2023年9月11日 (月)

WEC:TOYOTA GAZOO Racing、「ホーム」富士で1-2フィニッシュ! マニュファクチャラーズチャンピオンも確定し、小林/コンウェイ/ロペス組GR010 HYBRID 7号車が今季4勝目

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2023年9月10日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WEC2023年シーズン第6戦富士6時間 決勝
9月10日(日)静岡県の富士スピードウェイでFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦富士6時間の決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車がポール・トゥ・ウィン。GR010 HYBRID 8号車が2位で続き、チームの「ホーム」レースでの1-2フィニッシュを達成しました。

小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名が駆るGR010 HYBRID 7号車は、ポルシェとの激しいバトルを制し、今季4勝目を挙げました。この勝利でTGRは今大会獲得可能な最大ポイントを得て、5シーズン連続、通算6度目となる世界耐久選手権のマニュファクチャラーズチャンピオンを最終戦待たずに確定しました。セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の8号車は7号車に遅れること39.119秒差の2位で続き、週末を通して合計54700人ものモータースポーツファンの皆様が終結したホームコース富士スピードウェイで、チームに完璧な結果をもたらしました。7号車の3名のドライバーが今季4勝目を挙げたことで、ドライバーズチャンピオン争いはさらに激しさを増し、今季最終戦となる第7戦バーレーン8時間で決まることになります。8号車は今大会2位に入ったことで、ランキング首位の座を守りましたが、2位の7号車との差は15ポイント。最終戦の8時間レースでは最大39ポイント獲得可能なため、最後まで激戦となることが予想されます。

結果だけ見れば、TGRは完璧な予選結果による最前列独占からスタートを切り、決勝も1-2フィニッシュを果たしましたが、レースの内容は決して容易なものではありませんでした。2台のGR010 HYBRIDはスタートで順位を落とし、6時間のレースを通してライバルのフェラーリ、ポルシェらハイパーカーのライバル勢とドラマティックな接近戦を繰り広げることになりました。TGRが首位に立ったのは残り2時間になってからのことでした。

レースのスタートでは、ポールポジションの7号車コンウェイがTGRコーナー(第1コーナー)進入時の混乱で行き場を失い3位へ、2番手スタートの8号車ブエミも、同じく大混乱となったTGRコーナーでフェラーリ50号車と接触し、6位へと順位を落とすこととなりました。1周目から導入されることとなったセーフティカー走行からレースが再開されると、7号車コンウェイは2位争いの中でコースアウトを喫し4位へと後退。8号車ブエミはキャデラック2号車をかわして5位へと順位を上げました。チャンピオンを争うTGRとフェラーリのエキサイティングなバトルは、TGRの2台が先行する形となりました。コンウェイとブエミはそれぞれ2台のフェラーリとのバトルを繰り広げ、序盤首位に立っていたポルシェ6号車が最初にピットへ向かうと、7号車が首位に、8号車もフェラーリ50号車をかわし、TGRが1-2体制となりました。TGRの2台も1時間を経過したところでピットへ向かい、首位のポルシェ6号車をTGRの2台が追う展開に。2時間を経過し、7号車はロペス、8号車は平川へとドライバーを交代すると、ロペスはその時点での最速ラップタイムをマークするハイペースで首位ポルシェとの差を詰めていき、平川も上位2台の争いに加わるべく追い上げを開始しました。

レースが折り返しとなる3時間を経過するころ、各車は3回目のピットへ向かい、給油を行ったあと、ロペスと平川はそのまま2スティント目へと突入。ロペスは首位のポルシェのすぐ後まで追いつき、さらに逆転を狙いますが、その後方からは平川が素晴らしい走りで一時は20秒以上あった首位との差をじりじりと削っていき、首位争いは3台がそれぞれ1秒以内という接近戦に。平川は自身のスティント終盤となる4時間を迎える直前に見事なオーバーテイクを見せ、首位に浮上しました。その数分後、2位の7号車が最後のドライバーとして小林へ、翌周8号車はハートレーに交代。8号車は7号車の前でコースに復帰しましたが、7号車小林が猛烈な速さで追い上げ、8号車をパス。首位に立った7号車の小林は、ポルシェ6号車との間に8号車を挟む形で、さらにファステストラップを叩き出すなど、後続との差を広げていきました。残り1時間、最後のピットを終えた小林は、後続との差をコントロールしながら周回を重ね、229周でトップチェッカー。富士で行われた現行WEC10戦中の9勝目、そして、2016年以来続く連勝記録を6へと伸ばしました。ハートレーの8号車は2位でチェッカーを受け、TGRは1-2フィニッシュという最高の形でホームレースを終えました。

