)、バーレーン・インターナショナル・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)今季最終戦となるバーレーン8時間の予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010 HYBRIDが予選1,2番手を獲得。決勝は最前列に並んでスタートすることとなりました。
ブレンドン・ハートレーがアタックを担当したGR010 HYBRID 8号車が、1分46秒564という圧倒的なタイムでポールポジションを獲得。小林可夢偉の7号車はチームメイトから0.489秒遅れの2番手で続き、チームに予選1-2をもたらしました。
ハートレーとセバスチャン・ブエミ、平川亮の3名がドライブする8号車にとって、今季2度目となるポールポジション。現在ランキングリーダーの8号車はこのポールポジション獲得ポイントにより、ランキング2位の7号車に対するポイント差を16へと広げました。これにより、8号車は明日の決勝で、3位以上、表彰台フィニッシュを飾れば2年連続のドライバーズチャンピオンを自力で決定できることとなります。
TGRは既にマニュファクチャラーズチャンピオンを決めており、チームにとって今季5度目のポールポジション、及び3度目の予選最前列独占から、バーレーンでの通算7勝目という好結果でシーズンを締めくくることを目指します。
前日2日(木)は、雨と強風に見舞われるなど荒れた天候でしたが、この日は暖かく乾燥したコンディションで、日没後の現地時間午後5時5分よりハイパーカークラスの予選が開始されました。2台のGR010 HYBRIDはミディアムコンパウンドのタイヤを選択し、セッション開始後3分ほどピットで待機してからアタックに向かいました。昨年のバーレーンでのポールシッターである8号車のハートレーが先にコースインし、それを追う形で、ここバーレーンでのハイパーカーコースレコードを持つ7号車の小林もコースへ向かいました。
2周にわたりタイヤを暖めた後にアタックに入ったハートレーは、一気にタイムシートのトップへと浮上。小林も2番手に付けました。2台はさらにタイムアップを狙い、翌周のセクター1ではタイムを更新する速さを見せましたが、タイヤに厳しいバーレーンではそれ以上のタイムアップは果たせず、15分間にわたる予選セッションの数分を残して2台共にピットへと戻りました。
ハードコンパウンドを選択した、他の10台に及ぶハイパーカーのライバルは、この2台のGR010 HYBRIDのタイムを上回ることはなく、ハートレーがトップ、小林が2番手のまま予選セッションが終了。これにより、GR010 HYBRIDは2台が最前列グリッドに並んで4日(土)の決勝レースをスタートすることになりました。8時間の長丁場で争われる決勝レースは現地時間午後2時(日本時間午後8時)にスタートが切られます。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
ブレンドン、素晴らしいアタックでのポールポジション獲得おめでとう。正直なところ、私のアタックは完璧ではなく、私自身の練習走行時のタイムには届きませんでした。自分のタイムにちょっと驚いていますし、何が起きたかよくわかりません。しかし、2番手には付けられましたし、本当に重要な明日の決勝レースは8時間の長丁場です。タイトル争いという面では、我々7号車がすべきことは何も変わりません。勝つしかありませんし、いつもと同じように臨むだけです。明日は長いレースで、タイヤの摩耗も激しいので、何が起こるかわかりません。ベストを尽くします。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
ポールポジションを取ろうと決めていたので、達成できて嬉しいです。GR010 HYBRIDは最高でした。チームが素晴らしい仕事をしてくれて、全てのセッティングが決まりました。ここバーレーンでの予選は、1周のみで決めなくてはならない本当に難しいコースなので、全てが上手くかみ合う必要があります。自分の感触では、完璧なアタックではなかったですが、とてもクリーンなラップでした。ポールポジション獲得はチャンピオン争いにおいても重要なので、チームは予選に重きを置き、ミディアムタイヤを選択しました。この1点を獲得したことで、7号車が優勝しても我々は3位に入ればタイトルが獲得できることになったので、非常に重要なポイント獲得になりました。しかし、我々にとってのレースへ臨む姿勢はいつもと変わらず、優勝を目指すのみです。今年はレーススタート直後のアクシデントが多いので、ポールポジションからスタートできるのは良いことです。
(C)TOYOTA GAZOO Racing
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2023年11月3日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WEC2023年シーズン第7戦バーレーン8時間 公式練習
11月2日(木)、中東バーレーンのバーレーン・インターナショナル・サーキットで、FIA世界耐久選手権(WEC)の2023年最終戦となる第7戦バーレーン8時間の公式練習走行が開始され、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は難しいコンディションとなった初日から順調なスタートを切りました。
