F2:Rd.4バクー市街地 第1レース結果
| 固定リンク
2023年4月30日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WEC2023年シーズン第3戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝
4月29日(土)ベルギーでFIA世界耐久選手権(WEC)第3戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車がポール・トゥ・ウィン。最後列からスタートした8号車は猛烈な追い上げを見せ2位でフィニッシュし、TGRは開幕戦以来、今季2度目の1-2フィニッシュを達成しました。
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、アクシデントの多発するレースでポール・トゥ・ウィンを達成し、TGRは開幕戦セブリング、第2戦ポルティマオに続き、今季開幕から3連勝となりました。
セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、予選でのアクシデントにより最後列グリッドからの追い上げを強いられましたが、見事に2位でフィニッシュ。ドライバーズ選手権では2位の7号車に5ポイント差で首位を守っています。
TGRは、これでスパ7連覇を達成し、マニュファクチャラー選手権では2位のフェラーリに対し、33ポイントへとリードを拡大して、全7戦で戦われている2023年シーズン中盤戦となる第4戦、6月10日(土)から11日(日)にかけて行われるル・マン24時間100周年記念大会へと臨むことになります。
チームの本拠地があるドイツ・ケルンから僅か120kmしか離れていない、1周7.004kmの壮大なスパ・フランコルシャン・サーキットへ多くのチーム関係者とその家族も含む7万2千人もの大観衆が現地を訪れ、今季最多となる13台のハイパーカーを含む、37台のレーシングカーによる迫力のバトル、また、読めない「スパ・ウェザー」と様々なチーム戦略、そして、数多く発生したアクシデントと、今大会も多くのファンの皆様を魅了しました。
雨はほぼ止んでいるものの、路面はウェットで、コースのライン上は乾いてきているところもあるというタイヤ選択が悩ましい状況で、午後12時45分にレースがスタート。フォーメーションラップ中にもコースアウト車両が続出し、フォーメーションラップをもう1周延長し、2周目から本格戦が開始されました。
7号車のコンウェイはスリックタイヤでのスタートを選択し、ポールポジションからスタートを切るも、レインタイヤを装着した後続勢にかわされ、7位へと後退。しかし、タイヤが十分に暖まると追い上げを開始しました。一方、最後列36番手からのスタートとなった8号車は、こちらもスリックタイヤを選択し、ブエミが序盤から猛プッシュ。1周で15ものポジションアップを果たしました。
その後開始10分でセーフティカーが導入されましたが、レースが再開されると2台のGR010 HYBRIDは猛プッシュでポジションアップ。7号車のコンウェイは僅か2周で首位を奪還。8号車のブエミもGTとLMP2クラスの車両をかわし、10周目には7位へ。勢いの止まらない8号車は、グリッケンハウスとポルシェ5号車もかわし、4位で最初のピットストップへと向かいました。
首位を行くコンウェイは、一時2位のキャデラック3号車に30秒ほどの差をつけましたが、レース開始から1時間半が経過したところで、このキャデラック3号車がクラッシュ。この日2度目のセーフティカー導入となりました。これにより8号車は3位へ。2時間を過ぎると、今度は2位のポルシェ6号車がトラブルでコース上にストップ。GR010 HYBRIDは1-2体制となりました。
7号車はロペス、8号車は平川が中盤を担当。車両のバランスに苦しむ8号車の平川に対し、7号車のロペスは順調にリードを広げ、その差は1分ほどにまで広がりました。しかし、レースが3時間半の折り返しを過ぎる頃、3度目のセーフティカーが導入され、上位勢のマージンは帳消しに。残り2時間を切り、僅差で首位を行く7号車はロペスから小林へと最後のドライバー交代。8号車は平川からハートレーへと交代し、2台の首位争いになるかと思われましたが、再度セーフティカーが導入され、このバトルは中断。
レースが再開されて残り45分、先に7号車の小林がピットへ向かい、最後の給油とタイヤ交換を行い、翌周に8号車ハートレーもピットイン。ハートレーは小林の前でコースへ復帰しましたが、小林がファステストラップの走りでこれをかわし、首位を奪還。さらにハイペースで走行を続け、8号車との差を広げていきました。
小林の7号車は、低温で滑りやすく難しいコンディションとなった6時間レースで148周を走り抜き、トップでチェッカー。今季2勝目を挙げました。7号車から16.637秒遅れてハートレーの8号車がチェッカーを受け、TGRは開幕戦以来今季2度目の1-2フィニッシュ。TGRは、6月10日(土)11日(日)に行われるル・マン24時間レースへ向けた完璧な勝利を収めることができました。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、最高の結果を得ることができました。チームと、今回の結果を達成するために大変な努力でサポートしてくれたみんなに感謝します。ここスパをGR010 HYBRIDで走るのはとてつもない体験で、特に大観衆が見守る中では格別でした。今日は特に、ここスパではこれまで見たことがないほどの大観衆で、多くの応援を感じることができました。今大会は、特にタイヤマネージメントの面で難しい挑戦となりました。新品タイヤは素晴らしいグリップ力を発揮してくれますが、摩耗してくるとどのくらいプッシュできるか判断するのが難しくなります。困難なレースだったことを考えれば、トラブル無く、1-2フィニッシュを果たせたのは本当に嬉しいです。私のスティントでは、8号車とのバトルになり、チームメイト同士の戦いということで簡単ではありませんでしたが、良いレースを見せられたと思います。ル・マンでもこの勢いが維持できることを望んでいます。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