レースウィークを通してチームに帯同したトヨタ自動車社長兼TGRヨーロッパ会長の佐藤恒治を中心に、パートナーの皆様、富士に集結したTGRファンの皆様、ドライバー、そしてチームが一体となり困難なレースの末に勝利することができました。ドライバーズランキングを決する今季最終戦は、中東バーレーンで、バーレーン8時間として11月4日(土)に決勝が行われます。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
目標だった1-2フィニッシュを達成するのは容易なことではありませんでしたが、我々のペースは素晴らしかったです。ハードワークでこの素晴らしいGR010 HYBRIDを仕上げてくれたチームと、共に支えてくれたパートナーの皆様やトヨタ関係者に感謝いたします。あれほど多くのTGRの旗がコース上で振られているのを見ることができて本当に嬉しいですし、力強く応援してくれたファンの皆様にも本当に感謝しています。今日はとても難しいレースでした。特にスタートで幾つかポジションを落とすこととなったのが大きかったです。このコースで他のハイパーカーを追い抜き、また周回遅れの車両をかわすのは、とても難しいのですが、なんとか上手く対処し、やるべきことをやってチームが本当にドライバーを助けてくれました。ホームレースでマニュファクチャラーズチャンピオンを決められたこともとても嬉しいです。今シーズン、このタイトルを獲得することは難しい挑戦でしたが、速いクルマと強力なチームがあり、そして、ドライバーもミスすることなく素晴らしい走りをしました。我々の最初の目標であるマニュファクチャラーズタイトルを勝ち取ることができたので、まずは祝いたいと思います。次のステップはドライバーズタイトル獲得で、我々7号車は追う立場ですが、最終戦バーレーンでは全力を尽くします。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
チームにとって最高の一日になりました。我々は1-2フィニッシュでマニュファクチャラーズタイトルを決めることを目標にここ富士へとやってきて、それを成し遂げました。簡単なことではなく、ポジションを取り戻すためにとても苦労しましたが、最終的な結果には満足しています。ホセと可夢偉が素晴らしい仕事をしてくれました。我々全員にとって厳しいレースで、オーバーテイクの難しい場面もありました。我々とポルシェとのペースは非常に拮抗していたので、難しい戦いになることはわかっていました。チャンスが来るのを待ち、可夢偉が首位に立ったあとは大丈夫でした。この週末だけでなく、シーズンを通して我々ドライバー全員と、エンジニアも最高の仕事をしました。TOYOTA GAZOO Racingの皆さん、マニュファクチャラーズタイトル獲得おめでとう。次はドライバーズタイトル獲得へ向けての戦いがバーレーンで待っています。

ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
富士で勝てて最高の気分です。7号車にとって、今季4勝目という素晴らしい結果にもなりました。チームがマニュファクチャラーズタイトルを獲得できたことも嬉しいです。今回の勝利を可能にしてくれたこのWECプロジェクトは、ここ日本の東富士、ドイツ・ケルンなど多くの皆様が支えてくれたおかげであり、みんなに祝福を贈りたいと思います。このグループの一員であることを誇りに思います。可夢偉とマイクは素晴らしいレースを戦ってくれました。私自身の走りにもとても満足していますが、ポルシェを追い抜くのはとても難しく、最後はフロントタイヤが摩耗して逆転は叶いませんでした。しかし、あの時点で重要だったのは大きく引き離されることなくついていき、可夢偉へとバトンを渡すことでした。彼はペースも良く、首位に立ってからは振り返ることなく、後続を引き離していきました。我々はまだドライバーズタイトルを争っており、バーレーンでの戦いが楽しみです。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
チームに取って完璧な結果となりました。みんなが素晴らしい仕事をした証として、マニュファクチャラーズチャンピオン獲得を祝いましょう。非常に接近したレースで、ファンの皆様には間違いなく楽しんで頂けただろうと思います。我々はスタートでポジションを落とし、他のハイパーカーのライバルをかわすのに時間がかかってしまったので、燃料をセーブしながら戦うことを選択しました。そして最後に、亮が素晴らしいスティントでトップ争いに復帰させてくれました。ただ、今日の7号車には叶いませんでした。彼らを祝福したいと思います。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
母国ファンの皆様の前でチームが1-2を成し遂げ、世界タイトルを勝ち取る、それが今日の我々のミッションであり、無事に達成することができました。2台のGR010 HYBRIDは共に1周目でポジションを落とし、その後ポジションを取り戻すのは大変苦労しましたが、チームが頑張ってくれたおかげで1-2を勝ち取れました。終盤の可夢偉は我々よりも圧倒的に速く、とても太刀打ちできませんでした。この理由を分析する必要があると思います。7号車は今日の勝利にふさわしく、本当に速かったです。

平川亮(8号車 ドライバー)
今日は全力を尽くし、ホームレースで可能な限り最高の結果を勝ち取ることができました。大変な戦いで、簡単なレースではありませんでした。我々8号車にとっては、勝てなかったのでもちろん少し残念ではありますが、全体としてみれば1-2フィニッシュを果たせたのでとても満足しています。マニュファクチャラーズチャンピオンを獲得できたことも最高ですし、今日の結果はドライバーズタイトル争いにおいても悪くありません。シーズンはあと1レースを残すのみですが、バーレーンでも同様の結果が得られることを期待しています。

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2023年9月10日 (日)

WEC:Rd.6富士6時間レース結果

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WEC:TOYOTA GAZOO Racing、小林可夢偉が圧倒タイムでポールポジション獲得! B.ハートレーが2番手で続き、TGRは最前列に並んで決勝へ

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2023年9月9日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WEC2023年シーズン第6戦富士6時間 予選
9月9日(土)富士スピードウェイでFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦富士6時間の予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉がポールポジションを獲得。ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車が2番手で続き、TGRは明日の決勝を最前列に並んでスタートすることとなりました。

アタックに挑んだ7号車の小林は、富士スピードウェイでのハイパーカーによる新たなコースレコードとなる1分27秒794を記録し、母国レースでのポールポジションを獲得しました。TGRにとって今シーズン4度目、「ホーム」富士では6度目のポールポジションとなります。

