ILMC:プジョー、2011年モデルの『908』を発表
プジョー908 (C)Peugeot Media 拡大します
2月3日、プジョースポールは2011年のインターナショナル・ルマンカップ全7戦に出場するニューマシン『908』を発表した。
前モデルと同じ名前を持つニューマシンは、一見したところレギュレーションで義務づけられたシャークフィン以外は、ボディ形状もあまり変化はないように見える。しかし、プジョースポールのテクニカル・ディレクター、ブルーノ・ファーミンによれば、減少したエンジンパワーをカバーするためドラッグとダウンフォースのトレードオフについて全面的な見直しが行われ、ドラッグの減少の比重が高くなっている。ファーミンは、前モデルと同じパーツはワイパーだけであるとしている。908は2010年1月15日にエンジンのダイナモテストが開始され、すでに12回のテストを行っている。
2011年ACO規則によりエンジンはこれまでの5.5リッターV12から3.7リッターのV8へ、バンク角もバランス上90度と、V12の100度から変更されている。プジョーでは2009年ルマンシリーズのシルバーストーンで908ハイブリッドのデモ走行を行っているが、今年もHDi FAPディーゼルの使用を決めた。これにより2010年モデルと比較して最高出力で150馬力減少しているとされる。
ボディもこれまでと同様クローズドボディを継承する。ライバルのアウディもニューマシンのR18でオープンボディから転向したが、プジョーによれば空力的なメリットよりもドライバーの安全性を重視したためであるとしている。
また、LMP1マシンの欠点であるフロントタイヤのグリップ不足を解消するため、フロントにはリアと同じ14.5インチの大径タイヤが使用されている。これは2009年アメリカンルマンシリーズでアキュラARX-02aが採用した手法である。このフロントタイヤはミシュランと共同で開発された。
今年のプジョー最大の目標は、昨年思わぬトラブルでアウディに敗退したルマン24時間レースの勝利であり、デビューレースの3月のALMSとILMC開幕戦セブリング12時間レースに続いて4月のルマンシリーズ(LMS)のポールリカール公式テスト、そして5月のLMSとILMCスパ・フランコルシャンに出場してルマンに備えることになる。ルマンに出場する3台のマシンのドライバーは以下のように発表されている。
The three crews for Le Mans:
N°7 908: Alexander Wurz / Anthony Davidson / Marc Gené
N°8 908: Franck Montagny / Nicolas Minassian / Stéphane Sarrazin
N°9 908: Sébastien Bourdais / Pedro Lamy / Simon Pagenaud
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