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2014年4月22日 (火)

ポルシェ919ハイブリッドがデビューレースでポディウムを獲得 GTE-Proクラスは911 RSRが1-2フィニッシュ

Porsche 919 Hybrid (C)Porsche Japan KK. 拡大します

プレスインフォメーション 2014年4月21日

日本. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)のポルシェ919ハイブリッドは、シルバーストーン(イギリス)で行われた世界耐久選手権(WEC)の第1戦でついにレースデビューを果たし、3位でフィニッシュしました。GTE-Proクラスではチーム・マンタイが1-2フィニッシュを達成し幸先のよいスタートを切りました。

きわめて複雑なル・マン・プロトタイプは、シルバーストーン(イギリス)で開催された6時間におよぶ激しいレースで、デビュー戦にして表彰台を獲得しました。ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は、ポルシェ919ハイブリッドで1周5.891 kmのサーキットを165周し、3位入賞を果たしました。レースは豪雨のため、予定の6時間の24分前にレッドフラッグで終了し、919ハイブリッドはセーフティカーの先導のもとウェバーのドライブでフィニッシュしました。もう一台の919ハイブリッドをドライブしたロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組は、テクニカルトラブルにより1時間15分でリタイヤしています。総合優勝は、トヨタ・レーシングのセバスチャン・ブエミ(スイス)/アンソニー・デビッドソン(イギリス)/ニコラ・ラピエール(フランス)組が獲得しました。

ポルシェジャパンKK.・プレスリリース

ポルシェAGの研究開発担当役員であるヴォルフガング・ハッツのコメント: 「本当に誇らしく感じています。このレースは、耐久レースのトップクラスへの正式なカムバックとなるものでした。準備、オペレーション、ピットおよび2台のポルシェ919ハイブリッドのコックピットでも、非常によく統制が取れていました。レースそのものも興味深く、技術的に大きな自由度が与えられているにも関わらず、というより与えられているためなのか、WECの新レギュレーションはしっかりと機能していることがわかりました。3メーカーが、3種類の革新的なハイブリッドシステムで、最高レベルのエキサイティングな戦いを展開するのです。個人的な意見を言わせてもらえるなら、これこそがロードカーの開発に寄与するモータースポーツだと思います」。

LMP1担当副社長であるフリッツ・エンツィンガーのコメント:「プロジェクトは全体的にごく初期の段階にあるため、レースでのペースについては私はあまり心配していません。カーナンバー14のリタイヤには、私たち全員がフラストレーションを感じましたが、カーナンバー20は、6時間を通してまったくトラブルがありませんでした。初戦から表彰台に上がれたことはとってすばらしい結果であり、今夜は全員がぐっすりと眠れるのではないかと思います」。

LMP1テクニカル・ディレクターであるアレクサンダー・ヒッチンガーのコメント: 「このまったく新たなテクノロジーの複雑さを考えると、1台とはいえレースを完走したことは非常にポジティブな結果です。カーナンバー20のポルシェ919ハイブリッドは、トラブルなしで走行しました。これから、カーナンバー14のリタイヤの原因をしっかりと調査しなければなりません」。
LMP1チーム監督であるアンドレア・ザイドルのコメント: 「私達は強力なチームで、オペレーションサイドでは複雑な仕事はありませんでした。このサーキットとヴァイザッハでプロジェクトに関わったメンバー全員に感謝しています。カーナンバー20のポルシェ919ハイブリッドの3位入賞で、2013年6月のシェイクダウン以来の多大な努力が十分に報われました。レース中は、私達は適切な判断を下し、ドライバー達も困難な状況でもまったくミスをしませんでした。全員が最高の仕事をしました」。