8号車はハートレーがアタックを担当し、小林に続く2番手タイム。熱狂的な母国ファンの皆様とピットガレージでチームを率いるトヨタ自動車社長兼TGRヨーロッパ会長の佐藤恒治が見守る前で、チームにとって完璧な予選結果となる、最前列独占を成し遂げました。

ポールポジション獲得により、TGRはチャンピオン争いにおいて貴重な1ポイントを追加。マニュファクチャラーズ部門では2位のフェラーリとの差を27ポイントに拡げると共に、ドライバーズ部門では7号車は首位8号車との差を22ポイントに縮めました。

小林の今季3度目のポールポジション獲得へ向けた挑戦は、午前中、乾きかけの路面コンディションで行われた公式練習3回目から始まっていました。9日(土)は一日を通して天候が安定せず、時々弱い雨が降ってはまた路面が乾いていくという状況。この変わりやすい天候は予選にも影響を与えました。午後3時半から15分間で行われたハイパーカークラスの予選セッションでは、ほぼ乾いた路面でアタックが開始され、2台のGR010 HYBRIDは共にタイヤを暖めるために4周を費やしました。

小林は最初のアタックラップで、ハイパーカーとしては初めて1分27秒台に入れるという圧倒的なコースレコードタイムを叩き出しトップへ。ハートレーも続いてアタックに入り、2番手に浮上しました。

小林とハートレーは更なるタイムアップを目指しアタックを続けましたが、セッション後半には弱い雨が降り始めて来たこともあり、2台のGR010 HYBRIDはチェッカーまで数分を残してピットへ戻りました。その後はコンディション変化もあり、ライバル勢もタイム更新はなく、TGRは予選1-2で母国レースでの最前列グリッド独占を達成しました。

明日10日(日)午前11時から6時間で行われる決勝レースも天候が大きく結果を左右する可能性がありますが、理想的なポジションからスタートするTGRは、富士スピードウェイで2016年から続く連勝記録の更新と通算9勝目を目指し、幅広い戦略を準備し決勝に挑みます。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
母国レースで今日のこの予選結果を得ることができて最高です。我々にとってとても重要な週末であり、このような形で我々のパフォーマンスを示すことができたことは本当に格別です。残念ながら天候には恵まれず、ドライでは非常に限られた周回しかできませんでしたが、チームは素晴らしい仕事で予選に挑み、私自身も最初のアタックでとても良い走りができました。GR010 HYBRIDは練習走行時よりも大きく進化し、速くなっています。このようなラップタイムが出せるとは予想していませんでしたし、タイムを見たときには少し驚きました。今日これだけの速さが見せられたというのは明日の決勝レースへ向けても良い兆候ではありますが、決勝は簡単にはいかないでしょう。ドライでのレースになると予想していますが、暑くなりそうなので、正しいタイヤ選択が重要になりますし、いつもと同様、幸運も必要です。準備はできています。全力で戦い、1-2フィニッシュできることを願っています。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
チームにとってとても良い予選結果になりました。私自身は、クルマのバランスにおいて完全に満足しているわけではなく、最後の練習走行ではもっと好感触だったのですが、予選時には少し感触が変わり、やや苦戦しました。とはいえ、それでも2番手につけられたので、我々のパフォーマンスの高さは示せたと思います。予選セッション終盤には雨が降ってきて、アタックラップ中にもフロントガラスに水滴がつき始めていました。ハイパーカーでの予選はいつも激戦ですが、今日のこのような雨が降ったり止んだりと難しい状況は全車同じですし、コンディションやコース上の走行ポジションを見出すのも挑戦です。可夢偉は信じられないようなアタックでした。彼には脱帽です。2台のGR010 HYBRIDが最前列グリッドからスタートできるのは最高ですし、あとは優勝を目指すだけです。

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2023年9月 9日 (土)

WEC:Rd.6富士6時間レース 予選結果

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WEC:TOYOTA GAZOO Racing、天候一転の富士で6連覇へ向け走行開始

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2023年9月8日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WEC2023年シーズン第6戦富士6時間 公式練習
9月8日(金)、静岡県の富士スピードウェイでFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦富士6時間の公式練習が開始され、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)にとってホームコースである富士でのレースが幕を開けました。

約2か月のインターバルを挟んでの開催となった今大会、舞台となる富士スピードウェイは台風の接近に伴い、8日(金)は朝まで断続的な雨に見舞われていましたが、雨は弱まり、午前11時からの公式練習第1回目はウェットコンディションながら予定通りに実施。午後の公式練習第2回目は日差しものぞくほどに天候が回復し、完全なドライコンディションで予選、決勝へ向けた本格的な走行が進められました。

来日して以来、日本のファンの皆様、パートナー企業の皆様やトヨタ従業員からの熱烈な歓迎を受けてきたチームは、予選、決勝へ向けた準備を開始した走行初日から好走を見せ、フェラーリ、キャデラック、ポルシェ、プジョー、ヴァンウォールらとのハイパーカーの激戦に向け、1-2という好スタートを切りました。

ドライバーズチャンピオン争いで首位に付けるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車が、この日最速となる1分29秒523をマーク。前戦モンツァを制した小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車が0.597秒差の2番手につけました。

