2017年5月10日 (水)

WEC:ポルシェ919ハイブリッドがスパで3位と4位を獲得、ポルシェ911 RSRは5位と6位でフィニッシュ

M17_1486_fine Porsche LMP Team: Earl Bamber, Brendon Hartley, Timo Bernhard (l-r)  (C)Porsche Japan KK.

スパ.  ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)のポルシェ919ハイブリッドは、ル・マン24時間の前哨戦で3位と4位を獲得しました。この2台のプロトタイプは、スパ・フランコルシャン(ベルギー)6時間レースにおいて、トラブルに見舞われながらもレースを戦い抜きました。アール・バンバー(ニュージーランド)/ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)組は、スローパンクチャーによるタイムロスにもかかわらず3位に輝きました。ポールポジションからスタートした現世界チャンピオンのニール・ジャニ(スイス)/アンドレ・ロッテラー(ドイツ)/ニック・タンディ(イギリス)組は、レースを中断する2回の「フルコースイエロー」の不運に見舞われながらも4位でゴールしました。ハートレーは総合最速ラップを打ち立てて919ハイブリッドの潜在力を示して一矢を報いましたが、トヨタが1、2フィニッシュを飾りました。

ポルシェは、シルバーストーンの開幕戦同様に再びル・マンのエアロダイナミクス仕様で参戦しました。ローダウンフォースはタイヤの磨耗の原因となります。トヨタは2種類のエアロ仕様で出場し、ル・マン仕様の1台は2台のポルシェより遅れてゴールしました。

スタート時は晴天でした。レース終盤には雨が予想されていましたが、ほぼドライコンディションでのレースとなりました。主催者発表によると3日間の観客は61,000人でした。FIA世界耐久選手権(WEC)全9戦中2戦を終了し、ポルシェは現在マニュファクチュラーズランキング2位。ドライバーズランキングでは2位と3位に入っています。

1号車のレース展開:
暖かい晴天(20℃)の下でロッテラーはポールポジションからスタートします。10周目終盤にはトヨタ7号車がバスストップシケインでアウトサイドから首位に立ちます。2周後にはラ・スルス入口でトヨタ8号車に抜かれ3位に後退します。21周目にはポルシェ2号車に抜かれます。22周目にタンディがロッテラーと交代し、5位で再開します。29周目にタンディがトヨタ9号車を抜き4位に浮上します。40周目にタイヤ未交換のチームメイトを追い抜き、47周目にタンディは燃料補給のためにピットインします。ドライバーチェンジンでピットストップ中のトヨタ8号車を抜いて2位に立ちます。64周目にトヨタ8号車がタンディを抜き3位に後退します。71周目に1号車は再び燃料補給し、タンディはジャニに引き継ぎます。94周を過ぎて燃料補給の直後に「フルコースイエロー」が発生します。ジャニは3位を維持しますが、116周目のピットイン直前にポルシェ2号車によって抜かれます。4位のまま4本のタイヤを交換して、ロッテラーが引き継ぎます。彼は173周の142周目と165周目に給油を行いました。

2号車のレース運び:
5番手からスタートしたハートレーは、セカンドローからスタートしたトヨタ9号車がグリーンライトの後にラ・スルスでブレーキングをミスしたことに乗じて順位を1つ上げます。21周目で3位のポルシェ1号車を抜き、24周目に燃料補給でピットインするまで先にピットインしたトヨタを抑えて首位に立ちます。ハートレーは3位を維持し、39周目の最終コーナーで抜かれて1号車のすぐ後ろに付けます。49周目にフルサービスを受けるためピットインし、バンバーが4位でコースインしますが、3位に1秒差まで迫った55周目、右リアのスローパンクで早めのピットインを余儀なくされます。チームは該当タイヤのみを交換して燃料を補給します。バンバーは2時間のあいだ4位で走行します。79周目にバンバーに代わったベルンハルトがレース残り半分強の時点で4位を維持します。チームは95周目の「フルコースイエロー」中に2台の919ハイブリッドの燃料を補給します。ベルンハルトは116周目にポルシェ1号車を追い抜いて3位に浮上します。119周で4本のタイヤを交換してベルンハルトが再びハートレーへと引き継ぎます。122周目に最速レースラップを打ち立てて、127周目にトヨタ7号車を追い抜きます。ハートレーは、ピットストップする直前のラップにLMP2と接触します。143周で燃料補給して新しいノーズセクションに交換します。再びコースに戻ったハートレーは残り1時間の時点で3位のトヨタ7号車の背後に付きます。167周後の最終ピットストップで給油のみを行いラストスパートを仕掛けたハートレーは、3位でゴールしました。

