GT3:BMW Z4、完璧なタイヤ戦略でスパ24時間レースを制す (ピレリ)
2015年7月26日、スパ・フランコルシャン
ニック・キャッツバーグ/ルーカス・ルーア/マーカス・パルタラ組のマルクVDS BMW Z4が、ピレリタイヤで初めてスパ24時間レースを制しました。キャッツバーグは、ファステストラップを記録し、フィニッシュ時にステアリングを握っていました。また、パルタラは、フィンランド人ドライバーで、初のスパ24時間優勝を達成しました。
3名のドライバーは、大雨、霧、日差しなどの多様なコンディションに対応し、BMWの1998年以来の22勝目を飾りました。
ドライバーたちは、DHCスリック(作動温度領域が低いハードコンパウンド)と軟らかいレインタイヤの2種類のピレリタイヤのみで、あらゆるコンディションに対応しなければなりませんでした。レース序盤、大雨によってほとんど視界がゼロでグリップが無い中、スパでの成功の鍵となる、終始無事走行を成し遂げるために、マルクVDSのクルーはピレリタイヤの性能を最大限に引き出しました。
また、マルクVDSは、夜間に路面が乾いた際、レーシングラインが消えてしまった苛酷なコンディションの下にあっても、スリックタイヤへ交換するタイミングを的確に判断しました。このコンディションは、多くのドライバーのミスを誘い、12時間の間に何度もセーフティーカーが導入されました。
トップを走っていたBMW Z4の45号車は、メカニカルトラブルによって、ダーク・ヴェルナーがドライブ時にリタイアを強いられました。その後、46号車は、強敵であるアウディとメルセデスを猛追し、トラックが完全にドライになった日曜日の午前中、ファステストラップを記録しました。
ピレリジャパン・プレスリリース
9つの自動車メーカーによる、構造が異なる57台のマシンが出場しました。しかし、ホイールによってサイズは異なるものの、これらのマシンは全て同じ2種類のピレリタイヤを使用しました。ブランパンGTシリーズを走行するマシンと、公道でピレリタイヤを装着して走行するスーパーカーは、近いものであることから、スパ24時間で使用されるタイヤは、サーキットと公道間のダイレクトな技術の移行を象徴しています。また、ピレリの100年以上に渡るモータースポーツへの参画から得られた資産は、Formula Oneへと活かされています。
過去2年のドライレースを経て、今年のスパ24時間は、全てのドライバーおよびチームにとって過酷な天候との戦いになりました。しかし、9,000本のタイヤは完璧な性能を発揮し、レース終了間際まで大接戦が展開されました。優勝争いを行った中の1台は、ニコ・バスチアン/ステフ・デュッセルドルフ/ダニエル・ジュンカデラ組RoweメルセデスSLS AMG GT3の99号車でした。最終的にメカニカルトラブルに見舞われたものの、このクルーは、ピレリタイヤの素晴らしい使い方を見せてくれました。
ディルク・ミューラー/ステファン・オルテリ/フランク・スティップラー組のアウディ2号車は、1周遅れの2位でフィニッシュしました。アウディ2号車は、金曜午後のスーパーポールで、DHCスリックタイヤを使用してポールポジションを獲得していました。クリスチャン・マメロウ/クリストファー・ミーズ/ニッキ・ティーム組のアウディ5号車は、終始上位を走行し、3位を獲得しました。
ピレリ・シニア・エンジニア マッテオ・ブラガのコメント:
「優勝クルーを祝福します。多種多様なマシンで使用できるタイヤを供給するという我々の目標を達成することができました。我々のタイヤは、様々なコンディション下で24時間にわたり展開された大接戦を支えることができました。スパ24時間は、まさにブランパンGTシリーズの人気の中枢です。また、我々は、各チームのレース戦略に沿って、的確にタイヤを供給し、チームをサポートすることができました」
ピレリ最大のロジスティクス・オペレーション
スパ24時間における数値:
・合計9,000本のタイヤを、21台のトラックで、50,000kmの距離を輸送。
・700㎡のフィッティングエリアで、50名のフィッターチームがタイヤをフィッティング。
・各フィッターは、ピーク時は15秒に1本のペースでタイヤフィッティングを行い、約1時間で作業を完了。
・タイヤ以外に、500kgのバランスウェイト、5,000個のバルブキャップを用意。レース中は、約36時間の作業シフトが組まれた。夜間作業に使用された照明の数は1,200個。
・レース週末中にピレリ専用レストランで提供した食事は1,200食。眠気防止で消費された強力なエスプレッソは5,000杯。
ハードワークが生み出したものは?
それは、表彰台のハッピーなドライバーたちです。
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