F3:TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)レポート 第9
2008年9月22日
トヨタ自動車(株)
モータースポーツ推進室
TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)レポート 【9月22日号】
F3ユーロシリーズ第8大会第2レースで大嶋和也が初優勝!
フォーミュラ・ニッポン第8戦 平手晃平が5位入賞、
ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得
F3ユーロシリーズ
初優勝した大嶋和也
第1レースは不運なリタイアとなったが、
速さを見せたヘンキ・ワルドシュミット(#20)
F3ユーロシリーズの第8大会が9月19日(金)から21日(日)にかけて、スペインのカタルニア・サーキット・ショートコースで開催された。今季の同シリーズには、TDPドライバーの大嶋和也(マノー・モータースポーツ)とヘンキ・ワルドシュミット(SGフォーミュラ)が参戦。カタルニア・サーキットは大嶋にとっては初経験のサーキット。ワルドシュミットはフォーミュラ・ルノー・ユーロカップで参戦経験を持つが、ショートコースでのレースは初めてとなる。
18日(木)と19日(金)に行われた公式練習走行では、大嶋はコース習熟と共にセットアップを進め、順調にラップタイムを向上させていった。
19日(金)の予選では、大嶋は1セット目のタイヤで5番手と好タイムをマークしたが、2セット目のアタックではトラフィックに阻まれ、第1レースは18番手グリッドと苦しい位置からのスタートとなった。一方、公式練習で4番手につけるなど好調なワルドシュミットは、4列目8番手の好グリッドを確保した。
20日(土)、午前11時50分に2.977kmのコースを36周して行われる決勝第1レースがスタート。18番手グリッドの大嶋は絶好のスタートを切り、一気にジャンプアップ。第1コーナーでの混乱の中で、フロントウィングの翼端板左右にダメージを受けてしまったが、9位までポジションを上げて1周目を終えた。
その後は、ウィングのダメージのためにペースを上げることができず、ポジションをキープ。33周目に5位走行中の車両がトラブルのためにリタイアしたために、8位へと順位を上げてチェッカーを受けた。これにより、大嶋は念願のシリーズポイントを獲得すると共に、上位8台がリバースグリッドとなる第2レースは、ポールポジションからスタートすることとなった。
一方、8番手と好位置から第1レースに臨んだワルドシュミットは、スタート時のクラッチ作動不良でエンジンストール。エンジン再始動後は、ファステストラップを記録しながら追い上げを見せたが、グリッドでの再始動時にマーシャルに押されたことで失格という裁定がなされ、9周でレースを終えることとなった。
21日(日)の第2レースも36周で競われた。ポールポジションの大嶋は、抜群のスタートで首位の座を守り、独走。中盤には後続の追撃を受けるが、大嶋はペースアップを図り、後続を振り切ってトップでチェッカー。シリーズ初優勝を達成した。
25番手からスタートを切ったワルドシュミットは、スタート直後の混乱を上手くかわし、1周目に17位まで浮上。その後も次々と前走車をパスし、12位までポジションを上げてフィニッシュした。
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Formula Nippon
9位でフィニッシュし、今季3度目のポイント獲得を果たした石浦宏明(#8)
復帰戦で見事5位フィニッシュを果たし、
ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した平手晃平(右)
9月20日(土)、21日(日)の両日、フォーミュラ・ニッポンの2008年シーズン最終戦となる第8戦が宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。同シリーズにはTDPドライバーの平手晃平(TP Checker IMPUL)と石浦宏明(Team LeMans)が参戦している。平手は第6戦のクラッシュにより、第7戦を欠場したが、今大会より復帰を果たした。
20日(土)曇り空の下、午後2時半よりノックアウト方式で予選が行われ、第1セッションでは平手9番手、石浦13番手で第2セッションへと進出。しかし、第2セッションでは、トラフィックに阻まれた石浦が15番手、平手も僅差の11番手となり、最終第3セッション進出はならず。平手が11番手、石浦が15番手グリッドから決勝へ臨むこととなった。
21日(日)前夜からの降雨により、ウェット路面で午後2時半に決勝レースがスタートした。スタート直前までは雨が止んでいたが、フォーメーションラップ中に再び小雨が降り始めるなど、非常に難しいコンディション。
平手、石浦共に、レース中にコンディションが回復すると読み、ドライ向けのセッティングにウェットタイヤを装着してレースを開始。2台共に好スタートを切り、11番手スタートの平手が9位、15番手スタートの石浦も10位へとポジションを上げた。
その後も断続的な小雨が続き、路面コンディションはなかなか回復しなかったが、平手は果敢に攻め、 10周目には6位に浮上。首位を走行していた本山哲(Team LeMans)のリタイアにより、5位に順位を上げると、前を走るブノワ・トレルイエ(LAWSON TEAM IMPUL)との4位争いを繰り広げた。
一方石浦も、前を行く伊沢拓也(ARTA)を激しく追い上げ、30周以上に渡ってテール・トゥ・ノーズでの8位争いを展開した。
終盤には雨が止み路面は回復していったが、両ドライバー共に逆転は叶わず。平手が5位、石浦が9位でフィニッシュ。両ドライバー共にポイント獲得を果たした。