GTE-Proクラスではニュー911 RSR(91号車)が5位と6位でレースを終えました。リヒャルト・リーツ(オーストリア)/フレデリック・マコヴィエッキ(フランス)組は、土曜日のトラブルフリーでのレース展開と迅速なピットストップの後、わずかな差でチームメイトを破りました。それから1分も経たずにケヴィン・エストル(フランス)/ミカエル・クリステンセン(デンマーク)組が同じく911 RSR(92号車)でフィニッシュしました。
GTE-Amクラスでは、ポルシェ911 RSR(モデルイヤー2015)をドライブするプライベートチームのデンプシー・プロトン・レーシングが表彰台を獲得しました。2人のドイツ人、クリスティアン・リードとマービン・ディエンストに加え、ポルシェの若いプロドライバー、マッテオ・カイローリ(イタリア)が激しい走りを見せ、2位でフィニッシュしました。他方、イギリス人のマイケル・ウェインライトとベン・バーカー、およびオーストラリア人のニコラス・フォスターによるガルフ・レーシング・チームは、クラッシュ後にリタイアを余儀なくされました。

レース後のコメント
LMP1担当副社長のフリッツ・エンツィンガー:「私達はポールポジションからスタートし、最速レースラップを打ち立てて表彰台を飾りましたが、残念ながら2台ともにというわけにはいきませんでした。しかし、最初の2戦にローダウンフォース仕様で出場するという戦略決定は正しかったと考えています。来週の30時間にわたる最終テストを心待ちにしています。マニュファクチュアラー選手権はわずか数ポイント差なので、自信をもってル・マンに挑みます」

チーム監督のアンドレアス・ザイドル:「レース優勝を飾ったトヨタの皆さん、おめでとうございます。ポルシェの2台の車は、テクニカルトラブルなくゴールし、選手権ポイントを稼ぐことができました。スパのレースでは明らかに私達の最高のパフォーマンスを出し切ってはいません。2014年以来、毎年ここでポールポジションを獲得しましたが、優勝はしていません。ローダウンフォースのエアロ仕様の車両によって、ハイダウンフォース仕様のトヨタのスピードに対抗することはできませんでした。なぜならタイヤの磨耗が激しかったからです。しかしローダウンフォース仕様の3台目のトヨタを凌ぐことはできました。パンクによるピットインでロスタイムが発生しましたが、性能は確かでした。来週アラゴンで耐久テストを行いル・マンに備えます」

ポルシェ919ハイブリッド1号車のドライバー:ニール・ジャニ(33歳、スイス):「ペースはほぼ期待どおりでした。1台のトヨタを凌ぐことができましたが、他の2台には届きませんでした。フルコースイエローによる2回のタイムロスという不運もありました。レースを取り戻す唯一のチャンスが雨でした」

アンドレ・ロッテラー(33歳、ドイツ):「すばらしいスタートを切ることができました。トヨタが追い上げてきたときは驚きました。まさかラ・スルスのブレーキングで抜かれるとは思いませんでした。スティントの前半は好調でしたが、その後タイヤの磨耗が激しくペースを保つことができませんでした。最初のスティントの終盤にかけて、状況は改善しましたがムラがありました。最初のピットストップで戦略を変更し、終盤に雨が降る可能性があったので、タイヤ無交換でダブルスティントを走行する必要はないと判断しました。最終スティントは霧雨にもかかわらず好調でした。トヨタは強敵ですが必ず挽回します」

ニック・タンディ(32歳、イギリス):「セカンドドライバーとしては標準的なスティントでした。終盤に巻き返すはずだったタイヤ戦略が少し外れ、雨はほとんど降りませんでした」