大変なレースでしたが、我々2台共に素晴らしい結果になりました。レーススタート時のタイヤ選択が難しかったですが、恐らくもう雨は降らないだろうと思っていました。とにかく全力でコース上に留まり、トラブルなく生き残らなくてはなりませんでした。スタート直後は大きく順位を落としましたが、コースが乾き始めると、我々のタイヤ選択が正しく、前走車をパスしていくことができました。レースは順調でしたが、後続とのギャップを築いた途端にセーフティカーが導入され、そのギャップが失われてしまうので大変でした。我々はピットの判断も良く、可夢偉とホセも素晴らしい走りで最後までプッシュしてくれました。また、8号車も素晴らしい走りで2位に入り、チームとしてこのような結果が得られて本当に満足しています。
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
こんな難しいレースで、チームとして1-2フィニッシュが果たせて本当に嬉しいです。いつも通りスパはコースコンディションが難敵でした。我々はまだ濡れているところが残っている路面でスリックタイヤスタートという難しい選択をしましたが、マイクが素晴らしい走りをしてくれたおかげで、それが実を結びました。また、耐久レースでは良くあることですが、今日のレースは様々な感情が湧く展開となりました。首位で充分なリードを保っていたと思っていたら、セーフティカー導入でそれがゼロにリセットされてしまったり、後続車が自分のクルマよりも良いタイヤを装着し、それを抑えなくてはならないこともありましたが、エンジニアやピットクルー、そして、マイク、可夢偉と、もちろん8号車のチーム全員が最高のパフォーマンスを発揮してくれました。この週末は、ハードに働き続けた全員のためにも、本当に素晴らしい結果です。簡単なことではありませんでしたが、努力が報われました。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
最高の追い上げで2位フィニッシュを果たせました。36番手グリッドからのスタートで2位まで順位を上げ、最後は勝利を争っての2位というのは、本当に素晴らしい結果です。優勝した7号車は完璧なレースを展開していましたし、チームのためにも本当に嬉しいです。波乱のレースで、特にスタート直後のウェットコンディションは大変でしたが、トラブルに見舞われないよう、慎重に順位を上げていきました。6月のル・マンへ向けて良い準備になったと思います。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
我々は大幅なポジションアップを果たし、チームにとっても最高の結果となりました。セバスチャンは難しいコンディション下で素晴らしいスタートを切り、見事に順位を上げました。タイヤ選択は本当に難しかったですが、結果的には正しい判断でした。7号車は、特にレース中盤では我々8号車よりも僅かにペースが良く、優勝に値する走りでした。我々の2台は異なる方向性のセットアップであったこともあり、終盤、可夢偉に付いていくことはできませんでした。我々は予選のアクシデントでタイヤを1セット失っていたこともあり、2位でフィニッシュし、多くのポイントを獲得できたことに本当に満足しています。
平川亮(8号車 ドライバー)
スターティングポジションを考えれば、とても満足のいく結果です。簡単ではないレースウィークでしたが、決して諦めることなく戦い続けました。エンジニア、メカニック、そして、もちろん素晴らしい走りをしてくれたセバスチャンとブレンドンの全員へ、本当に感謝しています。残念な結果となった予選のあとに取り戻すことができた、みんなの頑張りによる素晴らしい結果です。チームの1-2フィニッシュは完璧で、ル・マンへ向けた最高の準備になったと思います。ル・マンが今から楽しみです。
(C)TOYOTA GAZOO Racing
| 固定リンク
2023年4月29日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WEC2023年シーズン第3戦スパ・フランコルシャン6時間 予選
4月28日(金)ベルギーでFIA世界耐久選手権(WEC)第3戦スパ・フランコルシャン6時間の予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉がポールポジションを獲得しました。
今季開幕戦のセブリングと第2戦ポルティマオを制しているTGRは、6月に待ち受けるル・マン24時間100周年記念大会を前にした最後のレースとなる今大会スパ6時間で、開幕3連勝を目指します。
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブするGR010 HYBRID 7号車は、小林が予選アタックを担当し、2分00秒812のタイムでポールポジションを獲得、貴重な選手権ポイントも加えました。小林のタイムは、2番手のフェラーリ50号車に対し、0.024秒という僅差でした。
明暗を分ける形となったセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、ハートレーがアタックを担当しましたが、スタート後すぐにタイヤバリアへとヒット。ハートレーは無事でしたが、8号車は予選ノータイムとなり、決勝レースはハイパーカークラスの最後尾、13番手グリッドからスタートすることとなりました。
ハイパーカークラスの予選は、直前に行われた他クラスでのアクシデントにより、予定より10分遅れの現地時間午後6時に開始されました。今季最多となる13台のハイパーカーが、高低差が激しく、ハイスピードなスパを舞台にポールポジションを目指し、激戦を繰り広げました。
セッションが始まってまもなく、8号車のハートレーは低速で慎重に走り始めましたが、ピットロード出口から数百メートル走ったところでタイヤのグリップを失い、オー・ルージュを駆け上った先のラディオンコーナーでコースオフし、タイヤバリアにヒット。今季よりタイヤウォーマーであらかじめタイヤを暖めておくことが禁止となったこと、また、低い路面温度の影響も重なってタイヤグリップが非常に低い状況となり、コースオフを喫してしまいました。
この日、予選前の午後早い時間に行われた公式練習3回目は、降雨によるウェットコンディションから、徐々に乾いていく状況下で行われ、このセッションでは小林のマークしたタイムで7号車がトップにつけ、その勢いのまま、今季最も熱い争いとなったハイパーカークラスの予選へと挑みました。
予選アタックでコースインした7号車の小林は、タイヤの温度が十分に暖まると、アタック3周目でその時点でのトップタイムをマーク。ポールポジションには充分なタイムだと判断した小林は、ピットへ戻りましたが、その後、アタックを続けていたフェラーリ51号車がチェッカー直前に僅か0.035秒ながら小林のタイムを更新しました。しかし、セッション終了後、フェラーリ51号車のタイムはコース外走行のペナルティにより抹消され、7号車の正式なポールポジション獲得が決定されました。