現行WECでは、富士スピードウェイでこれまでに9戦が開催され、うち8戦を制しているTGRは、富士での9勝目及び6連覇を目指すと共に、リードしているチャンピオン争いでよりその位置を固めることを目指しています。TGRはマニュファクチャラータイトル争いで、2位のフェラーリに26ポイント差をつけてリードしており、この富士ラウンドを終えた時点でさらに13ポイント差を拡げることができれば、最終戦を待たずしてマニュファクチャラーズチャンピオンを決めることができます。

昨夜から続く雨によりウェットコンディションで公式練習第1回目は開始されましたが、チームはこの時間も無駄にすることなく、7号車はロペス、8号車はブエミがウェットタイヤを装着した車両セットアッププログラムとシステムチェックを開始しました。その後、6名のドライバー全員がウェット下での走行をこなし、トラブル無く90分間のセッションを終えました。

この公式練習第1回目は、セッション終盤に雨が弱まったことで路面コンディションが徐々に良くなっていき、最後の数分で各車このセッションでのベストタイムをマーク。7号車はコンウェイ、8号車はハートレーのタイムによりこのセッションは6番手、7番手となりました。

公式練習第1回目の後、第2回目までの3時間のインターバルの間に天候が回復し、コース路面はほぼドライに。午後3時半からの公式練習第2回目が開始されると共に、7号車は小林、8号車はブエミがステアリングを握り、スリックタイヤでコースイン。この90分間のセッションは、2台のGR010 HYBRIDの車両パフォーマンス比較やミディアム及びハードタイヤの摩耗に関する確認など、様々なセットアップを試す忙しい時間となりました。

このセッションでは、開始直後にブエミが1分30秒を切る好タイムを記録すると、最後まで破られることなく、この日のトップタイムに。また、ブエミと共にセッション序盤に小林がマークしたタイムはこの日2番手となりました。チームはこの2回の公式練習走行で得られたデータを分析し、明日9日(土)午前中の公式練習第3回目へ向けたセットアップ及びレース戦略の最適化を図っていきます。

明日は午後3時半からハイパーカークラスの予選が行われ、TGRは今季4度目のポールポジション獲得を目指します。決勝レースは10日(日)の午前11時から6時間にわたって行われます。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
日本に戻ってきて母国ファンの皆様や多くのトヨタ関係者の前でドライブできることをとても嬉しく思います。今日は路面コンディションが大きく変わりました。ウェットコンディションではまだやるべきことがありますが、ドライコンディションではとても好調です。まだクルマのバランス面で幾つか調整すべき点はありますが、多くの周回をこなせて良かったです。ここ富士では、決勝レース中のコース路面の変化が大きな要因になります。大雨で洗い流された路面が、この後多くの車両が周回を重ねていくことで変わっていくので、それにあわせた車両セットアップをしておく必要があります。まだイベントは始まったばかりですし、プッシュを続けて行きます。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
ここ富士ではまだこの先も、いつ雨が降るかわからないので、ウェットコンディションでどのような挙動を示すかなど、経験できたのは良かったです。ドライコンディションでのクルマのバランスは悪くないですが、まだ細かい調整を試し、可能な限りパフォーマンスを引き出したいと思っています。今夜も作業を続けますが、まずは順当なポジションにつけられたと思いますし、この勢いで前向きに進めていくだけです。

ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
今日は順調な一日でした。ウェットコンディションで走れたことは、さらに雨が降ったときのクルマへの理解を深める手助けになりますし、その後はドライで順調に周回を重ねることができました。最初の各車のパフォーマンスレベルは確認できたと思いますが、まだドライでは1時間半しか走っていませんし、コース路面はこれから変わっていくので、まだまだわかりません。ここはブレーキやタイヤを含め、クルマに厳しいコースなので、全てを最適化するためにどうするかがポイントになります。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
今日は、ウェットとドライの両方を経験して比較することができたので、天候的には予想していた以上にラッキーでした。両セッション共に順調で、片方が完全なウェット、もう片方は完全なドライで走ることができました。実りある金曜日だったと思います。多くのデータを収集できましたし、我々の競争力も高そうです。これからは明日に向けた改良が大事になってきますし、決勝レースではタイヤ摩耗が非常に重要な要素となるので、それをコントロールできるよう作業を続けていく必要があります。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
トラブルなく進んだ一日でした。ドライの公式練習第2回目を1-2で終えられたというのは好結果ですが、タイムは非常に拮抗しています。ウェットコンディションでは、我々はライバルに対しあまり良いペースとは言えなかったので、残りのレースウィークはドライのまま進んでくれることを願っています。全体的に見ればとても良いスタートが切れました。我々は2台で異なる車両セットアップをテストし、異なるタイヤコンパウンドを試すなど、多くのデータを得ることができました。金曜日としては完璧な一日でした。

平川亮(8号車 ドライバー)
走行初日としてはとても満足しています。午前中は天候に恵まれませんでしたが、それでも富士で走れるのは毎回嬉しく思います。公式練習第1回目は、降雨により最初は濡れていた路面が徐々に乾いていくという、とても変わりやすく、トリッキーなコンディションでした。午後の公式練習2回目は完全なドライとなり、チームが1-2で終えられ良いスタートが切れたと思います。予選と決勝でも同じ結果が達成できることを祈っています。今日は良いスタートとなりましたし、この勢いのままプッシュを続けます。