ポルシェ919ハイブリッド2号車のドライバー
アール・バンバー(26歳、ニュージーランド):「私のスティントは好調でした。トヨタの8号車を追走しましたが残念ながらスローパンクチャーに見舞われました。その後は再び好調で前走車との差を少し縮めましたが40秒の差を取り戻すことはかないませんでした」

ティモ・ベルンハルト(36歳、ドイツ):「パンクの後にアールを引き継いでロスを取り戻そうと努めました。差は縮まってニールの前に出ました。フルコースイエローを利用しましたがトヨタも同様でした。最終的にブレンドンが見事なラストスパートを掛けましたが、今日はこれ以上の結果を出すことはできませんでした」

ブレンドン・ハートレー(27歳、ニュージーランド):「スタートからトヨタが速く、ダブルスティントを予定していました。温暖な気候で車のバランスは前日までとは異なりましたが最初のスティントの終盤に追い上げてピットストップ直前にアンドレを抜きました。1号車は戦略を変えましたが僕達はトヨタ8号車への接近を続けました。アールがパンクに見舞われて戦略がうまくいかなかったことは残念でした。終盤はチームのすばらしい仕事のおかげで見事なゴールができました。上段ではなくても表彰台に登ることができたのでル・マンへの自信となりました」

モータースポーツ部門責任者 フランク=シュテッフェン・バリサー博士:「GTE-Proクラスはとても期待外れな結果に終わりました。明らかにフェラーリとフォードについていくことができませんでした。私たちのチームは完璧な仕事をしてくれましたが、前との差が大きすぎました。GTE-Amクラスでは、デンプシー・プロトン・レーシングが予選ポジションを守り、2位でフィニッシュしました。ポルシェの若いプロドライバー、マッテオ・カイローリは、レースのたびに経験とプロ意識を身につけており、今後の成長が非常に楽しみです」
リヒャルト・リーツ(911 RSR #91):「6時間のタフなレースを、なんとか耐え抜きました。できることはすべてやり、まったくミスも犯さず、善戦しました。これから結果を分析し、もっと強くなってル・マンに戻ってきたいと思います」
フレデリック・マコヴィエッキ(911 RSR #91):「レースではベストを尽くしましたが、今日のフォードとフェラーリは次元が違いました。なぜこうなったのか、よく調べてみる必要があります」
ケヴィン・エストル(911 RSR #92):「私たちにとって、困難なレースでした。ライバルに比べて、単純にスピードが欠けていたのです。911 RSRはスムーズに動き、戦略もまさっており、メカニックもミスを犯さず、すばやいピットストップができたことは、確実なのですが」
ミカエル・クリステンセン(911 RSR #92):「ポルシェGTチームにとって、楽な日ではありませんでした。今日はタイヤのマネージメントが特に難しく、コーションフェーズも我々にとってアンラッキーなタイミングになりました」
マッテオ・カイローリ(911 RSR #77):「これがクリスとマービンと一緒に戦った、私にとって2回目のWECです。表彰台の2段目に立つことができ、本当にいい気分です。シルバーストーンで3位、スパでは2位。ル・マンでの目標は、言うまでもありません」

ポルシェジャパンKK.・プレスリリース

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2017年5月 7日 (日)

WEC:TOYOTA GAZOO Racing 接戦を制しTS050 HYBRIDワン・ツー完全勝利。次戦ル・マン24時間レースへと確かな手応え

20170506wec_r02_22017年5月7日
トヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Company

WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝
5月6日(土)、FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDが接戦を制し、1-2フィニッシュを飾った。

TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ)
決勝: 2位、173周、ピットストップ7回、スターティンググリッド:2番手、最速ラップ(1分57秒722)

TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
決勝: 1位、173周、ピットストップ7回、スターティンググリッド:4番手、最速ラップ(1分58秒039)

TS050 HYBRID #9号車:(ステファン・サラザン、国本雄資、ニコラス・ラピエール)
決勝: 5位、171周、ピットストップ7回、スターティンググリッド:3番手、最速ラップ(1分58秒020)