#20ポルシェ919ハイブリッドのドライバーのコメント
ティモ・ベルンハルト:「これ以上望むことができないほどの結果です。ル・マン・プロトタイプへのポルシェ復帰第1戦にして表彰台獲得、というのはすばらしいとしか表現できません。完走と適切な判断が非常に重要でした。それにより膨大なデータを収集しました。よいスタートを切ることができ、前を行くライバル達に遅れずついていくことができました。雨が降り出したとき強さを発揮し、あっという間に差を詰めることができました。私のピットストップで、インターミディエートのタイヤを選択しましたが、これは正しい判断でした。結果としてこれは完璧な決断でした。チーム全員に本当に感謝しています。ここまで、長い道のりでした」。

ブレンドン・ハートレー:「ポルシェのワークスドライバーとして、初めてのスティントを終えピットに戻り、クルマをマークに渡したときは、何ともいえない感動がありました。スティントの中盤は、フロントウインドウに雨粒がつく難しいものでした。路面がウエットなのか、ラインはドライなのか、判断するのが困難でした。トラフィックに関してはリスクを冒さないようにし、タイヤにも注意していました。初仕事がうまくいき、嬉しいです」。

マーク・ウェバー:「私達にとって、すばらしい日になりました。ここに到達するまでにチームおよびファクトリーの全員が注いだ大きな努力の中で、わずかながらでも役割を果たすことができ嬉しく思っています。ティモとブレンドンも、並外れたドライビングを見せました。もう1台の919ハイブリッドは残念でしたが、日が悪かっただけのことです。ドライバー全員にとって、見極めにくい条件の厳しいレースでしたし、スリックタイヤに小雨というのは決して簡単ではありません。私達はいくつかの危険を回避することができ、難しい局面を乗り越えることができました。今日のレースはすばらしい経験となり、非常に多くのことを学びました。ピットストップでのタイヤのチョイスは完璧でした」。

#14ポルシェ919ハイブリッドのドライバーのコメント
ニール・ジャニ:「最初、よいスタートを切ることができたのですが、第1コーナーで曲がりきれず、順位を下げてしまいました。アンダーステアの問題があり、そのため前走車についていくのが難しかったのです。24周目に左のフロントホイールにトラブルが発生し、再度ピットに戻らなければなりませんでした。チームが16分以下でクルマをコースに戻してくれましたが、これはすばらしい仕事です。しかし、30周目で別の問題でリタイヤせざるを得なかったのが残念です」。

ポルシェ919ハイブリッド:
ポルシェ919ハイブリッドは、2系統のエネルギー回生システムを搭載したポルシェ史上最も複雑な車両で、未来の公道車を見据えた最速の移動実験室としての役割を担っています。この軽量プロトタイプは、極限の性能と効率のためにチューニングされています。919ハイブリッドには、ブレーキング時の運動エネルギー回生システム(MGU-K)に加え、加速時の排気熱エネルギー回生システム(MGU-H)が搭載されています。これら2つのシステムの組み合わせにより、ポルシェは未知の領域に踏み込み、WECでも独自性を発揮します。ドライバーの操作により、水冷式リチウムイオンバッテリーパックに蓄積されたエネルギーを使用すると、250 PS以上を発揮する電気モーターが前輪を駆動します。これがオーバー500 PSを発揮するエンジン(ターボチャージャーを搭載したダウンサイジングされた2.0リッターV4直噴エンジン)と組み合わされることにより、一時的に4WDとなります。

GTE-Proクラスでは、この有名なイギリスのサーキットにおける過酷なコンディションにもかかわらず、ワークスドライバーのマルコ・ホルツァー(ドイツ)/フレデリック・マコヴィッキ(フランス)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組の駆るポルシェ911 RSRは、十分なサポートを受けてGTE-Proクラスで優勝を飾りました。ワークスドライバーのチームメイトであるパトリック・ピレ(フランス)/イェルク・ベルクマイスター(ドイツ)/ニック・タンディ(イギリス)組も、激しい戦いが繰り広げられる中、初戦で2位を獲得してポルシェチーム・マンタイが1-2フィニッシュを達成しました。

