EF3:TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)レポート 【10月26日号】 最終戦ホッケンハイム
2009年10月26日
トヨタ自動車(株)
モータースポーツ推進室
TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)レポート 【10月26日号】
F3ユーロシリーズ最終大会でヘンキ・ワルドシュミットが8位/8位
アンドレア・カルダレッリはF3デビューシーズンをランキング14位で終える
第1レースでポイントを獲得したヘンキ・ワルドシュミット(#11)
デビューシーズンで速さを見せたアンドレア・カルダレッリ(#30
F3ユーロシリーズ
10月23日(金)から25日(日)にかけて、ドイツのホッケンハイムリンクでF3ユーロシリーズの今季最終戦となる第10大会が開催された。
今シーズン、同シリーズにはTDPドライバーとして、ヘンキ・ワルドシュミット(オランダ)とアンドレア・カルダレッリ(イタリア)の2名がSGフォーミュラチームから参戦している。
今大会の練習走行は、75分間を2セッション行う通常と異なり、60分のセッション1回のみという、第7戦ブランズハッチと同じフォーマット。23日(金)午後1時15分からの練習走行セッションは、小雨が降り続き、ウェットコンディションで行われた。
カルダレッリは、エンジントラブルに見舞われ、この貴重な60分のうち、35分以上をピットで過ごすこととなったが、応急処置を終えて走行を開始すると徐々にペースを上げ、13番手につけた。
また、ワルドシュミットは、当初からトップ5圏内のタイムをマークするなど好調ぶりを示したが、最終的にはこのセッション12番手。しかし、雨が予想される予選へ向けての準備を整えることができた。
午後5時40分から30分間にわたって行われた予選は、練習走行時よりも更に気温が下がり、降雨量も刻々と変化する極めて難しいコンディションとなった。
タイヤが温まるまでに数周を要する状況で各車アタックを行っていったが、15分を経過した時点でクラッシュが発生。5分ほどの赤旗中断の後、セッションは再開されたが、この間に雨足が強まったため、その後は誰もタイム更新を果たせず、赤旗中断前のラップで予選順位が決定された。
タイムではカルダレッリが11番手、ワルドシュミットが15番手につけていたが、翌朝、第1コーナーでの縁石通過時のローカル・ルール(縁石上のマーカーまでにコースに復帰すること)に則り、これを果たせなかったドライバーの該当ラップ及びファステストラップが削除されるペナルティが科されることとなった。これにより、カルダレッリは19番手グリッド、ワルドシュミットは11番手グリッドから第1レースをスタートとすることとなった。
24日(土)午前11時50分より30分間、18周の第1レース決勝がスタート。夜のうちに雨は止んだが、ライン上はまだウェットの状態。第1コーナーでのコースアウト、第2コーナーでのクラッシュなどが発生する波乱のスタートとなったが、これを巧みに避けたワルドシュミットは9位、カルダレッリは15位までポジションを上げてレースを開始。
ワルドシュミットは12周目に前走車をパス。ポイント圏内の8位に浮上。更に前を行く車両に一気に追いつき、ポジションアップのチャンスを伺ったが、追い抜くには至らず、8位でチェッカー。1ポイントを獲得すると共に、第1レースの結果から、上位8台が逆順でグリッドを決定する第2レースでのポールポジションを獲得した。
カルダレッリは4周目には12位まで順位を上げるなど、序盤からアグレッシブなレースを展開。8周目に黄旗区間でペースダウンした際に他車に抜かれ、ひとつポジションを落とし、13位でフィニッシュした。
25日(日)午前10時30分より40分間の第2レースがスタート。曇り空の下、雨は降っていなかったが路面は完全なウェット。コースインラップの時点で、ライン上が若干白く乾き始める状況だったため、後方スタートの数台がドライタイヤでの逆転に賭けるギャンブルに出た。ポールポジションのワルドシュミットから、13番手グリッドのカルダレッリも含め、上位勢は全てウェットタイヤのままスタート。
ワルドシュミットはスタートでポジションをキープしたものの、濡れた縁石でトラクションを失い、第2コーナーで2位にポジションダウン。カルダレッリは巧みなライン取りで10位まで順位を上げた。カルダレッリは3周目には8位に浮上したが、6周目の第1コーナーで縁石に乗った瞬間バランスを崩しコースオフ。無念のリタイアとなった。
ワルドシュミットは首位の座を奪い返すべく、序盤からバトルを展開。この間に路面コンディションは徐々に回復していき、中団以降の車両がドライタイヤへと交換し始めた。
首位争いを繰り広げていたワルドシュミットだったが、路面が乾いていったことで徐々にペースが落ち、先にドライタイヤに交換していた車両の追い上げを受けることとなってしまった。F3車両はタイヤの交換に約1分間を要するため、ポジション争い中のピットインは致命的であり、ワルドシュミットはウェットタイヤのまま最後まで走行することを選択。しかし、タイヤの摩耗は激しく、終盤には、ウェットタイヤ勢をドライタイヤ勢が、ラップタイムで10秒近く上回る状況となった。ポジションを守るべく健闘を続けたワルドシュミットであったが、大きくラップタイムで上回るドライタイヤ勢の猛攻を凌ぎきることは叶わず、8位でレースを終えた。
今大会で2009年シーズンのF3ユーロシリーズは全日程を終了。シーズン2年目のワルドシュミットは6回の入賞を果たし、計13ポイントでシリーズランキングは12位。F3デビューシーズンのカルダレッリは、第8戦ポルティマオで3位表彰台を獲得。第9戦ディジョンでも4位に入り、ランキングは14位となった。
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