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2023年9月 5日 (火)

WEC:TOYOTA GAZOO Racing、チャンピオン獲得へ向け、ホーム「富士」での6連覇を目指す

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WEC2023年シーズン 第6戦 富士6時間 プレビュー
2023.09.04(月)- 17:00配信

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)はこの週末、静岡県の富士スピードウェイで行われるFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦富士6時間レースで6連覇を目指し臨みます。

チャンピオン獲得へ向け、ホーム「富士」での6連覇を目指す
 TGRは2012年に現行の世界耐久選手権に復帰して以来、9回行われた富士戦で、直近の5連勝を含む8勝を挙げており、TGRにとってのホームコースである富士は、チームにとって最も好成績を残しているサーキットでもあります。

 東京の西方約100kmに位置し、長い歴史を持つ富士スピードウェイは、TGRとGR010 HYBRIDにとってのホームコースです。GR010 HYBRIDのハイブリッド・パワートレーンは、富士スピードウェイ近郊に位置するトヨタ自動車の東富士研究所で設計、開発、及び、組立が行われています。

 全7戦で競われているWEC2023年シーズン、TGRは今季5勝目を目指し、この「ホーム」富士で勝利することでTGRは5シーズン連続でのマニュファクチャラー世界チャンピオンを決められる可能性があります。TGRは目下ハイパーカークラスのライバルであるフェラーリに対し、26ポイント差でリードしており、富士戦後でさらに13ポイント差をつけることができれば、最終戦を待たずしてタイトルが決まります。

 ドライバーズチャンピオン争いは、数字の上では上位6台が残り2戦でタイトル獲得の可能性を残していますが、事実上、TGRの7号車と8号車にフェラーリの2台を加えた4台のドライバーによる争いとなっています。その差は僅差のため、ドライバーズチャンピオンは11月4日(土)に決勝を迎える最終戦バーレーンまで決まることはありませんが、今大会富士での結果は、もちろんタイトル争いにおいて非常に重要なポイントとなります。

 前戦モンツァ6時間で勝利を飾った小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、この勝利でランキング2位へと浮上し、タイトル争いに戻ってきました。ランキング首位につけるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車に対し、7号車は23ポイント差で追う形となっています。

 今大会には、TGR2台のGR010 HYBRIDに加え、キャデラック、フェラーリ、プジョー、そしてポルシェといった総勢12台のハイパーカーがエントリー。現行WECにおける富士6時間では最多となる、プロトタイプレーシングカーによる攻防戦が、熱狂的な日本のモータースポーツファンの皆様の前で繰り広げられることとなります。

 今季WECが開催されるサーキットの中で最も1周が短いにも関わらず、ストレートは1.5kmの長さを持つ富士スピードウェイでの、大迫力のハイパーカーによる走行は、8日(金)の2回の90分間の練習走行でその姿が日本のファンの皆様の前で披露されることになります。9日(土)の午前中に1時間の最後の練習走行を経て、スターティンググリッドを決定する予選を実施。6時間で争われる決勝レースは、10日(日)午前11時にスタートが切られます。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
 チームの誰もがホームでのレースと、いつも支えてくれている日本のファンの皆様、トヨタの仲間やパートナーの皆様の前でレースを戦うことを楽しみにしています。ル・マンを終えた今、我々にとって次に重要なのは、これまでも強さを見せてきた富士で勝つことです。ハイパーカーの争いは激しさを増していますが、それを勝ち抜き、富士での勝利記録を伸ばすことが目標です。ファンの皆様が期待している、多くのマニュファクチャラーによる素晴らしいバトルが繰り広げられるはずです。我々は前戦、フェラーリの地元であるモンツァで勝つことができたので、当然彼らは我々のホームでのリベンジを狙ってくるでしょう。全てを正しく進め、ミスすることなく、上位で争えるよう努力を続けます。今季も残り2戦となり、チャンピオン争いにおいても重要なレースなので、全力を尽くします。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
 ホームレースは常に特別で、シーズンの真のハイライトでもあります。我々はライバルと違い、富士で多くの経験を積んできているので、走行初日の金曜日から優位に進められるはずです。富士において過去には天候が重要なファクターとなったこともありましたが、(昨年に引き続き)例年よりやや早い季節の開催となるので、週末を通してドライコンディションで戦えることを望んでいます。モンツァでの勝利によって、我々の7号車もチャンピオン争いに復帰することができたので、この勢いで富士も戦いたいと思います。

ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
 日本でのレースは最高です。日本のファンの皆様の熱狂ぶりは誰もが知っており、全てのドライバーにとって信じられないような経験になりますが、特に我々TOYOTA GAZOO Racingのドライバーには格別です。ここ数年、チームは富士で素晴らしい結果を残してきていますし、もちろんホームレースでの勝利はとても重要なので、この週末は全てを尽くして戦います。GR010 HYBRIDは富士との相性が良いはずですが、ハイパーカークラスのパフォーマンスは非常に接近しているので、エキサイティングなバトルになるでしょう。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
 富士6時間は毎年楽しみにしているレースですし、個人的にもとても楽しんでいます。富士では4勝しており、多くの素晴らしい思い出があります。日本のファンの皆様や、我々のプロジェクトを遠くから支援してくれているパワートレーン開発エンジニアやトヨタの関係者に会える特別な場所でもあります。多くの皆様にGR010 HYBRIDが活躍しているのを見ていただける唯一の機会なので、チーム全員、良いパフォーマンスを見せるべく張り切っています。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
 我々のホームレースである富士スピードウェイに、両チャンピオン争いでリードして向かえられるというのは素晴らしいことですし、この週末は好結果を得てタイトル争いをさらに確実なものにすることが目標です。モンツァではハイパーカーバトルがいかに接近したものであるか、そして、わずかなミスが大きく結果に響くということもわかっていただけたと思いますし、それだけに我々は最高の状態で臨む必要があります。特にフェラーリは今シーズンを通して非常に速いので、間違いなく富士でも素晴らしいバトルになると思いますが、それも望むところですし、立ち向かう準備はできています。

