WTCC:WTCC参戦日本人ドライバー3名記者会見の模様
織戸 学 & 谷口 行規 & 青木 孝行 (C)Motorsports Forum 拡大します
岡山国際サーキットは9月7日、同サーキットコントロールタワー2階のブリーフィングルームで、WTCCの開催概要と、参戦する3人の日本人ドライバーについての記者会見を行った。
折りしもこの日同サーキットではスーパー耐久第5戦が開催されており、多くのプレス関係者の出席の下で会見は行われ、細井支配人のほか、横浜ゴムの時枝モータースポーツ部長、参戦の決まった織戸、谷口、青木の3選手と、エンドレススポーツの花里代表が出席。
それぞれにWTCC岡山戦に向けての抱負を語った。
細井大志朗(株式会社岡山国際サーキット 取締役支配人)
「このたび、WTCCの日本大会を岡山国際サーキットで開催することになりました。岡山で世界選手権が行われるのは1994年、95年のF1パシフィックグランプリ以来、13年ぶりのことです。WTCCはヨーロッパではF1と人気を2分するほどの人気をもつカテゴリーです。岡山では14周という非常に短い距離のレースを2回行うことになりますが、これはこの後行われるスーパー耐久がマラソンだとすると、WTCCは100m競争に当たるのではないかと思います。ピット作業などの駆け引きのない、コース上だけで行われる激しい戦いは、一瞬も目を離せないものになるはずです。
今回は日本からも3人のドライバーが参加することになりました。数々のレースで戦い、このコースを熟知した日本人ドライバーにはレースを盛り上げていただきたいし、是非とも表彰台に上がってもらいたいと思います」
時枝明記(横浜ゴム株式会社 モータースポーツ部長)
「今回3名の日本人ドライバーが参戦するということで、レースが盛り上がるであろうことは非常に結構だと思います。ただし我々はあくまでタイヤサプライヤーとして全てのチームに均一なタイヤを供給する使命がありますので、決してスペシャルタイヤの供給などは期待しないでいただきたい(笑)
3人には実力で良い成績を収めて欲しいですね」
花里功(エンドレススポーツ代表)
「私が今回参戦を決定したのは、先日ドイツを訪れた時です。プライベートチームだからといって1年落ちや2年落ちのクルマでは出たくなかったのですが、2008モデルをBMWから供給してもらう契約を結ぶことが出来ました。青木にクルマのことで言い訳させないためにも、どうしても2008年モデルが必要でした。WTCC参戦については以前から考えてはいました。5年ほど前にマカオでみてカルチャーショックを受けたんです。これは国別対抗のバトルだし、平気でぶつけ合う日本では考えられないレースです。今回は青木だけでなく、参戦する3人に期待しています」
織戸学
「今日は僕のためのお集まりいただき、まことにありがとうございます(笑)冗談はこのくらいにして。今回ビッグチャンスをいただきまして、モンツァ、岡山、マカオの3戦に出場することになりました。WTCCには以前から参戦のチャンスを探っていたんですが、今年の日本開催が決まってから本格的に活動を始めました。そしてシボレーワークスから普段参戦している3台のワークスカーに加えて4台目を出していただけることになりました。この後9月上旬にスウェーデンでテストしてからモンツァに臨みます。モンツァではルマンシリーズにポルシェで参戦して表彰台に上がってますし、岡山ではGT500クラスで優勝しています。マカオでもWTCCの前身のギアレースで2位になってますから、3つのサーキットはいずれも相性がいいんです。クルマもポテンシャルがあるし、ツーリングカー使いとして水を得た魚のようにガンガンいっちゃって、優勝を目指します。
サーキットまでのアクセスとか、裏道とかを知り抜いてるのはアドバンテージです。向こうの連中はサーキットに来る途中で道に迷うだろうし、レースに遅れそうになってドキドキしながら慌ててやってくるはず。そういう点で心理的なアドバンテージがあります。勝負はサーキットの手前から始まっているんです」
青木孝行
「今回の参戦はヨコハマタイヤさんと、エンドレスの花里社長のおかげですので、大変感謝しています。プライベートチームでの参戦ですが08モデルですから、チームの望む結果を出したいと思いますし、皆さんにも楽しんでいただける結果を出したいです。モンツァはほとんどぶっつけ本番ですが、岡山は走りなれてますし、マカオは参戦したことはありませんが以前からすごく興味を持っていました。峠道みたいなコースですから昔の血が騒ぎます。WTCCのドライバーはプロフェッショナルばかりの強豪ぞろいなので、一緒に走るのが楽しみですし、プレッシャーも感じてます。岡山に関しては、向こうは初めてのコースであってもすぐにラインとか走り方は吸収してしまうと思うので、その点でのアドバンテージがあるとは考えていません。ですがレースになれば別で、岡山は回りこんで右左、みたいなコースが多く、団子状態になったときの位置取りが重要です。だからややこしい展開になったらチャンスがあると思いますよ」
谷口行規
「他のお二人に比べると、ちょっと見たことない顔が座っているなと思われるかもしれません。僕は今年シビックインターシリーズに参戦しています。今回、Nテクノロジーさんからモンツァと岡山のお話をいただき、WTCCに参戦することになりました。実は以前スペインに行ったときにセアトのワンメイクレースを見たことがあり、その勝者にWTCC参戦というご褒美が用意されてるのを知りました。だったら自分もホンダから出るチャンスはないのかなと思ったんですよ。シビックレースもヨコハマのワンメイクですし、エンジンもWTCCのアコードと同じK20型ですからね。今回はアマチュアレーサーが出てどこまで通用するのかというベンチマークのつもりもあります。激しいレースですからクルマも無傷では済まないでしょうけど、一つでも上の順位に上がれるよう、全力で走ります」
情報提供:Motorsports Forum
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