4日(土)の決勝でドライバーズチャンピオン決定の舞台となるバーレーン・インターナショナル・サーキットはこの日、強風と強い雨により赤旗が出されるなど波乱の幕開けとなりましたが、TGRの2台のGR010 HYBRIDは2回のセッション共に1-2のタイムをマークしました。
TGRは既に、5年連続でのマニュファクチャラーズチャンピオンは確定しており、これまでに開催されてきた11戦で8勝を挙げるなど相性の良いここバーレーンで、ドライバーズチャンピオンも決めるべく、絶好のポジションにつけています。
ディフェンディングチャンピオンであるGR010 HYBRID 8号車のセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮は、チームメイトの7号車小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスに15ポイント差をつけてドライバーズタイトル争いをリードしており、また、最大39ポイントが獲得できる今大会、フェラーリの2台もまだ逆転タイトルの可能性を残しています。
小林が公式練習第2回目で記録した1分46秒851がこの日の最速タイムとなり、7号車の逆転タイトルへ向けた強い決意を示す滑り出しとなりました。8号車は、ハートレーが同じく夜のセッションで記録したタイムで総合2番手につけました。
正午過ぎに開始された公式練習第1回目は、開始からわずか9分後、この地域では珍しい豪雨を伴う悪天候となり、赤旗が出されました。45分間の中断の後にセッションは再開されましたが、この雨により路面は完全なウェットコンディションとなっており、延長されたセッションで2台のGR010 HYBRIDは、ウェットタイヤでの走行テストという新たなプログラムをこなすこととなりました。
このセッションでは、その後ラップタイムを更新できるまでに路面コンディションは改善せず、7号車がセッション開始直後に小林が刻んだタイムでタイムシートのトップをキープ。ブエミの8号車がこれに続き、バーレーンの最初のセッションはTGRの1-2で幕を開けました。
日没後に開始された公式練習第2回目までには天候は回復し、路面もドライに。照明に照らされた1周5.412kmのサーキットで、チームはようやく今大会使用できるミディアム、及びハードのドライタイヤを評価する機会を得ることとなりました。
公式練習第1回目から行われてきた空力やメカニカルのセットアップは、豪雨による赤旗でいったん中断されたものの、この夜のセッションで再開され、タイヤの摩耗が厳しいサーキットとして知られるバーレーンでの最良の妥協点を見出すべく、ドライバー、エンジニア共に集中的な作業を続けました。
公式練習第2回目も、1時間ほどが経過したところでGTカーのアクシデントにより赤旗が出され、18分ほどの中断の後にセッションが再開。チームにとって有意義なものとなったこの2回のセッションで、2台は合計159周、860kmを走破しました。
予選と決勝へ向けた最後の準備となる公式練習第3回目は3日(金)の正午より実施され、その後、日没直後の現地時間午後5時5分(日本時間午後11時5分)よりハイパーカークラスの予選が行われます。8時間で争われる決勝レースは4日(土)現地時間午後2時(日本時間午後8時)にスタートが切られます。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
これまでのところ全て順調に進んでおり、異なるコンディション下においても、我々のパフォーマンスも非常に競争力が高いように見えます。公式練習第2回目はタイヤ評価において非常に重要で、より理解が進んでいます。我々はGR010 HYBRIDと共にここバーレーンで多くの経験がありますが、ことタイヤに関しては、今季はタイヤウォーマー無しなのでほぼゼロから学び直しです。とは言え今日はポジティブな一日で、この勢いを維持できるよう頑張ります。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
我々はウェットでもドライでも、全てのコンディションで力強いように見えました。雨はここバーレーンではめったにないことなので、ウェットコンディションでの走行ができたのは幸運でした。最初のセッションでは数周したところで突然空が暗くなり、いきなり大雨になりましたが、少なくとも我々は、万が一に備えた準備ができています。我々7号車が明日ポールポジションを取れればタイトル争いの一助になりますし、もちろんそれも狙っています。しかし、決勝へ向けての準備が最優先です。
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
興味深く、有意義な一日でした。マイクと可夢偉が素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、今日を最速で終えることができました。今日はスリックとウェットタイヤの両方で走行しました。周回数は少なかったですが、結果には満足しており、明日はもっと周回を重ねたいと思っています。いつものように、我々の2台は僅差の争いですし、タイトル争いは難しいものになると思いますが、レースは何が起こるかわかりませんし、戦い続けます。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