平川亮(8号車 ドライバー):
 富士スピードウェイはチームにとってのホームレースであると共に、私自身にとっても母国レースであり、勝利への想いには特別なものがあります。私個人としては、富士では今年3度目のレースになりますが、スーパーフォーミュラで戦ったこれまでの2戦は表彰台の中央に立つことができなかったので、3度目の正直になることを願っています。昨年は好きなサーキットの一つでもある富士で、母国ファンの皆さんの前で勝つことができて、最高の気分でしたし、今年もまた同じ気分を味わいたいと思っています。GR010 HYBRIDを日本のファンの皆様に見ていただけるのは素晴らしいことですし、この週末もたくさんの応援を楽しみにしています。忘れられないレースをお見せしたいと思います。

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2023年7月10日 (月)

WEC:TOYOTA GAZOO Racing、GR010 HYBRID 7号車が接戦を制しポール・トゥ・ウィンで今季3勝目

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2023年7月10日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WEC2023年シーズン第5戦モンツァ6時間 決勝
7月9日(日)イタリアのモンツァ・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦モンツァ6時間の決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車がライバルの本拠地での接戦を制し、今季3勝目を挙げました。8号車は6位でフィニッシュし、ドライバーズランキング首位の座を守りました。
6万5千人の熱狂的な観衆が見守る中、ポールポジションからスタートした小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、ハイパーカー同士の激しいバトルを制し、地元フェラーリの追撃を16秒520差で凌ぎきっての勝利を飾りました。

ドライバーズランキングをリードしているセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、3番手スタートも序盤にペナルティを受け大きくポジションダウン。その後、猛烈な追い上げを見せ4位でチェッカーを受けましたが、レース後にペナルティを科され最終結果は6位に。しかし、貴重なポイントを獲得しランキング首位の座を守り、2位との差を23ポイントに拡げました。

TGRにとっては、前戦ル・マン24時間での雪辱を果たす今季4勝目。マニュファクチャラーズランキングでも2位フェラーリとの差を26ポイントへと広げることとなりました。また、7号車はこの勝利でドライバーズランキング2位タイへと浮上。再びチャンピオン争いに加わることとなりました。

猛暑の中で午後12時半より開始された6時間の決勝レースは、気温と同じくらい熱い展開が1周目から待ち受けていました。ポールポジションの7号車はコンウェイのドライブでトップをキープしましたが、その後方では、3番手からスタートしたブエミのドライブする8号車が、狭い第1シケインへの進入でフェラーリ51号車と接触し、8位へと順位を落としてしまいました。

15分後、7号車のコンウェイはフェラーリ50号車とプジョー93号車を従え首位を走行していましたが、8号車はGTクラス車両と接触し、セーフティカーが導入されることとなりました。8号車にこの2度の接触による車両ダメージはありませんでしたが、レーススチュワードより、最初の接触で10秒、さらに2度目の接触で60秒のピットストップペナルティが科されました。

セーフティカーの導入により、首位の7号車の後方には僅差でライバル勢が連なる形となり、再スタートが切られると、7号車のコンウェイは3位に順位を落とすこととなりました。一方、ペナルティを消化した8号車は総合34位まで大きく順位を落とし、コースに復帰してまもなく周回遅れとなってしまいました。

3位に後退するも、離されることなく前を行くライバルへのプレッシャーをかけ続ける7号車のコンウェイは、1時間を経過したところで最初のピットへ向かいましたが、隣のガレージも同時にピットインしていたため、貴重なタイムをロス。一方で8号車のブエミは1回目のピット時にペナルティを消化し、追い上げを開始しました。

ハードタイヤを装着し3位を走行するコンウェイは、その時点での最速タイムで追い上げを見せて首位の座を奪還し、ロペスへと交代しました。ロペスも首位争いを続け、3時間過ぎにポルシェ5号車をかわして首位に浮上。その直後、LMP2車両のアクシデントによりこの日2度目のセーフティカーが導入されました。

ピット戦略の異なるライバル勢がセーフティカー導入前にピットインを終えていたこともあり、首位に立ったロペスの7号車は、2度ファステストラップを更新する速さを見せ、2位のフェラーリ50号車との差を広げていきました。8号車も平川へとドライバー交代し、猛烈な追い上げで7位へと順位を上げました。

的確な戦略と平川の好ペースで8号車は周回遅れから脱し、ハートレーへとドライバー交代。ハートレーはトップ6フィニッシュへ向け更なる追い上げを開始しました。一方、首位争いはロペスの健闘により2台のフェラーリに対し大きな差を広げて、4時間過ぎ、小林へと最後のドライバー交代を行いました。