平手は2008年シーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。総合でもドライバーズランキング4位。石浦はランキング16位でシーズンを終えた。
ポイントランキング平手晃平(TP Checker IMPUL)
石浦宏明(Team LeMans)
全日本F3選手権
9月20日(土)と21日(日)の両日、スポーツランドSUGOで全日本F3選手権の今季最終大会となる第9大会(第17、18戦)が開催された。
同シリーズにはTDPドライバーとして、井口卓人(PETRONAS TEAM TOM'S)、国本京佑(PETRONAS TEAM TOM'S)、ケイ・コッツォリーノ(Now Motorsport)の3名が全日本F3選手権クラスに、山内英輝(TOM'S SPIRIT)がナショナルクラスに参戦。山内は既に前大会でナショナルクラスのチャンピオンを決定しており、全日本選手権クラスでもカルロ・ヴァン・ダム(PETRONAS TEAM TOM'S)のタイトルが決定しているが、井口と国本は僅差で争うランキング2位の座を決するべく最終大会へと挑んだ。
20日(土)午前11時45分から好天の下で予選が行われ、ベストタイムで第18戦、セカンドベストタイムで第17戦のグリッドが決定。戦共に井口が2番手、国本が3番手、コッツォリーノが4番手というグリッドとなった。ナショナルクラスでは、山内が2戦共にポールポジションを獲得した。
予選に続き、午後4時8分に第17戦決勝(18周)がスタート。2番手スタートの井口、3番手の国本はポジションを維持し、首位を逃げるヴァン・ダムを追ったが、順位の変動は無いままチェッカーを受けた。一方、コッツォリーノはオープニングラップで6位までポジションダウン。再逆転を狙い最後までバトルを繰り広げたが、6位でチェッカーを受けた。2位に入った井口と3位の国本は、同ポイントで最終戦へと臨むこととなった。
ナショナルクラスの山内は、ポールポジションからスタート直後こそ一瞬首位の座を譲ったものの、すぐに奪い返すと、素晴らしいペースで後続を引き離し、独走で今季8勝目を挙げた。
21日(日)はあいにくの雨模様となり、ウェットコンディションでのレースとなった。午後12時48分にシーズン最終戦となる第18戦決勝(25周)がスタート。
スタートで3番手グリッドの国本が2番手の井口をパス。この2台に4番手スタートのコッツォリーノが続き、首位のヴァン・ダムから4台が連なって周回を重ねた。
そのままチェッカーを受けるかと思われたが、残り4周の時点で、コッツォリーノが突然のマシントラブルに見舞われ無念のリタイア。国本、井口は2位、3位でチェッカーを受け、この結果、ドライバーズランキングでも国本が2位、井口が3位でシーズンを終えることとなった。
ナショナルクラスでは、ポールポジションの山内がポジションを維持してスタートを切ったが、ホイールナットのトラブルに見舞われ、ペースを上げられず、後続の猛追を受けることとなった。18周目についに安岡秀徒(DENSO Team Le Beausset)の先行を許すと、翌周、山内は最終コーナーでスピン。そのままピットへ向かい、修復後レースへと復帰したが、6位に終わった。
全日本選手権クラス
ポイントランキング国本京佑(PETRONAS TEAM TOM'S)
井口卓人(PETRONAS TEAM TOM'S)
K.コッツォリーノ(Now Motorsports)
ナショナルクラス
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フォーミュラチャレンジ・ジャパン
ウェットの難しいコンディションとなった第16戦も
ポールポジションからスタートを決めた国本雄資が制し今季8勝目
フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)の2008年シーズン最終大会となる第8大会(第15,16戦)が9月20日(土)と21日(日)の両日、スポーツランドSUGOで開催された。同大会には、TDPドライバーとして国本雄資と松井孝允が出場している。
20日(土)曇り空の下で午前9時50分から予選が行われ、前大会、既に同シリーズのタイトルを確定している国本が、第15戦、第16戦共に貫禄のポールポジションを獲得。松井は2戦共に8番手グリッドとなった。
続いて午後1時28分に第15戦決勝(18周)が行われた。ポールポジションの国本はポジションを守って首位でレースを開始。中盤には後続車の追撃を受けたが、国本はスパートをかけ、独走態勢に。そのままトップでチェッカーを受け、7勝目を挙げた。
松井は一つポジションを落とし、9位でフィニッシュした。
21日(日)の第16戦決勝は、昨夜から降り続く雨でウェットコンディション。安全を考慮し、決勝前に10分間のフリー走行が行われ、当初25周で行われる予定であった決勝レースは、15周に短縮されて行われることとなった。
午前9時48分にレースがスタート。ポールポジションの国本はまずまずのスタートを切り、首位を維持。その後方では8番手スタートの松井が、1周目を終えた時点で5位まで浮上した。松井は更なるポジションアップを狙い、先行車に挑んだが、なかなかパスすることは出来ず、11周目にようやく4位へと順位を上げたが、その時点で上位勢ははるか先に逃げており、そのまま4位でチェッカー。
一方国本は、難しいコンディションにもかかわらず後続を大きく引き離し、独走。前大会富士から4連勝で、今季8勝目を挙げた。今季のシリーズタイトルを決めている国本は、昨年に引き続き、SUGOの両レースをポール・トゥ・ウィンで完全制覇し、シーズンを締め括った。
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