変化の激しい天候条件の中で、シルバーストーンサーキットのスタートからゴールまで、非常に眼を離せないレースが展開されました。 フロントローからスタ-トした91号車のポルシェ911 RSRのステアリングを握るニック・タンディは、11周目で初めてGTカテゴリーのトップに立ちます。その後、ドライバーはチームメイトのイェルク・ベルクマイスターに代わりましたが、ストップ&ゴーペナルティーを受けたため、一時トップを退きます。ポルシェのアイコンである911の7代目をベースとした470PSを発揮するヴァイザッハ製のレーシングカーは、その後もトップ争いを展開、終盤、新人のフレデリック・マコヴィッキがトップに立ちます。彼は、ポルシェのワークスドライバーとして初出場にして、重要なシーズン初優勝をもたらしました。

911 RSRは、2013年のル・マンで優勝を飾った後、デイトナとセブリングのロング・ディスタンス・クラシックを制覇して今シーズンをスタートしました。今回のシルバーストーンにおける優勝により、6月に開催される今年のル・マン24時間レースに向けて、さらに一歩前進しました。GTEプロクラスのレースがいかに熾烈で、アストンマーチンとフェラーリのワークスエントリーがいかに強豪であったかは、トップグループの4台が同一周回でチェッカーフラッグを受けたという事実によって明らかです。
ポルシェのモータースポーツ部門のトップであるハルトムート・クリステンは、「このエキサイティングなレースで、ドライバーのパフォーマンスは見事でした。フレデリックのトップへの浮上は見ごたえがあり、最高のレースになりました。終盤は土砂降りだったので、レースの中止は正しい判断だったと思います。シーズン初戦において、これはもちろんすばらしい結果です。今後も継続できるように努力してゆきます。911 RSRは、ドライでもウェットでも抜群のパフォーマンスを証明しました。幸いライバル車はそういうわけにはいかなかったようです。」

ドライバーのコメント
マルコ・ホルツァー(92号車):「WEC初シーズンを優勝でスタートできて本当に最高です。今日は過酷なコンディションで、サーキットの路面状態が常に変化していました。僕がコックピットに座ったとき、路面はドライでした。2周後に霧雨が降り始めて、安定したラップタイムを出すのは難しくなりました。コースアウトしないようにすることが最優先でした。こんなに変化の激しい中を走ったのは久しぶりです。完璧にドライに見えるコーナーにスリックで入ったとき、突然、車が横に向いてドアウインドウから前方が見えました。ヒヤッとした瞬間でしたね。

フレデリック・マコヴィッキ(92号車):「ポルシェのワークスドライバーとして思い描いたとおりの初戦になりました。すばらしいレースでしたがハードでした。ドライコンディションでスタートしてから雨が降り始めたので、選択したタイヤでは厳しくなりました。タイムを失わないようにタイヤを短時間で交換しました。スリックに戻したときも、迅速なピットクルーのおかげでタイムをそれほど失わずにすみました。チーム全員に感謝します。見事なサポートでした。」

リヒャルト・リーツ(92号車):「チームメイトのマルコとフレデリックのシーズン初戦の優勝をアシストできて本当にうれしいです。車はバランスが非常に良くて、終始トラブルもなくGTのなかで最速のペースを守ることができました。僕が乗り込んでいる間はサーキットがドライで、運転していて楽しかったです。追い越すときに、なかなか前へ出られずタイムを失うことが数回ありました。しかし優勝できた今は最高の気持ちです。」

パトリック・ピレ(91号車):「ポルシェにとっては最高の結果です。進む方向が正しかったことがレースで証明されました。チーム全員に感謝しています。僕達の車は優勝できませんでしたが、チームが優勝できてうれしいです。この勝利は不断の努力の結果だと思います。」

イェルク・ベルクマイスター(91号車):「レーシングドライバーにとって、チームメイトに次いで2位でシーズンを開始するのも最高で、うれしいです。ニックに引き継がれたストップ&ゴーペナリティを除いては、楽しいレースでした。スリックを装着した僕達の車は絶好調で、すぐにトップを奪回することができました。天候も味方してくれました。目まぐるしく変化したにもかかわらずスリックで走行できてよかったです。僕にとってのメリットになりました。」