しかし、再度導入されたセーフティカーにより、45秒あった2位との差は帳消しとなり、最後の1時間半、小林はフェラーリ50号車からの僅差での追撃を受けることとなりました。さらに8号車の不運は続き、このセーフティカー導入のタイミングで緊急給油ピットインを余儀なくされ、レース再開時には8位へと順位を落としてしまいました。

一時は後続とのマージンを失った首位の7号車小林でしたが、好調なGR010 HYBRIDと共に着実にリードを広げていき、残り45分で最後のピットイン時点で2位との差は10秒に。ピットクルーの迅速な作業でタイヤを新品に交換し、小林は最後のスティントへと向かいました。

新しいタイヤへと交換した7号車の小林は、ファステストラップを更新する素晴らしい走りで後続を突き放し、2位のフェラーリ50号車に16秒520の差を付けてトップチェッカー。8号車も最後まで諦めることなくプッシュを続け、ハートレーが残り15分でタイトルを争うフェラーリ51号車とポルシェ5号車を見事オーバーテイク。4位でチェッカーを受けました。しかし、レース後に8号車は、あるラップで意図せず短時間パワートレーンの出力制限を超えていたとしてレース結果に50秒加算のペナルティを科され、最終結果は6位となりました。

今大会で2023年シーズンWECのヨーロッパラウンドは終了。次戦は9月10日(日)、ハイパーカーによる激戦の舞台はTGRのホームレースである富士へと移り、そして、11月の最終戦バーレーンへと向かうこととなります。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
今日のこの結果は本当に嬉しいです。非常に強力なライバルと大接戦だったので、ハードにプッシュし攻め続けなくてはなりませんでした。鍵となったのはレース全体をミス無く戦ったことと、タイヤマネージメントでした。私の最後の長いスティントは緊張しましたし、本当に大変でした。しかし、フェラーリとのバトルは素晴らしかったですし、今日の勝利でル・マンでの雪辱を少しは果たせたかと思います。チーム、そして、ル・マンの後も本当に多大な支援を続けてくれているパートナーの皆様、及びサポートいただいている皆様に感謝いたします。8号車も追い上げてポイントを獲得し、チームにとって良い結果でした。彼らは絶対に諦めないという大事な気持ちを示してくれました。シーズンも残り2戦となりましたが、両チャンピオン防衛へ向け全力で臨みます。残り2戦も厳しい戦いになることは間違いありません。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
フェラーリのホームで彼らに打ち勝つことができて良かったですし、チームのみんなには本当に感謝しています。ピットストップは着実かつ迅速で、タイミングも全て的確でした。特に最後のピットは素晴らしく、おかげで首位を守ってコースに復帰できました。今回の勝利は嬉しいですし、ポイント面でチームにも貢献できました。本当に大変なレースでした。このレースはタイヤのマネージメントが全てだとわかっていましたし、選択肢は幾つかありました。我々の作戦は上手くいき、一時は順位を落としたものの、選択したハードタイヤで、路面温度の上昇やセーフティカーなどもある中、順位を取り戻すことができました。そして、ホセが後続とのギャップを築き、可夢偉が最後に素晴らしいスティントで勝利をもたらしてくれました。

ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
厳しい結果となったル・マンの後、ここで勝てたことはとても重要で、チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれました。今日も大変なレースでしたが、GR010 HYBRIDは好調でしたし、ペースも良く、ピットストップもタイヤ戦略も完璧でした。今季3勝目を挙げ、チャンピオン争いに復帰できたのは本当に嬉しいです。今日は走っていても気持ち良かったですし、アタックして首位を奪還し、その後は差を広げることができました。同時に、耐久レースではせっかく築いたマージンがあっという間に無くなってしまうこともわかっていましたし、セーフティカー導入により最後は可夢偉に厳しい戦いを強いることとなってしまいました。しかし、彼はその大変な役割を果たし、トップで戻って来てくれました。フェラーリの熱狂的なファンの皆様の前で勝てたことは最高です。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
複雑な感情の入り交じる一日でした。7号車が勝ったことはとても良かったですし、彼らの素晴らしいパフォーマンスを祝福します。我々8号車にとっては厳しいレースとなってしまいました。私はスタートで接触を喫し、ペナルティを受け、さらにGTクラスのアストンマーティンとも接触してしまいました。彼らにはお詫びしたいと思います。もちろん、そこから全力で追い上げて、多くのポイントを獲得することができました。しかし、我々にとっては厳しい一日でしたし、次の富士ではもっと良い結果を狙います。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
まず初めに、勝利を挙げたチーム全員へ祝福を送ります。7号車は可夢偉のポールポジション獲得から、素晴らしい週末でした。彼らはフェラーリとの激戦を制しました。我々8号車は、序盤のアクシデントで周回遅れになってしまったこともあり、厳しいレースとなってしまいましたが、後方から追い上げて、私は最後にタイトルを争うフェラーリ51号車とホイール・トゥ・ホイールの素晴らしいバトルを楽しむことができました。この暑さの中、3スティント連続で走るのは本当に大変で大きな挑戦でしたが、楽しかったです。今日は表彰台に立つことはできませんでしたが、我々が見せることができたパフォーマンスには満足しています。

