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2008年2月 9日 (土)

IRL,CCWS:シリーズ統一に向けての動き

2007年IRL第3戦もてぎ (C)IRL Media 拡大します

1995年以来分離しているインディーカーシリーズ(IRL)とチャンプカーシリーズ(CCWS)の統一に向けての動きが、ここへきて急速に高まっている。アメリカのテレビ局SPEED.TVが、それは早ければ今シーズンから実現すると報道している。

それによれば、IRLの創設者であるトニー・ジョージがCCWSの共同オーナーであるカール・コーベンとジェラルド・フォーサイスとの間で統一のための契約をすでに結んだとされる。契約の内容は、ジョージはCCWSの各チームにマシン1台あたり120万ドルを支払い、フルシーズン参戦契約を結んだチームにはダララシャーシとホンダエンジンを無償で貸与するというもの。さらにCCWSのラウンド中、ロングビーチ、エドモントンとオーストラリアのサーファーズパラダイスがIRLのカレンダーに加えられる。

しかし、これについてはイベント間の日程調整という問題がある。特に障害となっているのは、IRL第3戦もてぎとCCWS開幕戦ロングビーチが4月19日と20日決勝と重なっていることで、公道コースを使用するロングビーチはトラックを管理するコンベンションセンターとの契約上、日程変更ができないと主張している。

このためIRLでは、もてぎ戦を1週遅らせて4月最終週へ移動させることを提案、もてぎ側もこれを承諾したとされている。しかし、この週にはIRL第4戦カンサスが予定されており、こちらは9月に開催されるNASCAR戦とのセットチケットがすでに完売しているとして、サーキット側はこの要請を断ったとしている。

この解決に向けてトニー・ジョージとシリーズ代表Terry Angstadtとブライアン・バーンハートは、ホンダやもてぎとの交渉のために急遽来日することになった。2006年にはホンダのロバート・クラークとマリオ・アンドレッティが両シリーズの統一に向けて動いたが、あと一歩のところで実現しなかった経緯がある。

両者の統一の動きについてCCWSのチーム側では、多くの関係者がこれを歓迎するコメントを出している。ニーマン・ハース・ラニガン(NHL)の共同オーナーであるポール・ニューマンは「わたしは天国に上ったような気分だよ。これはわたしが長い間に聞いた最高のニュースだ」と有頂天であったという。NHLは2009年にはIRLへ転向するのではないかと観測されていた。

しかし、その一方で今回の提案が性急であると異を唱えるチームもある。最近、ルーキードライバーのフランク・ペレラと契約したコンクエスト・レーシングのオーナーEric Bachelartは「わたしをからかってるのかい? ついこの間新車とスペアパーツのために100万ドル使ったところだ。わたしはお金の価値を知っているから、このニュースは胸が痛むね。わたしは一つのシリーズになることは大賛成だ、でもそれは2009年からでいいじゃないか」と戸惑いを隠せない。

2004年当時のCARTが破産し、コーベンとフォーサイスは数100万ドルの私財を提供してCCWSを創立、チームとその従業員達を支え、コスワースとPiを買収してシリーズの存続と繁栄に努力してきた。また、トニー・ジョージもIRLのために、やはり数100万ドルを提供している。また、CCWSの下位シリーズであるフォーミュラ・アトランティックは盛況で、先日のセブリングテストには24台のマシンが集まった。IRLにもインディプロ・シリーズがあり、こちらの見通しは立っていない。

現在IRLには50台のダララシャーシがあると思われており、これをCCWSのチームへ貸与することは可能な状況といわれる。両者が統一されれば、CCWSのグラハム・レーホールやポール・トレ-シー、ジャスティン・ウィルソン、ロバート・ドーンボスらが、トニー・カナーンやマルコ・アンドレッティ、スコット・ディクソン、ダン・ウェルドンなどとレースをすることが実現する。これは、昨年のチャンピオン、ダリオ・フランキッティやサム・ホーニッシュJr.が去ってしまったIRLにとってもメリットの多い提案でもある。これまでになく統一に向けての実現性が高まっていることは確かなようだ。

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