ハイパーカーのポールポジション争いは非常に接近したものとなり、3つのマニュファクチャラーが分け合ったトップ4のタイム差は、僅か0.231秒でした。更なる接近戦が予想される決勝は、29日(土)現地時間午後12時45分(日本時間午後7時45分)、大観衆の見守る前で6時間レースのスタートが切られます。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
フェラーリにタイムを更新されたと思っていたので、最終的にポールポジションとなって少し驚いていますが、ポールを獲得できたのはとても嬉しいです。チームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、我々のGR010 HYBRIDは最高の仕上がりでした。個人的に、練習走行では新品タイヤでの走行ができず、予選でいきなりのアタックだったので、準備万端だったというわけではありませんでした。私が最初のアタックラップに入ろうとしたところでフェラーリのスピンがあり、一旦仕切り直しになってしまったので、タイヤはベストコンディションではなかったですが、その後のアタックラップでは、幸運にも他の車両に引っかかることもなく、良いアタックでポールポジションには充分なタイムを出せた手応えがありました。フェラーリとの僅差のポール争いとなりましたが、我々は最終的にポールポジションを獲得し、決勝レースは最高の位置からスタートできます。明日もとても激しい戦いになると思いますが、トップを守りきりたいと思います。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
本当に残念です。ピットを出た直後でタイヤが冷えており、オー・ルージュ頂上の第3コーナーで壁に当たってしまいました。壁へ当たった時の衝撃は大して大きくはなかったですが、タイムを出す前に予選を終えることになり、決勝レースは最後尾グリッドと、厳しいポジションからスタートすることになってしまいました。明日は全力で追い上げるつもりですが、戦いは厳しくなるでしょう。7号車のポールポジション獲得は素晴らしいですし、祝福します。
(C)TOYOTA GAZOO Racing
| 固定リンク
2023年4月28日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WEC2023年シーズン第3戦スパ・フランコルシャン6時間 公式練習
4月27日(木)、FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦スパ・フランコルシャン6時間のレースウィークが開幕。初日となった27日(木)は90分間の公式練習走行が2回行われ、赤旗中断などで走行時間が限られる中、初日からハイパーカーによる僅差の争いが繰り広げられました。
第3戦となる今大会スパ6時間は、6月に行われる第4戦ル・マン24時間100周年記念大会前の最後のレースということもあり、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台を含め、今季最多となる13台のハイパーカーがエントリー。
2週間前の第2戦ポルティマオ6時間で今季初勝利を挙げ、ドライバーズ選手権で首位につけるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮がドライブするGR010 HYBRID 8号車は、1日を通した統合順位で、トップのフェラーリ51号車から1.111秒遅れの2番手につけました。
この日は1周のタイムよりも決勝レースへ向けた準備に優先度を置いてプログラムをこなしたこともあり、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は5番手となりました。
TGRは今シーズンのWECで開幕から2連勝を飾っており、第3戦の今大会の目標は、キャデラック、フェラーリ、プジョー、ポルシェといったハイパーカーの強力なライバルに打ち勝ち、今季連勝記録を続けると共に、1周7.004kmのこの伝統的なスパでの7連勝を達成することです。
これまでの2戦、セブリングとポルティマオでは暑いコンディションでのレースが続きましたが、今大会スパは一転、肌寒いコンディションで幕を開けました。初日となったこの日、最初の公式練習が開始されたときの気温は9度。中盤に12分ほど赤旗で中断するなど混乱のスタートとなったこのセッションで、2台のGR010 HYBRIDはガレージでの調整に時間を費やしました。
このセッションでは7号車はコンウェイとロペス、8号車はブエミと平川がドライブし、メカニカル、及び空力に関するセットアッププログラムをこなしました。赤旗から再開されてすぐに、ブエミがこのセッションでのトップタイムをマーク。コンウェイの最初のアタックタイムがセッション3番手となりました。
午後の公式練習2回目では、29日(土)決勝でのパフォーマンスを最大限に引き出すことを優先、また、チームのシーズン開幕2連勝では安定したタイヤマネジメントが大きく寄与したこともあり、二つの異なるタイヤコンパウンドの特性を分析することに焦点を当てました。
公式練習2回目は、3回のフルコースイエローと2度の赤旗により何度も走行を妨げられ、全てのチームにとって貴重な時間が削られる中、公式練習1回目では走行しなかった小林とハートレーにとっては忙しいセッションとなりましたが、8号車は平川がマークしたタイムが最速で4番手。7号車は小林のタイムが7番手となりました。
明日28日(金)は午前中に、最終調整の機会となる1時間の公式練習走行3回目を行い、午後の予選で、29日(土)に行われる決勝レースのスターティンググリッドが決定されます。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
残念ながら私は午前中走れなかったため、公式練習2回目が最初の走行となりました。スパは私が大好きなコースのひとつなので、また走ることができて嬉しいです。今日は、これまでのレースと比べて路面温度が低く、このコンディションに合わせるための調整作業を行いました。現時点での競争力を評価するのは難しいですが、まずはバランスを向上させる作業に取り組んでいます。まずまずのスタートが切れたと思いますし、さらにプッシュを続けます。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
