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2007年9月10日 (月)

IRL:ホンダリリース 第17戦シカゴランド

最終ラップで決着! フランキッティが初めてのインディカー・チャンピオンに。武藤はデビューレースを8位でフィニッシュ、松浦はトラブルにより17位

In070910001l 2007年9月9日(日)・決勝
会場:シカゴランド・スピードウェイ
天候:快晴
気温:24~26℃

 (C)Honda Motor Co Ltd.

3月下旬にスタートした2007年のIRL IndyCarシリーズもいよいよ最終戦を迎え、今年もチャンピオン争いはシーズン最後のレースまでもつれ込んだ。そして、今年も戦いの舞台はシカゴ郊外ジョリエットにあるシカゴランド・スピードウェイとなった。

ポイントリーダーのダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)がポールポジションを獲得し、わずか3点差でランキング2位につけるスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は6番グリッドとやや後方からのスタートとなった。そして、ポイント3位のトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)は2人の間の予選4番手から200周のレースを戦った。

In070910002l 抜けるような青空と強い日差しが照りつける中、午後3時過ぎにグリーンフラッグが振られ、色とりどりのインディカー、22台がローリングスタートを切った。

全長1.5マイルの超高速オーバルでは、ホイール同士が接触ギリギリの状態を保ってのスリリングな接近戦が繰り広げられた。フランキッティはレース序盤からペースが今ひとつ遅く、サム・ホーニッシュJr.(チーム・ペンスキー)とエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がリード。カナーンは序盤にしてタイヤトラブルに見舞われ、逆転タイトルのチャンスをほぼ失った。

In070910004l トップ争いの背後を走っていたフランキッティは、燃費のよさに勝機を見出そうと戦っていた。ディクソンもチーム・ペンスキーの2人に比べれば燃費セーブに成功しており、137周目のヴィットール・メイラ(パンサー・レーシング)によるアクシデントでフルコースコーションの間に給油を行い、レース終盤にはタイトルを競い合う2人だけがリードラップを走っている一騎打ちの状態となった。

レースも終盤土壇場に、トップグループを走っていたダニカ・パトリック(アンドレッティ・グリーン・レーシング)がスピンしてフルコースコーションとなり、レースは残り2周でグリーンフラッグが振られることとなった。ディクソンがトップを保ち、フランキッティは2位につけていた。

In070910003l 最終ラップを告げるホワイトフラッグをトップで受けたのはディクソン。ところが、最終ラップのターン3入り口でディクソンのマシンは燃料切れにより失速。追突をギリギリで避けたフランキッティが、初のインディカータイトル獲得のフィニッシュラインへとガッツポーズとともに飛び込んだ。

In070910005l 今回がIndyCarシリーズへのデビュー戦ながら予選から奮闘、13番グリッドを獲得した武藤英紀(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は、今年走っていたIndyProシリーズをはるかにしのぐビッグパワーのマシンに乗り替え、そして高いスピードを保っての接近戦を堂々とこなし、8位でフィニッシュした。スタートでは16番手まで大きくポジションを落とした武藤だったが、トップグループとまったく互角のラップタイムを連続して記録し続け、レースの半分の距離である100ラップを迎えるまでに11番手まで浮上。フルコースコーションの出るタイミングが悪く、トップからは1周の遅れとなったが、武藤はファステストラップをマークする走りを見せ、ゴールまで2周で切られたリスタートのあとにベテランのバディ・ライス(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)をパスして8位でゴール。初レースを見事に完走し、目標としていたトップ10フィニッシュも達成した。In070910008l

In070910006l 松浦孝亮(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は、予選16番手からの見事なスタートダッシュでポジションアップを果たしたが、ハンドリングにアンダーステアが出ていたためにピットストップでマシンセッティングを調整。スピードアップ、そして上位への進出を目指したが、レースが折り返し点を迎えたあとに電気系統にトラブルが発生した。原因と見られるバッテリーを交換してコースに戻ったが、そのバッテリーも15周ほどでダウンしたため、今年最後のレースは17位フィニッシュという結果となった。
      
コメント
   
Dario Franchitti  ダリオ・フランキッティ(優勝/シリーズ・チャンピオン)

  「今日の僕らはマシンにはあと一歩のスピードがなく、前を行くドライバーたちをパスすることができず、燃費セーブを心がけながら周回を重ねた。最後のピットストップのあとはハンドリングが向上していたので、残り2周で切られたリスタートのあとは、ドラフティングを使ってスコット(ディクソン)を抜こうと狙っていた。最終ラップのバックストレッチで外側から並びかけようという、まさにそのとき、彼が突然失速し、危うくぶつかりそうになった。それを避けて、自分のマシンを立て直すことができたとき、自分のタイトル獲得を確信した。アップダウンの激しいシーズンだった。自分がチャンピオンになれたなんて、信じられない。これもみんな、今日のレースですばらしい作戦を立ててくれたチームのおかげだ。そして、1年間を通して全力を出しきってくれたアンドレッティ・グリーン・レーシングというチームの力だ」
   