平川亮(8号車 ドライバー)
フェラーリのホームレースで7号車が優勝してくれたことは良かったですし、彼らの素晴らしい走りに祝福を贈ります。残念ながら我々の8号車はレース序盤にペナルティを受けることとなってしまいましたが、決して諦めることなく追い上げ、順位を上げていきました。チェッカーまで諦めずに戦い続けたことで、レース終盤にブレンドンがフェラーリとポルシェをかわしてくれました。最終的にチャンピオン争いで重要なポイントを稼ぐことができましたし、自分たちが見せられたパフォーマンスには満足しています。次は我々のホームレースである富士なので、母国ファンの皆様の前で多くのハイパーカーを相手に戦うのを楽しみにしています。

TOYOTA GAZOO Racing

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WEC:Rd.5モンツァ6時間 レース結果

No.7 TOYOTA GR010 HYBRID (C)WEC 拡大します

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2023年7月 9日 (日)

WEC:TOYOTA GAZOO Racing、0.017秒差の白熱予選で7号車の小林可夢偉がポールポジション獲得!

(C)TOYOTA GAZOO Racing 拡大します

2023年7月9日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WEC2023年シーズン第5戦モンツァ6時間 予選
7月8日(土)イタリアのモンツァ・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦モンツァ6時間の予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉が自身今季2度目となるポールポジションを獲得、8号車は3番手グリッドとなりました。
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブするGR010 HYBRID 7号車は、小林が予選を担当。上位2台が0.017秒という僅差の争いとなった予選で、小林はモンツァにおけるハイパーカーのコースレコードを更新する1分35秒358をマークし、見事ポールポジションを獲得しました。

セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車はハートレーが予選アタックを担当し、チームメイトのポールタイムと0.102秒差の3番手となりました。

TGRにとって今季3度目となるポールポジション獲得により、貴重な1ポイントを獲得。TGRはマニュファクチャラーズタイトル争いで2位のフェラーリとの差を19ポイントに拡げました。

この日も夏の暑さとなったモンツァは、気温が30度を越え、路面温度も限りなく50度に近付く中で、現地時間午後3時半過ぎに15分間の予選セッションが開始されました。2台のGR010 HYBRIDは、この予選に今大会使用可能な2種類のコンパウンドのうち柔らかい方となるミディアムタイヤを選択し、アタックに向かいました。

タイヤのウォームアップを終えた2台は、最初のアタックラップでハートレーが1分35秒640、小林がそれを上回り、この時点でのトップとなる1分35秒549をマーク。序盤からポールポジション争いを繰り広げました。

翌周、小林は最初のシケインで僅かにタイムをロス。しかし、残りのラップで素晴らしいアタックを見せて挽回し、モンツァ・サーキットにおけるハイパーカーの新たなコースレコードとなるタイムを叩き出しました。その直後、フェラーリ50号車が自身のタイムを更新するも、小林のタイムには僅かに届かず。

ハートレーも2度目のアタックでタイムを更新しましたが、フェラーリ50号車には0.085秒及ばず、3番手。2台のGR010 HYBRIDはその後もアタックを続けましたが、タイヤのグリップはピークを越えており、他の車両もタイム更新とはならず、7号車のポールポジションが決定しました。

この予選では、ハイパーカークラスの上位7台がコンマ5秒以内に入る接戦となりました。9日(日)の決勝はさらに気温が高くなる予報で、多数のハイパーカーによるエキサイティングなレースが予想されます。6時間で争われる決勝レースは現地時間午後12時半(日本時間午後7時半)にスタートが切られます。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
通常、6時間レースであれば、ポールポジションはあまり意味をなさないといつも言ってきました。しかし、ル・マンの後、各車のラップタイムが非常に接近してきており、そんな中でポールポジションを獲得できたことは素晴らしいですし、本当に嬉しいです。セッション序盤、コース上のトラフィックは理想的とは言えませんでしたが、なんとかクリアラップを確保してアタックしました。ここモンツァでは、全てのハイパーカーが大接戦を繰り広げている中で、リスクを負わない守りの走りはできないので、思い切ってアタックしました。路面温度が午前中の練習走行の時とは少し異なったため難しかったですが、クルマには満足しています。決勝はさらに暑くなることが予想され、タイヤ戦略が重要になるでしょう。チームはタイヤ摩耗を理解しながら、最善の方法を見出すためにハードワークを続けてきました。この週末、我々のGR010 HYBRIDはとても良い仕上がりですし、特にイタリアのファンの皆様の前での決勝レースが楽しみです。激しい戦いになるはずです。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
全てのハイパーカーが非常にタイムの接近した予選だったので、それを考えれば3番手は満足いく結果です。可夢偉の結果からわかるとおり、我々のGR010 HYBRIDにはポールを狙える力がありました。素晴らしいアタックでポールを獲得した彼を祝福します。また、彼がポールを獲得したことで、ライバルにポイントを与えず我々のタイトル争いにとっても意味がありました。私のアタックラップでは、直前にいた車両に近付きすぎ、僅かにタイムをロスしてしまいました。しかし、ポールタイムとのコンマ1秒差は無いようなもので、誰でもどこかでわずかなタイムロスはしているものです。明日の決勝で我々の2台がトップ3からスタートできるというのは素晴らしいことで、チームの努力の賜物です。

TOYOTA GAZOO Racing

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WEC:Rd.5モンツァ6時間 予選結果

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