赤旗やその他要因で中断があり、走行時間が限られることとなって難しい一日でした。全体的に見れば、与えられた時間内でできる限りのことを学べたと思いますが、もっと多くの周回を走りたかったです。今日得られたことを活かし、今夜も改善を続けます。明日は天候が変わりそうですが、決勝レースへ向けて最大限の努力をしていきます。
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
今日は2回の短いセッションのような感覚でした。我々は可能な限りの努力を続け、特にタイヤのテストに注力しました。路面温度がとても低かったので、ピットアウト直後は非常に難しく、タイヤのウォームアップが大きな課題になりそうです。今日は悪い一日ではありませんでしたが、もっと時間が必要でした。明日はどうなるかわかりませんが、楽観的に捉えています。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
赤旗やフルコースイエローが何度も出て、波乱の一日でした。私は公式練習2回目で走れなかったので、決勝レースへ向けた理想的な準備ができたとは言えません。走行時間が限られたことは、全チーム同じ状況です。データを見直し、持っているパフォーマンスの全てを引き出すよう改善する必要がありますが、明日は雨になりそうなので、一筋縄ではいかないかもしれません。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
コース上での様々な状況により、多くの時間を失ってしまったので、順調な一日だったとは言えません。走行が限られ、タイヤマネジメントについて学ばなければならない点が、まだ多くあります。予選までに、これまで得られたデータを分析し、クルマの最大のパフォーマンスを引き出すにはどうすれば良いか見出すべく、全力で取り組みます。
平川亮(8号車 ドライバー)
多くの中断で、各ドライバーの周回が多く限られた状況でしたが、これまでのところは順調に進んでいるように感じます。スパのように1周が長いコースではよくあることです。明日はウェットコンディションになりそうなので、また状況は変わるでしょう。今日得られたデータを分析し、決勝レースへ向けて準備する必要があります。明日の予選も全力を尽くしますが、重要なのは決勝です。
(C)TOYOTA GAZOO Racing
| 固定リンク
2023年4月17日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WEC2023年シーズン第2戦 ポルティマオ6時間 決勝
4月16日(日)にポルトガルのアルガルヴェ・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第2戦ポルティマオ6時間の決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 8号車が勝利を挙げました。
昨年の世界チャンピオンであり、ル・マン勝者でもあるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車が、レースの大半をリードする完璧な戦いぶりで制し、2位のフェラーリ50号車、3位のポルシェ6号車を周回遅れにする速さで今季初勝利を飾りました。
もう一台のGR010 HYBRID、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの7号車は、対照的に残念な結果となってしまいました。1か月前のシーズン開幕戦セブリングで勝利を挙げた7号車でしたが、レース序盤、主催者からの指示によりセンサーの交換を余儀なくされ、11分間のタイムロスを喫し9位でレースを終えました。
TGRにとっては昨年からハイパーカーでの4連勝と記録を伸ばすこととなり、全7戦で争われている今季WECで、マニュファクチャラー選手権では2位のフェラーリに18点差をつけてリードしています。ブエミ、ハートレー、平川の3名はドライバーズ選手権で2位のフェラーリ50号車に対し11ポイント差で首位に立ち、小林、コンウェイ、ロペスの3名はランキング3位となっています。
この週末一番の暖かさとなったポルトガルでしたが、サーキットではそれ以上に熱い戦いが繰り広げられました。正午にスタートした直後の1コーナー進入では、ポールポジションの8号車ブエミと最前列2番手で並んだ7号車コンウェイが首位を争う中に、フェラーリ51号車が割って入る激しいバトルに。これで3位へとポジションを落としたブエミでしたが、4周目に果敢なアタックで抜き返し、2位へと復帰しました。
その時点で首位7号車と2位8号車の差は5秒ほどありましたが、まもなく周回遅れが現れ始めると、ブエミがその差を縮めていきました。2台のGR010 HYBRIDは、最初の給油ピットストップへと向かう直前の33周目に順位を入れ替え、その後は8号車がレースをリードしました。
レースはスタートから1時間20分ほどが経過したところで大きく動きました。2位を走行する7号車に、リアのドライブシャフトセンサーを交換するための予定外のピットイン指示が出されました。ハイパーカーはレギュレーションで、ドライブシャフトに取り付けられたトルクセンサーで性能を監視できるようにする必要があり、これは常に正常動作していることが義務づけられています。
チームは7号車をガレージへと入れると、7号車、8号車双方のメカニックが加わって車両左後部の部品を迅速に交換。僅か11分間のタイムロスでコースへと復帰させました。しかし、ロペスへと交代した7号車は、この時点で最後尾に近い総合34位、7周遅れとなっていましたが、ポイント獲得圏内への復帰を目指し、追い上げを開始しました。一方、スタートから2時間を迎えようとするところで、首位を行く8号車は2位のフェラーリ50号車に30秒ほどの差をつけてブエミから平川へとドライバー交代を行いました。
8号車の平川はレースが折り返しとなる3時間経過時までに2位以降との差をさらに広げ、7号車のロペスは22位まで順位を上げました。そして、レースの3分の2が経過し、残り2時間となったところで、8号車は首位のままハートレーへ。7号車は小林がステアリングを受け継ぎ、さらに追い上げを続けました。
ハートレーは快調なペースで走行を続け、自身最初のスティント終盤には、2位のフェラーリ50号車を周回遅れにすることで、セーフティカーが出た場合でも心配の無いだけの差を築き上げることに成功しました。その数分後に、ヴァンウォールがクラッシュし、セーフティカーが導入されました。