Scott Dixon  スコット・ディクソン(2位)
   「最後が燃費の勝負になってしまったのは本当に残念だ。マシンのスピードからいえば、今日の僕らはレースを通してダリオ(フランキッティ)に対して明らかな優位にあり続けていた。マシンの仕上がりでは僕らが勝っていたのだ。しかし、ダリオが燃費で勝っていたのも事実だ。そして、燃費が要因となって僕らはタイトルを逃すこととなった。これは非常に悔しいが、誰もが同じ量の燃料しか使えないルールで戦っているのだから、今日の彼らは我々よりもスマートに戦っていたということだ」
   
Sam Hornish Jr.  サム・ホーニッシュJr.(3位)
  「今日のレースで優勝できなかったことが本当に残念だ。通算20勝目をぜひとも手にしたいと考えていたからだ。今日の僕らは最速のマシンを手にしていた。しかし、自分たちにとって非常に残念な方へとレースは展開していった。トップグループで戦いながら、どうしてあんなにも彼らが燃費をセーブできたのか、僕にはわからない。しかし、彼らがそうできたというのが現実だ。チームメートのエリオ(カストロネベス)ともども、僕らはマシンを最速に仕上げていたが、チーム・ペンスキーのどちらかが勝利を飾り、最高の形でシーズンを終えることはできなかった」
   
武藤英紀(8位)

In070910009l    「スタートは慎重になり過ぎて順位を落としましたが、焦ってもしょうがないと考えていました。初めてのピットストップでもミスがあってタイムをロス。リスタートでまた慎重になり過ぎて、というシーンもありました。そして、フルコースコーションのタイミングで1周遅れになってしまいましたが、マシンのハンドリングはレースを通して非常によく、オーバーテイクをして順位を上げていくことができました。最後にはトップ集団の中に入って走り、彼らから多くのことを学べたので、とてもいい経験になりました。ファステストラップを記録できたことは大きな自信につながりますし、アピールにもなったと思います。トップ10入り、よければ8位フィニッシュを目標としていました。ミスも多く、まだ100%の力を出しきったというレースにはできませんでしたが、デビュー戦としてはいい戦いができたと考えています」
   
Kosuke Matsuura  松浦孝亮(17位)
  「スタートではがんばって順位を上げることができましたが、アンダーステアでオーバーテイクは難しく、苦しいレースになっていました。周回遅れになる直前ぐらいから何かが焦げる臭いがコックピットの中にしてきて、バッテリーが充電されなくなったためにエンジンが止まってしまいました。ピットでバッテリーを交換しましたが、走り出すと15周ぐらいでバッテリーがすぐになくなってしまったため、リタイアしました。シーズンを通して、そして今日も全力を出しきってのレースを戦っていましたから悔いはありません。今年も応援をしてくれたファンのみなさん、スポンサーの方々に感謝します」
   
Robert Clarke  ロバート・クラーク
  HPD社長

  「IndyCarシリーズにとって、これ以上ないというすばらしいシーズンの幕切れとなった。タイトルを争う2人は、シーズン終盤の数戦でポイントランキングの順位を入れ替え、わずか3ポイント差で最終戦を迎えた。彼らはレースを通して非常に近いポジションのまま戦い、最後には本当に信じられないことだが、2人だけによる優勝争いを繰り広げた。こんな筋書きは書こうと思っても書けるものではない。決着は17レースを戦った末の最終ラップでついた。スコット・ディクソンは最終コーナー直前で燃料切れとなり、ダリオ・フランキッティが優勝して初めてのタイトルを獲得した。フランキッティはHondaと最も長く働いているドライバーで、アメリカにおけるレースでHondaに最も多くの勝利をもたらしてくれたドライバーだ。彼がついにチャンピオンとなったことに対し、おめでとうと言いたい。
HondaがIndyCarシリーズに単独サプライヤーとしてエンジンを供給するようになって、これで2シーズン目を終えた。どちらもすばらしいバトルの末に最終戦でチャンピオンが決することとなった。我々は多くのマシンに公平に、パワーの差のないエンジンを提供し、レースがよりエキサイティングなものとなるようサポートをしてきた。我々としては、IndyCarシリーズに新しいマニュファクチャラーが参入し、競い合ってくれる状況になることを今でも望んでいる。しかし、もしそうならなかった場合でも、この2年間の活動によって、我々はよりよい状態でのエンジン供給を来年も行うことができると確信している。参戦チームの増加、新スポンサーの参入がなされるとの話もすでに出ており、2008年のIndyCarシリーズは、今年以上に激しい戦いとなると期待している」

In070910007l        写真 (C)Honda Motor Co Ltd.

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