フォード、チャンプカーのスポンサーから離脱
1月24日、チャンプカーシリーズは統括者スティーブ・ジョンソンの名で、フォードが今年のチャンプカーシリーズのスポンサーから離脱したとの短いステートメントを発表した。
スティーブ・ジョンソン
「今日の決定は両者のビジネス上の見地からなされたものである。これは、フォード社がチャンプカーシリーズで確立した長い間受け継がれてきた成功を曇らせるものではない。われわれは、フォード社がシリーズのためにしてくれたものに感謝している。しかし、われわれはシリーズの明るい未来を作り上げるために、他のメーカーとのパートナー関係に向けていくつかのオプションを調査しているところだ」
チャンプカーは今年から使用する新しいシリーズロゴを発表したが、そこにはこれまであったフォードとブリヂストンのマークが消えており、スポンサー契約についてなんらかの変動があったと思われていた。
アメリカのテレビ局スターチャンネルのウェブサイトでは、今回のフォードのスポンサー離脱がチャンプカーシリーズのペースカー契約によるものとしている。
シリーズは過去3年間、“Bridgestone Presents the Champ Car World Series powered by Ford”と称され、レースのペースカーやその他のサポート車両についてもフォードと契約していた。さらに、メキシコとカナダのフォードは、それぞれの国でのチャンプカーレースのタイトルスポンサーともなっていた。
今年もフォードはチャンプカーに対してペースカープログラムの提供を申し出たが、チャンプカー側はミナルディの作った2シーターF1をペースカーとして選ぶとして、フォードの申し出を断ってしまったのだという。
このことについてフォードは、決してチャンプカーと悪い関係で去るつもりはないが大変失望しているとのコメントを出している。
フォードのペースカープログラムは1982年当時のCARTシリーズ時代に始まり、タイトルスポンサーにPPGインダストリーを獲得して全盛を誇った。2003年いっぱいでトヨタとホンダがCARTから去りシリーズも倒産したが、フォードとブリヂストンの支援を受けてチャンプカーシリーズとして再建しつつある。
しかし、このフォードの決定は同社が150億ドルにのぼるとみられる昨年の欠損を発表する前日のことであり、会社の業績不振が原因であるという見方も強い。チャンプカーではフォードに替わるメーカーとしてヒュンダイやキャデラック、マツダなどを候補に調査しているといわれる。
ミナルディ・チームUSAの共同オーナーとなったポール・スタッダードは、チャンプカーへの参入が明らかになった後のコメントで、F1時代のような政治的な動きはチャンプカーではしたくないと語っていたのだが。
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