12分間のセーフティカー走行の後にレースが再開されると、ハートレーはすぐに最後の給油ピットストップへ向かい、トップを維持したままコースへと復帰。その後の終盤戦も着実に走り抜いて222周でトップチェッカーを受け、WEC78戦目のチームに41勝目をもたらしました。序盤、このレースでの最速タイムをマークしたコンウェイが7号車の最後のドライバーを担当し、トップ10圏内まで順位を取り戻し、チェッカーを受けました。
WECシーズン第3戦は、わずか2週間後の4月29日(土)、ベルギーでスパ・フランコルシャン6時間レースが行われます。このレースは、6月10日(土)から11日(日)にかけて行われる記念すべきル・マン24時間レース100周年記念大会へ向けた、最後の実戦となります。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
チーム全体として、8号車の優勝は喜ばしいことです。彼らは本当に素晴らしい働きぶりで、全くミス無く、勝利に値する走りでした。彼らに祝福を贈ります。一方、7号車はピットガレージで11分間費やすことになり、上位フィニッシュのチャンスは失われてしまいました。11分というわずかな時間で素晴らしい作業を終えてくれた2台の車両のメカニックには感謝していますし、チームの頑張りを本当に誇らしく思います。クルマの感触はレースを通して良かっただけに、運が無かったとしか言いようがありません。それだけに、次戦へ向けた準備のために更なるハードワークが必要です。次戦スパまでは僅かな期間しかありませんが、ル・マンへ向けた準備のためにも我々全員にとって重要なレースです。ライバルとの差がさらに縮まってきていることは明確であり、我々に降りかかった今日の事象は忘れて、さらに強くなって戻ってくるべく集中していきます。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
我々7号車はトラブルに見舞われ勝負権を失い、残念ながら厳しい一日になってしまいました。レースには復帰でき、少なくともポイントを獲得することはできましたが、残念な結果です。8号車のメンバー全員を祝福します。彼らは勝利にふさわしい、素晴らしい戦いぶりでしたし、チームにとっても良い結果です。ピットガレージの片方では良い結果、もう片方は無念な結果となりましたが、次戦スパでは再び上位を争うつもりですし、そして、すぐにル・マンもやってきます。
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
7号車はとても好調で、セブリングでの1-2フィニッシュを再現できればチームにとっても良かったのですが、残念ながらトラブルに見舞われてしまいました。本当にアンラッキーなアクシデントで、我々は勝負権を失ってしまいました。しかし、我々は諦めることなくレースを続行し、少ないながらもポイントを獲得しました。シーズン終盤にはこのポイントがタイトル争いに影響を与えるかも知れません。チームにとっては良い結果でしたし、素晴らしいレースを戦った8号車を祝福します。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
8号車の全員が素晴らしい仕事をしてくれました。小さなトラブルでチャンスを失ってしまった7号車には言葉もありません。トラブルが無ければ、セブリングと同様、2台での激しい首位争いになっていたと思います。セブリングでは僅差で届かなかった優勝を今日勝ち取ることができたので、最高の気分です。次戦スパではもっと強くなるべく努力を続けます。ライバルとの競争は激しさを増しており、チャンスがあるときにできるだけ多くのポイントを獲得しておく必要があります。また勝つことが出来て嬉しいですし、この勢いを維持するためにもプッシュを続けていきます。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
本当に嬉しいです。このレースウィークは最初の練習走行開始時から絶好調でした。ドライバーもピットストップもミス無く、正しい戦略で、車両も文句の付け所がなく、全てが完璧に進む、最高のレースでした。最初から最後まで順調にドライブすることができ、チームには本当に感謝しています。今季開幕からの2戦で素晴らしいレースを戦うことができたのはチームのおかげで、誇りに思います。競争が激化する中、我々はこれまで培ってきた経験を活かし、最大のパフォーマンスを引き出すことができたと思います。7号車の結果は残念でしたが、彼らは速く、トラブルが無ければ間違いなく最後まで接近戦での首位争いになったと思います。
平川亮(8号車 ドライバー)
チームが完璧な仕事をしてくれて、今日勝てたことを本当に嬉しく思います。GR010 HYBRIDは好感触でしたし、前戦セブリングでは僅か2秒差で勝利を逃していただけに、今季初勝利を挙げられたことに本当に満足しています。私自身は首位でバトンを受けとりましたが、よりその座を着実なものとすべく、2位のフェラーリとの差を広げることが出来ました。ここポルティマオのように1周が短く、コース上のトラフィックが激しいコースでは、それは容易ではなく、神経を研ぎ澄ませる必要がありましたが、自分の走りには満足しています。7号車は週末を通して速かっただけに、彼らの結果は残念です。スパがすぐに待っているので、チームとしてさらに強くなって戻ってこられるよう頑張ります。
(C)TOYOTA GAZOO Racing
| 固定リンク
2023年4月16日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WEC2023年シーズン第2戦ポルティマオ6時間 予選
4月15日(土)ポルトガルのポルティマオ近郊に位置するアルガルヴェ・サーキットで2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第2戦ポルティマオ6時間レースの予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は8号車がポールポジション、7号車が僅差の2番手で続き、最前列グリッドを独占しました。
2022年のWECシリーズチャンピオンであり、ル・マン勝者でもあるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名がドライブするGR010 HYBRID 8号車は、ハートレーが見事な予選アタックラップを見せ、今季初のポールポジションを獲得。ハートレーがマークした1分30秒171というタイムは、1周4.653kmのアルガルヴェ・サーキットでの、ハイパーカーの新たなコースレコードとなりました。