盛りだくさんな一日でした。予選シミュレーションを含め、明日のために多くの周回を重ねました。激戦になることは間違いなく、そのためにも全てを正しく進める必要があります。このサーキットはタイヤの摩耗が非常に激しいので、可能な限り最良のセットアップを見出すことと、正しいタイヤの使用を選択することが非常に重要となります。7号車と8号車でそれぞれ準備作業を分担し、時間を最大限有効に活用しているので、良いレースができることを期待しています。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
雨のコンディションでバーレーンを走るのは初めてで、ここで何年もレースをしてきたにもかかわらず、新しい体験ができました。特に、コース上で水が溜まりやすい場所が見えるなど、興味深い経験でした。天候の件を除けば、比較的クリーンな一日でした。ライバルがどう動いてくるかわかりませんが、今のところ我々は速さを示せていると思います。様々なセットアップや異なるタイヤコンパウンドを試すことができました。このコースはタイヤの摩耗が非常に激しいので、決勝レースではそれが大きなポイントになるでしょう。
平川亮(8号車 ドライバー)
昼間の雨は、ここでは見たことがないような激しさでした。ウェットコンディションも上手くこなすことができましたが、これからの数日、同じようなコンディションにはならないことを願っています。今日は多くの周回を重ねられたので、クルマとタイヤの挙動を把握することができました。タイヤは摩耗が激しいので、決勝レースではそれを上手くコントロールする必要がありますが、全体的には好調なスタートが切れたと思いますし、この調子でプッシュを続けます。
(C)TOYOTA GAZOO Racing
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WEC2023年シーズン 第7戦 バーレーン8時間 プレビュー
2023.10.30(月)- 18:00配信
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)はドライバーズチャンピオン獲得を目指し、2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)の最終戦となる第7戦バーレーン8時間レースに挑みます。
バーレーン8時間でドライバーズタイトルへの最終決戦に挑む
チームは先月行われた前戦富士で、最終戦を待たずしてマニュファクチャラーズチャンピオンを決めています。そして、フェラーリ、ポルシェ、キャデラック、プジョー、ヴァンウォールといったハイパーカーでエキサイティングな戦いとなっている2023年シーズンをドライバーズチャンピオン獲得で締めくくるべく、今週末11月4日(土)に行われるバーレーンでの決勝レースに臨みます。
GR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名は、1シーズン5勝のWEC新記録を目指すと共に、ここ4シーズンで3度目の世界チャンピオン獲得へ向け最終戦もプッシュを続けます。
チームのホームコースである富士スピードウェイで7号車が勝利したことで、ドライバーズランキング首位を守るGR010 HYBRID 8号車のセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮と7号車の3人との差は、15ポイントまで縮まりました。しかし、8号車はこのバーレーンで、2位以上でフィニッシュすれば自力でチャンピオンを獲得できます。
ドライバーズチャンピオン争いのトップ2はTGRの2台ですが、TGRの2台どちらかによる5年連続ドライバーズチャンピオンはまだ確定していません。フェラーリ50号車は首位と36ポイント差、51号車は31ポイント差につけており、バーレーンでは最大39ポイントが獲得できるため、この2台にも可能性が残されています。
1周5.412kmのバーレーン・インターナショナル・サーキットは、これまでもTGRにとって非常に相性の良い舞台でした。2012年からの11戦中、8勝を上げており、今年は7連覇及び6レース連続の1-2フィニッシュを目指します。
15のコーナーを持つバーレーンは、特にタイヤに厳しいサーキットです。さらに、4日(土)の決勝レースは午後2時にスタートし、気温、路面温度が下がる日没後も走行を続けるため、大きく変化するコンディションへの対応が求められます。
この異なるコンディションに対応するため、2日(木)の練習走行は昼間と夕刻暗くなってからの2回に渡って行われ、3日(金)の最終練習走行が予選へ向けた最後の準備となります。予選はちょうど日没にかかる現地時間午後5時5分にハイパーカークラスのセッションが開始されます。4日(土)の決勝レースは現地時間午後2時にスタートが切られます。
