NASCAR:後方スタートからピット戦略で上位争いに加わるも、多重クラッシュに巻き込まれ後退。傷ついた車両で見事な挽回を見せて、2周遅れからトップ10フィニッシュを飾る。 (HRE)
Xfinity SERIES 第22戦
HATTORI RACING ENTERPRISES (HRE)は、「株式会社アイシン」の支援を受け、Car # 61「AISIN TOYOTA GR SUPRA」でXfinity SERIES第22戦に参戦した。36番手スタートから絶妙のピット戦略で8番手まで順位を上げるも、多重クラッシュに巻き込まれ2周遅れの31番手まで後退。傷ついた車両を度重なるイエローコーションで修復し、リスタートから怒涛の追い上げを見せトップ10フィニッシュ。
New Holland 250
125周 (250miles)402.3km
決勝の舞台となる MICHIGAN INTERNATIONAL SPEEDWAY は、全米随一のモーター・シティー、デトロイトから東へ約110kmのミシガン州ブルックリンに位置する。コースは1周2マイル(約3.2km )のオーバルコースで、ホームストレート部分は 12度、バックストレートは 5度、コーナーは18度とバンク角が深く、レースはハイ・スピードでの戦いとなるが、コース幅が広くどのラインでもスピードを維持でき、ライン取りの自由度が高いことが特徴。2012年の路面改修以降、NASCAR で最もスピードが出るサーキットと言われている。
今回のレースのスポンサーであるアイシンは世界207社からなる自動車関連部品メーカー。経営理念に「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」を掲げ、モビリティやエネルギー関連事業などの商品・サービスや新たなイノベーションにより、2050年カーボンニュートラルの実現をはじめとしたさまざまな社会課題を解決し、感動と笑顔にあふれる社会を実現するソリューションカンパニーをめざしている。
決 勝 8月21日(土) 15 : 30~
8月21日(土)、ミシガン州のMICHIGAN INTERNATIONAL SPEEDWAYでNASCAR Xfinity SERIES第22戦「New Holland 250」が開催された。TRUCK SERIES第16戦がイリノイ州で前夜に行われた為、チームは天候によるレースの順延等を考慮し、レースは代役としてマイケル・ジョーダンがチームオーナーを務める23XI Racing よりCUP SERIES に参戦するBubba Wallaceを起用した。今回のレースは、フリー走行、予選は行われず、決勝レースのみを行なうレースフォーマットとなり、決勝グリッドは前戦のレース結果からの抽選により36番手からスタートをきることとなった。
午後12:00に、いよいよグリーンフラッグが振られ2マイルのオーバルコースを30周の第1ステージ、30周の第2ステージ、そして65周の第3ステージからなる125周(250マイル:約402.3Km)で争う決勝レースがスタートした。隊列を整えスタートをきるとオープニングラップで28番手までジャンプアップ、周回毎に着実に前車を攻略し23番手まで上げる。チームはピット戦略を変更し、第1ステージ終了前のイエローコーション時にピットインを指示。給油と4本のタイヤ交換、セッティング変更を施してコースに戻し27位で残り3周の第1ステージのチェッカーを受ける。ステージ終了後には他のチームがピットに向かう中、ウォレスはコースに留まり、チームの戦略が功を奏し8番手から第2ステージへと向かう。
第2ステージのグリーンフラッグが振られるとターン1の侵入で2台をパス、6番手でアウト側からターン2に差し掛かるが、5位のマシンがハーフスピンから他車に接触、8台を巻き込む大クラッシュが発生する。ウォレスはアウトの壁際で何とかクラッシュに巻き込まれるのを避けるが#22のマシンがスピン状態から左サイドに激しくヒット、ウォレスはダメージを負ったマシンを何とかピットまで戻す。そこからクルーは懸命な作業でマシンを修復、2周遅れの31番手からレースに復帰させ、ウォレスはダメージを負ったマシンで着実に順位を挽回し、60周目の第2ステージのチェッカーを17番手で受ける。このステージブレイクではタイヤ交換は行わず、給油とセッティング変更を素早くこなしてコースに送り出し18番手から最終ステージのスタートとなる。
67周目に最終ステージのグリーンフラッグが振られると、14番手にジャンプアップするも、クラッシュによる車両バランスの悪化と中古タイヤの消耗が激しく、徐々に後退を余儀なくされ、90周目には25番手までポジションを落とす。ここでチームはタイヤの限界と判断してグリーンフラッグ下での早目のピットインを敢行、給油と新品タイヤへの交換とともにセッティング変更を施して31番手でコースに戻す。ここから周回を重ねて行くと燃料の限界を迎えた車両が続々とピットインを開始、114周目の6度目のイエローコーションのタイミングでは、1周遅れの17番手まで挽回する。レースは残り11周、リスタートで5台を抜き去って1周遅れのトップに上がったタイミングで再びクラッシュが発生、幸運にもラッキードックの権利を獲得して同一周回の最後尾12位まで順位が上がる。その後オーバータイムとなったリスタートでも2台をパス、HREのマシンを初めてドライブしたBubba WallaceはNASCASR最高峰のCUPドライバーの実力を遺憾無く発揮し、ダメージを負ったマシンを駆り10位でチェッカーを受けた。
優勝を狙えるマシンで6位からトップ争いに加わったところで起きた不運な多重クラッシュにより2周遅れの31番手まで落ちるも、チーム戦略とウォレスのクレバーなドライビングで跳ね返し、トップ10フィニッシュを達成。次戦は、TRUCKシリーズPlay-Off2戦目となるDarlington Racewayでのレース。第3戦でもオースティンがトップ争いを演じた得意のコースで、優勝を目指して臨む。
チーム代表 : 服部茂章
クラッシュではマシンへのダメージも大きかったのですが、装着したばかりの新品タイヤがバーストしてしまい、他チームより1セット少ないタイヤで戦わなければならず、チームもドライバーも最後まで諦めずよく頑張ったと思います。BubbaはK&Nシリーズで長く一緒にレースを戦っており、NASCAR唯一の黒人ドライバーと言う事やマイケルジョーダンのチームで走っていることで昨年から注目を集めていますが、ドライバーとしての能力も高く、これから更に活躍が期待されます。今回レースに持ち込んだマシンとドライバーの
能力からすれば十分に優勝が狙えたと思いますので、クラッシュに巻き込まれた事は非常に残念ですが、今までとは違うドライバーを走らせたこのレースの経験が、後半戦に向けてチームにとってプラスになると思います。
Xfinity SERIES 第22戦 結果
CAR# 61
ドライバー Bubba Wallace
予 選 36位
決 勝 10位
レースの模様は「NBC SN」にて全米、カナダ、ラテンアメリカで8月21日(土) 15:30 (現地時間)より生中継された。
HREは9月5日(日)・サウスカロライナ州・Darlington Raceway にて開催されるNASCAR CAMPING WORLDTruck Series 第17戦に参戦する。
Vertex Sportsプレスリリース
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