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブするGR010 HYBRID 7号車は小林が予選アタックを担当し、チームメイトの8号車と僅か0.273秒差の2番手タイムをマーク。TGRは37台が出場する、16日(日)に行われる決勝レースを、最前列グリッドに2台並んでスタートを切ることとなります。
ポルティマオでの今大会、予選前の3度の公式練習セッションにおいてGR010 HYBRIDは全てトップタイムをマークしていたものの、予選は接近戦となることが予想されていました。しかし、ハートレーと小林の素晴らしいアタックタイムは、他の9台のハイパーカーを引き離し、3番手のフェラーリ50号車はポールから1.425秒差でした。
雲一つ無い快晴、風もなく、気温は26度まで上昇する中で現地時間午後4時20分にハイパーカークラスの予選が開始されました。15分間の予選セッションの前半、2台のGR010 HYBRIDは、タイヤを適正な温度まで高めた後、アタックに入りました。
この日の予選前に行われた公式練習第3回目でベストタイムをマークしたハートレーは、最初に1分30秒台に入れる好タイムをマーク。翌周にはさらに自身のタイムを更新し、8号車のポールポジションと、世界選手権での貴重な1ポイントを確実なものとしました。
小林はハートレーよりもやや遅れてアタックラップに入り、2番手タイムをマークしました。更なるタイムアップを目指した小林でしたが、更新はならず。それでもライバルを引き離すタイムで2番手となり、GR010 HYBRIDは最前列を独占するという、追い抜きの難しいアルガルヴェ・サーキットでの理想的なスタートポジションを獲得しました。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
練習走行でのタイムから、予選は接近戦になると予想していたので、他のハイパーカーとのタイム差に少し驚いています。今週は、前回のセブリングよりも予選に向けて少し力を入れました。ポールポジションは狙いたいものですし、獲得できれば嬉しいですから。とはいえ、今はもう決勝モードに切り替えています。私自身のアタックラップはとても良かったと思います。今朝の練習走行で新品タイヤを試さなかったので、準備は理想的とは言えませんでしたし、若干苦戦しましたが、全力でのアタックでした。最前列グリッド独占は理想的なスタートポジションであり、あとは決勝レースを戦うことだけに集中します。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
良い感触でした。今回は予選にも少し力を入れたので、1周アタックでのGR010 HYBRIDは素晴らしかったです。私のアタックラップはクリーンで、フィニッシュラインを越えた時に良いタイムだったというのはわかりました。チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、感謝しています。昨日の練習走行第1回目から良い方向に進んできました。このサーキットを走るのは久しぶりなので、一筋縄ではいきませんでしたし、正しいセットアップのためにハードワークを強いられましたが、それだけに今日の予選でこれだけの差がつくとは思いませんでした。これであとは決勝レースに集中することになりますが、フェラーリやキャデラック、ポルシェといった強いライバルとの激戦になるだろうと思っています。彼らのレースペースは良さそうなので、間違いなく接近戦になると思いますが、我々は彼らの前からスタートすることができます。
(C)TOYOTA GAZOO Racing
| 固定リンク
2023年4月15日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WEC2023年シーズン第2戦ポルティマオ6時間 公式練習
4月14日(金)、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)はポルトガルで2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第2戦ポルティマオ6時間レースの公式練習走行を開始し、着実なスタートを切りました。
先月、米国フロリダ州セブリングで行われた開幕戦で、ハイパーカーのライバルを相手に1-2フィニッシュを飾ったTGRは、ポルティマオの公式練習走行でも順調に準備を進めています。
セブリングで勝利を挙げた小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブするGR010 HYBRID 7号車が午後のセッションでマークした1分32秒155が、この日の最速タイムとなりましたが、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は午前中のセッションでは最速でした。8号車はこの午前中のタイムにより、この日の総合順位ではチームメイトから0.637秒遅れの2番手となりました。
初日からタイムシートの上位を占めたTGRですが、ラップタイムは現時点の優先事項ではありません。必要な準備をしっかり行い、競争力の高い決勝でのレースペースを見据えた車両セットアップ、そして、タイヤ特性を深く理解したことによって開幕戦の勝利を成し遂げることができたため、連勝を目指すTGRは、ここポルトガルでも練習走行から同じ内容に焦点を当てています。
TGRがポルティマオ近郊に位置する1周4.653kmのアルガルヴェ・サーキットで走行するのは2022年4月のテスト以来です。この日は、風は強いものの好天に恵まれ、気温14度というコンディションの中、現地時間午前10時半の公式練習より、改良されたGR010 HYBRIDの走行が開始されました。
2台のGR010 HYBRIDは90分間の練習走行セッションを最大限に活用し、様々な空力やメカニカルセットアップを比較しながら、車両のセッティングなどを調整。このセッション中には2度の赤旗中断があったものの、2台のGR010 HYBRIDはどちらも今大会出場車両37台で最多となる43周を走破しました。
このセッションの序盤に、8号車のブエミがマークした1分32秒792がトップタイムとなりました。7号車はコンウェイがマークしたタイムで0.384秒遅れの2番手。ハイパーカークラスのトップ6台は1秒以内の僅差となりました。
