WTCC:Rd.12マカオ 第2レース ファルフスが勝利、しかし栄冠はSEATの手に
BMWのアウグスト・ファルフスとヨルグ・ミューラーが第2レースのワンツーを飾った。しかしシーズンチャンピオンはガブリエル・タルキーニになりその栄誉はSEATに渡った。タルキーニの順位としては5位、一方イヴァン・ミューラーは3位だったが、タルキーニがチャンピオンシップポイント6点差でチームメイトのミューラーから逃げ切った。ホルディ・ジェネとティアゴ・モンテイロの活躍によりSEATはマニュファクチュラーズタイトルも獲得した。
第8ラップ終盤、フェリックス・ポルテイロ、フランツ・エングストラー、アンドレ・コウトが大事故を起こしレースは終了となった。この場合終了前のラップが最終結果に考慮されるため、ポルテイロがインディペンデントの勝者となった。レース中盤では、モーリッシュヒルに向かうところでトム・ボードマンがトム・コロネルを巻き込んでクラッシュ。4ラップの間、セーフティーカーが導入されるという場面もあった。
今シーズンが最後のWTCCとなったラリーニは、第8ラップのリスボアコーナーに向かうところでザナルディに衝突された。
第2レースのヒーロー
ガブリエル・タルキーニは最年長のFIA世界チャンピオンとなった。ここマカオでは輝かしい結果を出せなかったが、シーズンを通して安定しており、優勝が視野に入った今大会ではミスのない走りを見せた。パドックでも笑顔を絶やさない家庭的なタルキーニはチャンピオンとして人気を博すだろう。予選の事故で大きなダメージを受けた彼のマシンを懸命に修理し、タルキーニの夢を現実にしたチームスタッフの尽力も大きな貢献者といえる。
第2レースのみどころ
ポルテイロ、エングストラー、コウトを巻き込んだ事故でシーズンが終わった。ポルテイロがRのコーナーで失速、レースラインに再び突っ込んだところでエングストラーに衝突、その数秒後にコウトがエングストラーに衝突した。後3ラップが行われていたら何が起こったか…それは誰にも分からない。今週末そうだったように、マカオでは何があるか予測不可能なのだ。
辞退及びリタイヤ
T.コロネル-レース事故、K.ポウルセン-レース事故、T.ボードマン-レース事故
(WTCC日本語公式ホームページより転載)
■ドライバーのコメント
ガブリエル・タルキーニ
「世界チャンピオンになれるのはこれが最後のチャンスだったかもしれないので勝てて良かったです。素晴らしいドライバー、特にイヴァン・ミューラー、アウグスト・ファルフスのようなドライバーらがいるのでとても難しいシーズンでした。無線が無かったのでチャンピオンになった瞬間、僕は分かっていなかったんです。ただチームが泣いて喜んでいたので少し後になって分かったんです。今週は事故に始まったので、理想的なチャンピオンシップのタイトル獲得とはいきませんでしたが、整備士たちが夜通し素晴らしい働きをしてくれたお陰でマシンのコンディションは前にも増して良くなりました。最高のチームに心からありがとう、と言いたいです。」
イヴァン・ミューラー
「これまで同様、今日も自分のベストを尽くしましたが結果が伴いませんでした。でも自分でなかっとしたらタルキーニにタイトルを取ってほしかったのでうれしく思っています。友である彼は素晴らしい世界チャンピオンです。」
アウグスト・ファルフス
「僕らは最初の3大会でいい結果を出せませんでした。そこでいい結果を出せていたら少しは違ったのかなと思います。BMW、ヨルグ・ミューラー、アンディ・プリオールに感謝の意を表したいです。終盤追い上げましたが結果につながりませんでした。2010年はより良いシーズンにしたいと思います。」
ロバート・ハフ
「ポールからのスタートは明らかに有利ですが、マカオで勝つのは決して簡単ではありません。一周まわるだけでも「快挙」ともいえるくらいです。第1レースではモンテイロに大分追い込まれましたがその後差を広げてそのままゴールできました。シーズンを通して最高のマシンを提供してくれたシボレーに感謝します。」
ヨルグ・ミューラー
「僕らチームはどちらのタイトルもとれませんでしたが、このようなサーキットでは自分の思うようにいくかどうか予測が不可能ですからね。第2レースでワンツーフィニッシュを飾れたことは、この状況で僕らにできるベストだったので良かったです。」
ホルディ・ジェネ
「とてもいい大会になりました。チームとしてもいい結果を出さなくてはなりませんでしたし、僕自身もSEATチームの一員として少しでも貢献したいと思っていましたので。若い整備士からドライバーに至るまで、チーム全員が素晴らしい働きをしたと思います。」
トム・コロネル
「ポルテイロと激しく争い厳しいシーズンでしたが、全レースを走りきりいい結果も出せました。チャンピオンシップは1年を通してポイントを確実に獲得していくこと、これに尽きます。これが出来たので僕もタイトルを獲得できました。」
(WTCC日本語公式ホームページより転載)
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