バーレーン8時間の決勝が終わっても、2023年シーズンの活動は終わりではありません。翌5日(日)はWECのルーキーテストが行われ、TGRも参加します。TGRはLMP2クラスの新星、17歳のジョシュ・ピアソンにテストの機会を設けます。5日(日)のテストでは30周以上の走行が計画されており、彼が史上最年少のハイパーカードライバーとなります。また、このルーキーテストでは今季米国IMSA ウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDプロクラスでバッサー・サリバンのレクサスRC F GT3を駆り、シリーズチャンピオンを獲得したジャック・ホークスワースとベン・バーニコートもGR010 HYBRIDを初めてドライブします。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
今季はエキサイティングなシーズンで、チームの誰もが新たなハイパーカーのライバルとの戦いを楽しんできました。ただ、まだ我々にはドライバーズタイトルという、達成していない大きな目標がひとつ残されています。7号車はややポイントで遅れを取っているので簡単ではありませんが、プッシュを続け、シーズン5勝目を目指します。最も重要なポイントは我々TGRの2台のうちどちらかがタイトルを勝ち取ることであり、そのために一丸となって最後まで戦います。バーレーンは我々TGRにとってこれまで好結果を残してきたサーキットで、その記録をさらに伸ばしたいと思っていますが、競争は激化しています。特に前戦富士ではフェラーリだけでなくポルシェも大きなライバルになって来ていると感じたので、接戦になるでしょう。我々の準備はできていますし、レースを楽しみにしています。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
バーレーンは私にとってこれまでずっと良いサーキットで、レースも楽しいです。私のトヨタでのWEC初勝利は2014年のバーレーンでしたし、その後2回の世界チャンピオンを決めたのもここバーレーンでした。我々7号車はまだ今季のタイトル争いの可能性を残しているので、とにかく勝ちに行きます。ベストを尽くし、後は8号車がどうなるか見ていくだけです。今季は素晴らしいシーズンでしたし、チャンピオンシップの結果にかかわらず、シーズン全7戦中5勝という素晴らしい結果を達成したいと思います。
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
暑いコンディションや夜の走行もあるバーレーンで、またレースができるのが楽しみです。我々のGR010 HYBRIDはこれまでもここバーレーンでいつも好調でしたし、チームも良い記録を重ねて来ているので、私自身は楽観視しています。しかし、簡単にいくものではないことはいつも通りで、ハイパーカーのライバル全車が、シーズンを少しでも好成績で終えようとしてくるので、戦いは熾烈になるでしょう。このレースも、適切な車両セットアップを見出し、全てのコンディションに合わせたタイヤマネージメントができるかが重要になるでしょう。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
バーレーンはシーズンを締めくくるのに最適な舞台ですし、2度のタイトル決定という最高の思い出のある、私にとって特別な場所でもあります。ドライバーとしては、バーレーンは追い越しが可能な長いストレートと高速コーナー、そして、高低差もあり、全ての要素を持っている非常に良いコースで、いつも楽しんでいます。ナイトレースも特別ですし、バーレーンでタイトル獲得のために戦うのが待ちきれません。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
我々にとって非常に重要なレースであり、チームにとってシーズンを締めくくるのにふさわしいレースにしたいと思っています。前戦の日本でマニュファクチャラーズタイトルを決められたことは素晴らしかったですし、これでバーレーンではドライバーズタイトル争いに集中することができます。チームメイトの7号車はシーズンを通してとても速く、今回も最大のライバルになることは間違いありません。他のハイパーカーのライバルも非常に競争力が高く、上位争いは熾烈なものになるでしょう。しかし、我々は何度もここバーレーンでタイトルを決めてきた良い思い出もありますし、この土曜夜もそれが再現できることを願っています。
平川亮(8号車 ドライバー):
1年前、セバスチャン、ブレンドンと私は、ここバーレーンで世界チャンピオンを決めたので、もちろん今年もその再現をさせたいです。我々はどれだけのポイントが必要なのかわかっていますが、これだけ接近した戦いの中では簡単なことではありません。練習走行からの車両セットアップ作業で、特に暑い昼間と涼しい夜という2つの異なるコンディションでの妥協点を見出さなくてはなりません。8時間と長いレースなのでクルマのバランス、またタイヤの摩耗も大きく変わるでしょう。クルマがどう変わるのかを理解し、最適解を見出すと共に、ドライバーとしても、ミスのない安定した走りが求められます。シーズン最終戦を1-2フィニッシュで締めくくるために誰もがハードワークを続けていることはわかっていますし、それに応えられるよう頑張ります。
(C)TOYOTA GAZOO Racing
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