公式練習2回目は午後3時半から開始され、午前中のセッションに比べて路面温度が高いコンディションとなりました。このコンディション変化は、2種類のタイヤコンパウンドを比較するのに理想的な状況で、チームは日曜日の決勝レースへ向けて集中的にデータ収集を行いました。このセッションでは赤旗などの中断はなく、7号車は小林によりタイムシートトップへ。8号車は平川のタイムがベストとなりました。
初日のデータを基に、さらに改良した車両セットアップを明日15日(土)午前中に行われる公式練習3回目で試し、現地時間午後4時20分(日本時間16日午前0時20分)から15分間で行われる予選に臨みます。ポルティマオ6時間レースの決勝は、現地時間16日(日)正午(日本時間午後8時)にスタートが切られます。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
今日の結果には満足しています。我々TGRの2台は、それぞれ異なるプログラムをこなし、順調でした。チームの大きなターゲットのひとつが、路面温度に大きく左右されるタイヤのパフォーマンスを理解することですが、7号車は、練習走行1回目の最初こそ、タイヤを上手く扱うのに少し苦戦しましたが、午後には改善されました。ここポルティマオではライバルとの差はさらに接近しているので、チームはハードワークを続けており、レースウィークが進むにつれてクルマはさらに良くなるでしょう。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
スタートから快調です。我々は、決勝レースで予想されるコンディションでクルマから最大のパフォーマンスを引き出せるようにする作業に一日を費やしました。このコースでのタイヤの挙動を学びながら、少しずつ方向性の異なるセットアップを試しています。これまでのところは順調ですが、ここはコース上のトラフィック(車両の混雑)が課題で、その混んだ中、非常に短く連続した幾つかのコーナーがあり、そこではたちまち大きくタイムを失ってしまいます。それが決勝レースでの重要な要素になるので、ドライバーとして適応していかなければなりません。
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
多くの内容のテストを予定通り行うことができた、良い一日でした。GR010 HYBRIDは好調で、今日の両セッションともトラブル無く走れたというのは、レースウィークの初日としては文句なしです。ライバル達が何をしているのかはわからないので、競争力で我々がどのレベルにいるのかを明確にするのはまだ早いです。我々は前戦セブリングで、予選前まではトップでしたが、その後フェラーリが、その持ち合わせたパフォーマンスを発揮するのを目の当たりにしました。今日は、チームに競争力があると確認出来たので、ポジティブなスタートが切れたと思います。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
順調な一日でした。アクシデントなどない一日だったというのは、ここのような短いコースで、非常に多くの車両が一斉に走ることを考えれば良いニュースです。我々はとても多く周回し、良いラップタイムも刻めました。今日は風が強かったので、そのコンディションでのクルマの挙動や、タイヤについても、多くを学ぶことができましたが、今日得られたデータを解析し、サーキットコンディションに対応した最適な調整を行っていく必要があります。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
2台共にトラブル無く、スムーズな一日で、チームにとって良いスタートが切れました。セッションを通して2台は異なるプランに沿った走行をこなし、異なるタイヤコンパウンドのテストや車両セットアップ比較、そして、決勝レースへ向けた微調整に役立つ多くのことを学びました。全体として、とてもポジティブな一日でした。これから、明日の予選で我々8号車にとって2023年初めてのポールポジション獲得を目指すべく、集中していきます。
平川亮(8号車 ドライバー)
チームは非常に良い仕事をしてくれて、両セッション共にGR010 HYBRIDが1-2となり、多くの有益なデータを得られたので満足しています。まだ改善できることは多くあり、それらは決勝レースへ向け、さらにクルマを強くできるということで、良いことだと思っています。個人的には、午前中のセッションでは赤旗中断のため、あまり多くの周回をこなせず、満足感を得ることができなかったですが、午後は良いセッションとなり、多くの周回をこなし、良いタイムも刻めました。クルマには満足しており、この週末もプッシュを続けて行きます。
(C)TOYOTA GAZOO Racing
| 固定リンク
WEC2023年シーズン 第2戦ポルティマオ6時間 プレビュー
2023.04.06(木)- 17:00配信
先月行われたばかりの2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦セブリングで1-2フィニッシュという好スタートを切ったTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、その勢いに乗って、欧州における今季初戦となるポルティマオ6時間レースに挑みます。
2年振り開催の第2戦ポルティマオ6時間に挑む
シーズン初戦セブリング1000マイルレースを、TGRは持ち味のチームワークと安定したドライビング、そして、確実なタイヤマネージメントで戦い抜き、キャデラック、フェラーリ、プジョー、また、ポルシェといった耐久レースで伝統と歴史あるメーカーとのハイパーカークラスでの争いを1-2フィニッシュという形で制しました。
GR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名は、開幕戦セブリングで勝利を挙げたことで、ドライバーズランキング首位に立っています。ディフェンディングチャンピオンであり、連覇を目指すGR010 HYBRID 8号車のセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名はレースを7号車に続く2位でフィニッシュし、ランキングでも僅差の2位につけています。
セブリングの、その独特の荒れた路面での激戦を終え、WECシーズンは欧州ラウンドに移ります。その初戦となるポルティマオは、2週間後に続く第3戦スパ・フランコルシャン6時間と共に、ル・マン24時間レースへ向けた非常に重要な準備期間のスタートでもあります。