ニック・タンディ(91号車):「僕達の車は、サーキットがドライでもウェットでも最高でした。ポルシェの見事な結果を見てもそれは明らかです。最初にステアリングを握ったとき、フェラーリと激戦になりました。雨で危険な瞬間がありましたが、レースにハプニングは付きものだし、状況に対応する能力は不可欠です。今日のコンディションは、問題なく安全にゴールするのは難しい状況でした。とりわけこのシルバーストーンでよい結果になって本当にうれしいです。過酷なコンディションでも、このサーキットを走るのは本当に楽しいです。」

レース結果
LMP1
1. デビッドソン/ラピエール/ブエミ(イギリス/フランス/スイス)組、トヨタTS040 HYBRID、167周
2. ブルツ/サラザン/中嶋(オーストリア/フランス/日本)組、トヨタTS040 HYBRID、-1周
3. ベルンハルト/ウェバー/ハートレー(ドイツ/オーストラリア/ニュージーランド)組、ポルシェ919ハイブリッド、-2周
4. ハイドフェルド/プロスト/ベッシェ(ドイツ/フランス/スイス)組、ローラB12/60・トヨタ、-8周
5. プラ/カナル/ルシノフ(フランス/フランス/ロシア)組、モーガン・ニッサン、-13周
6. ブラッドレー/ホーソン/松田(イギリス/イギリス/日本)組、オレカ03・ニッサン、-15周

GTE-Pro クラス
1. ホルツァー/マコヴィッキ/リーツ(ドイツ/フランス/オーストリア)組、ポルシェ911 RSR、147周
2. ベルグマイスター/ピレ/タンディ(ドイツ/フランス/イギリス)組、ポルシェ911 RSR、147周
3. ターナー/ミュッケ(イギリス/ドイツ)組、アストンマーチンVantage、147周
4. ブルーニ/ビランデル(イタリア/スウェーデン)組、フェラーリF458 Italia、147周
5. リゴン/カラド(イタリア/イギリス)組、フェラーリF458 Italia、146周
6. グリフィン/パレンテ(アイルランド/ポルガル)組、 フェラーリF458 Italia、146周
GTE-Amクラス
1. プールセン/ハンソン/ティム(デンマーク/デンマーク/デンマーク)組、アストンマーチンVantage、144周
2. ダララナ/ラミー/ニゴール(カナダ/ポルトガル/デンマーク)組、アストンマーチンVantage、144周
3. ワイアット/ルゴロ/バード(オーストラリア/イタリア/イギリス)組、フェラーリF458 Italia、143周
4. リード/バッハラー/アルクバイシ(ドイツ/オーストリア/アラブ首長国連邦)組、ポルシェ911 RSR、142周
5. モーレム/パターソン/コリンズ(イギリス/米国/イギリス)組、フェラーリF458 Italia、141周
6. ペレス・コンパンク/チョチ/ベントゥーリ(アルゼンチン/イタリア/イタリア)組、フェラーリF458 Italia、141周

スポーツカー世界耐久選手権WEC
スポーツカー世界耐久選手権WECでは、スポーツプロトタイプおよびGTカーが、LMP1(ポルシェ919ハイブリッドが参戦)、LMP2、LMGTE-Pro(911 RSRが参戦)およびLMGTE-Am(911 RSRおよび911 GT3 RSRが参戦)の4つのクラスで競います。全車が同じレースで競いますが、クラスは別になっています。

2014年レースカレンダー
4月20日:シルバーストーン/イギリス
5月3日:スパ・フランコルシャン/ベルギー
6月14-15日:ル・マン/フランス
9月20日:オースチン/米国
10月12日:富士スピードウェイ/日本
11月2日:上海/中国
11月15日:サヒール/バーレーン
11月30日:サンパウロ/ブラジル

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