Mark Martin (C) Ginn Racing
昨日のデイトナ500ゴールシーンで、トップ2台の後方で複数のマシンがクラッシュしているにもかかわらず、その時点でイエローフラッグが出なかったことが論議を呼んでいる。しかし、敗れたマーク・マーティンは、NASCARの決定を受け入れるとしている。
ゴール手前、ハービックがマット・ケンセスのプッシュを受けて加速しマーティンに並びかけたとき、後方ではカイル・ブッシュとケンセスの接触を引き金に数台のマシンがクラッシュしていた。このクラッシュはトップ2台が最終ターンへ入る前から始まっていることが確認できる。
このクラッシュには、ジェフ・ゴードン.やモントーヤも巻き込まれ、クリント・ボウヤのマシンは裏返ったままゴールラインを通過するという派手なものになった。
このことをバックミラーで確認していたマーティンは、イエローが出るものと信じていたという。しかし、レースは続行され最後のゴール間際のところでトップが逆転した。イエローが出たのはトップがゴールしてからのことだった。もしゴール前にイエローがでていたら状況は変わっていたのだろか。
マーク・マーティン
「ほんとにコーションが出るものだと思っていたよ。わたしはまだリードしていたし、クラッシュはその後ろで起こっていたんだからね。あそこでイエローが出ていればレースはこちらのものだっただろう。でも、誰も大の男が泣き言をいうのは聞きたくないもんだ。決定は下されたされたんだ。われわれはそれを受け入れるよ」
また、マーティンは自分のマシンをゴール前に誰かがプッシュしてくれることを期待していたが、それがかなわなかったという。 カイル・ブッシュはその役割をする前にクラッシュしてしまった。ハービックにアウトサイドのラインを塞がれたマーティンのマシンは、最終ターンでわずかにスライドしスピードを乗せられなかったようにも見えた。
48歳のマーティンは長年走ってきたフォードのラウシュから、今年はシボレーのジン・レーシングへ移籍。心機一転して臨んだレースだった。優勝こそかなわなかったが、2位というデイトナ500での自己ベストという上々のスタートを切った。マーティンのチームクルーは、最後のピットストップで右側2本のタイヤだけを替える迅速なピットワークでマーティンをトップに押し上げていた。
マーティンが去年まで所属していたチームオーナーのジャック・ラウシュは「あそこでコーションが出ていてもクラッシュは止められなかっただろうから、イエローを出さなかったことは理解できる。みんなマーティンが最高の結果を出すことを期待してレースを続けたんだろう」
優勝したハービックはレース後、マーティンに敬意を表して語った。「マシンから降りたとき、自分が悪役になっていることは知っていたよ。でも、これが自分たちの仕事さ、誰かが勝って、誰かが負ける」
NASCARシリーズは休む間もなく、今週カリフォルニアでの第2戦へ向けて移動する。