TGRは前回ポルティマオでWEC戦が行われた2021年の第2戦に1-2フィニッシュを果たしており、この時にブエミとハートレーは優勝を経験しています。そして、この勝利はまた、トヨタにとってFIAのスポーツカーで争われる世界選手権における記念すべき100戦目でもありました。この思い出深いポルティマオはドライバーにとってチャレンジングなサーキットであると同時に、チームのロジスティックス(物流)においても挑戦となります。GR010 HYBRIDとレース機材を積んだ5台のトラックによる、ポルトガルを目指す長い陸路での旅路は、4月6日(木)にチームの本拠地であるドイツ・ケルンからスタートします。
チームの5台のトラックは、5カ国を通過し、2500kmに及ぶ行程を終え9日(日)にポルトガル南岸の都市ポルティマオ近郊に位置する、アルガルヴェ・サーキットに到着します。この距離は、1周4.653kmのサーキット538周分であり、ハイパーカーによるピットストップも含めた典型的なレースペースでの14時間半分の走行距離に匹敵します。
シーズン2戦目は14日(金)に開始され、この日は90分間にわたる練習走行が2度にわたって行われます。このセッションでドライバーとエンジニアはGR010 HYBRIDの様々な空力やメカニカルセッティング、タイヤコンパウンドなどの比較や評価を行います。
そして、15日(土)午前11時過ぎからの最後の練習走行を経て、決勝のスターティンググリッドを決定する15分間のハイパーカークラス予選セッションは、午後4時20分に開始されます。全7戦で争われる2023年シーズンの第2戦となるポルティマオ6時間の決勝レースは、現地時間16日(日)正午(日本時間午後8時)にスタートが切られます。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
日本の仲間やパートナーの皆様の強力なサポートとチームの素晴らしい努力のおかげで、セブリングでは完璧なシーズンスタートを切ることができました。1-2フィニッシュという最高の結果は我々の努力に報いるものでした、とは言え、次戦ポルティマオはまた異なるレースであり、可能な限り競争力の高いクルマを準備するためにも、更なるチームの頑張りが必要です。ポルティマオはセブリングとは全く違うコースであり、ハイパーカーによる争いはさらに僅差となることが予想されます。ライバルの多くが近年ポルティマオでのテストを経験していますが、我々にとっては昨年4月以来の走行となります。そのため、我々は練習走行セッションから正しいセットアップやタイヤ戦略を見出すためにハードワークをこなす必要があるでしょう。ここからは全てのレースがル・マン24時間を見据えた準備の一部でもあり、それだけに、来週のレースはさらに重要なステップとなります。ハイパーカーのライバル達との戦いを楽しみにしていますし、ファンの皆様にも、またエキサイティングな戦いが見せられると確信しています。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
セブリングでは本当に力強いチームのパフォーマンスによって勝利を挙げ、素晴らしいシーズンスタートを切ることができたので、この勢いをポルティマオでも維持したいと思っています。ポルティマオは、ここ数年何度もテストを行ってきたコースでよく知っていますし、2021年にはGR010 HYBRIDで実際にレースを戦ってもいます。しかし、今年はクルマもタイヤも異なります。これまでの経験には価値があり、ゼロからのスタートというわけではありませんが、自分たちのアップデートも含め、全ての準備を適切に調整するためにも、金曜日は忙しい一日になるでしょう。
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
ポルティマオで再び戦えるのは嬉しいです。ドライブするのが楽しく、とてもチャレンジングな良いサーキットです。このポルティマオと、わずか2週間後に待ち構えているスパでル・マンへ向けた準備もしなくてはならないので、誰にとっても忙しくタフな季節が始まります。我々は勢いに乗っていると思います。チームはセブリングで素晴らしい仕事をし、マニュファクチャラーとドライバーの両タイトル争いを、首位というポジションで今レースに臨むことになるので、それを守るべく戦います。我々の目標は再び表彰台の中央に登ることです。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
ポルティマオでは2年前に優勝という良い思い出があるので、戻れて嬉しいです。今レースもハイパーカークラスのライバル達から激しい挑戦を受けることは間違いありません。セブリングは特殊なコースなので、まだ誰も確実なパフォーマンスの位置を明らかにすることはできていませんが、ポルティマオではそれがもっと明確になるでしょう。我々のGR010 HYBRIDの速さは分かりましたし、セブリングでは我々のチームがトップ争いをしたので、自信はあります。簡単ではないでしょうが、上位争いに留まるべく頑張りたいと思います。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
セブリングは新たなハイパーカー同士のバトルを初めて味わうことができたレースで、誰にとってもエキサイティングなものだったと思います。新たに現れた強力なライバルと戦い抜くためにも、さらに自分を高めていく必要があります。シーズン前から開幕戦セブリングにかけて素晴らしい仕事をしてくれたチームと共にポルティマオに向かいますが、バトルがさらに激しいものになるのは間違いありません。それはシリーズとファンの皆様にとって素晴らしいことであり、チームとしてもチャレンジのしがいがあることなので、我々自身も全員がこのレースを楽しみにしています。
平川亮(8号車 ドライバー):
ポルティマオでまたドライブできるのが楽しみです。私がGR010 HYBRIDを初めてドライブしたのは、2021年6月のポルティマオだったのですが、あれ以来本当に色んなことが起きたので、随分前のことのように感じます。当時は全てが私にとって初めてで、学ぶことが沢山ありましたが、今はクルマにもチームにも大分慣れてきました。我々はセブリングで力強いシーズンスタートを切ることができたので、ポルティマオでもその高いレベルを維持するべくハードにプッシュしていきます。
TOYOTA GAZOO Racing
| 固定リンク