TOYOTA GAZOO Racingにとって今年のスパ6時間レースは、幸運と不運が混在したレースとも言える内容だった。結果は、TS050 HYBRID #8号車が優勝、#7号車が2位に入り、TOYOTA GAZOO Racingにとって上出来のレースと言うことも出来た。しかし、#8号車と#7号車は、フルコース・イエローのタイミングが少しずれていれば、その順位が入れ替わっていたかもしれなかった。3台目の#9号車は5位でゴールした。

レース序盤はポールポジションのライバル車がリード、セバスチャン・ブエミの#8号車とマイク・コンウェイの#7号車がそれに続き、プレッシャーをかけ続けた。そして早くも10周目、#7号車がライバルを抜いて首位に立ち、その3周後には#8号車も2位に上がった。

ニコラス・ラピエールのドライブする#9号車はスタート直後の第1コーナーでポールポジションのライバル車の内側に飛び込んだが、止まり切れずにコースを外れ、大回りしてレースに復帰した。その後ラピエールは猛烈な追い上げでポジションを挽回、2スティントを走り切って48周目に国本雄資にバトンタッチした時には、5位に返り咲いていた。ドライブを引き継いだ国本にとればTS050 HYBRIDによるレースは初めて。加えて初めてのスパに手こずりながらも、周回を重ねるにつれてペースを上げる走りを見せ、チーム関係者の安堵を誘った。

序盤のトップグループの戦いは熾烈を極めたが、レースが半分を消化した午後5時半、小林可夢偉の駆る#7号車が2位以下に大きく差をつけて首位を快走。28秒遅れてアンソニー・デビッドソンの#8号車、さらに22秒遅れてライバルの#1号車が続いた。#7号車は公式練習から好調にセッティングが決まり、ホセ・マリア・ロペスが抜けた2人のドライバーでの戦いとなったものの、小林もコンウェイも疲労の色も見せず快調にトップをひた走った。

しかし、レースはその後に他車のクラッシュから提示された2度のフルコース・イエローで劇的な変化を見せた。その影響を受けたのは#7号車だった。#7号車はイエローコーションが出る前に2度ともピットストップを済ませており、イエローコーションが出てからピットインをした#8号車を初めとするライバル達に対し1分にも達する大きなタイムロスを被ることとなってしまった。

その結果、レース終盤になって#8号車がトップを独走することになり、#7号車は後方でライバルと激しい2位争いを展開。しかし、その後小林の駆る#7号車は競り合いを制して2位に上がり、#8号車を猛追した。そして、最終ラップ、#7号車は、1秒9差まで#8号車を追い詰めた。

#8号車にとれば幸運の、#7号車にとれば不運のフルコース・イエローであった。しかし、TOYOTA GAZOO Racingとしては2014年のWEC上海戦以来の1、2位獲得。2012年にWECに参戦し始めて以来13度目の勝利となった。#9号車の国本は、周回遅れをかわすのに苦労したが、サラザンとラピエールから多くを学びながら目標の完走を果たし、5位に駆け込んだ。

次戦、6月17日(土)~18日(日)に開催されるWEC第3戦ル・マン24時間レースは、TOYOTA GAZOO Racingにとって様々な思いが募る伝統のレースだ。6月4日(日)の公式テストデーを経て、優勝を目指したル・マン24時間レースに挑む。

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WEC:Rd.2スパ・フランコルシャン レース結果

Toyota TS050 HYBRID (C)Toyota Motorsports

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2017年5月 6日 (土)

WEC:TOYOTA GAZOO Racing 波乱の予選でポールポジションを逃がすも、好調を維持。TS050 HYBRID 3台が予選2番手、3番手、4番手

17wec_rd2_q_12017年5月6日
トヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Company

WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間 公式予選
5月5日(金)に行われたFIA WEC第2戦スパ6時間レースの公式予選は、TOYOTA GAZOO Racingとライバルの間で激しい競り合いが展開されたが、TOYOTA GAZOO Racingは波乱に影響され僅差でポールポジションを逃した。

TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ)
公式練習第3回目: 2番手 (1分55秒238), 27周
公式予選 2番手 (平均1分54秒693)

TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
公式練習第3回目: 1番手 (1分55秒233), 27周
公式予選 4番手 (平均1分54秒907)

TS050 HYBRID #9号車:(ステファン・サラザン、国本雄資、ニコラス・ラピエール)
公式練習第3回目: 3番手 (1分55秒448), 28周
公式予選 3番手 (平均1分54秒701)

午後3時25分に始まった公式予選は、気温12℃、曇天ながらドライ路面というコンディションの下で行われた。セッションがスタートしてTOYOTA GAZOO Racingのドライバー達がタイムアタックを開始した直後にLMP2車両がクラッシュ。その事故処理のために赤旗が提示され、タイムアタックは早々に中止せざるを得なかった。しかし、赤旗が解除されるとすぐに、3台のTS050 HYBRIDのうち、唯一ロー・ダウンフォース空力仕様のTS050 HYBRID #9号車を駆るステファン・サラザンが1分53秒658という全体最速タイムを叩き出し、関係者に喜びが走った。しかし、サラザンから交替したニコラス・ラピエールは遅いクルマの追い抜きに手間取ったばかりか、4輪コースオフの判定を取られてタイムを伸ばすことができなかった。その結果、2人の平均タイム1分54秒701は#9号車をグリッド3番手に着けることになった。

#9号車に代わってポールポジション獲得のチャンスを得たかに見えたのがマイク・コンウェイと小林可夢偉がタイムアタックを担当した#7号車だった。まずコンウェイが1分53秒911のタイムを出して小林にバトンタッチ。しかし、小林がタイムアタックに入った周の最終コーナー出口で、直前を走っていた車両がスピン。小林は急制動で追突を避けたがタイムアタックは不可能となってしまった。次の周に再度アタックを試みるも1分55秒476が精一杯、コンウェイのタイムと平均した1分54秒693はライバルに僅か0秒6届かず、2番手グリッドに甘んじた。

中嶋一貴とセバスチャン・ブエミが駆った#8号車は少々苦戦となった。午前中の公式練習での車両の違和感を検証した結果、予選に向けてセッティングを修正。しかし、それが功を奏さず、2人のドライバーは目標のタイムに届かず、平均タイム1分54秒907で4番手グリッドとなった。

ル・マン24時間レースに向けての準備の意味もあり直線速度を重視したロー・ダウンフォース空力仕様か、あるいはコーナーでの安定性を狙ってのハイ・ダウンフォース空力仕様か、どちらがスパ・フランコルシャンに適するか、予選の結果では大きな差がなく、非常に接近したパフォーマンスを発揮した。

予選の速さがそのまま6時間の長丁場の決勝レースに反映されることは少なく、コース上の混雑、アクシデント、天候の変化、タイヤの性能低下、ピット作業等、レースを混乱させる要素は幾つもある。しかし、昨今の耐久レースはスプリントレース同様の速さとクルマの信頼性の高さが勝負の胆になる。明日5月6日(土)の午後2時半にスタートを切る6時間レース。TOYOTA GAZOO Racingとライバルとの激突になることは必至だが、チームは全員一丸となって勝利を狙いに行く。

小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車):
私のアタックラップ1回目はポールポジションを充分に狙えるもので、最後まで走れていればマイクとほぼ同じタイムだったでしょう。最終コーナー出口で不運にも目の前で他の車両がスピンし、それを避けるためにかなりのタイムロスをしてしまいました。とても残念ですが、最前列2番手グリッドは悪くないですし、TS050 HYBRIDの感触はとても良いです。今日は運に恵まれませんでしたが、我々の目標は明日の決勝レースで勝つことです。

マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車):
再び最前列グリッドからスタートが切れるのは良いことです。私自身のアタックラップには基本的に満足していますが、最後に他の車両に阻まれ僅かにタイムをロスしました。我々はポールを狙えたはずだったのですが、可夢偉はアタックラップではいずれもクリアラップを取ることが出来ませんでした。我々のTS050 HYBRIDは全く好調なので、決勝レースはまたライバルと僅差のバトルになると予想しています。

中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車):
今日は厳しい予選となってしまいました。直前のセッティング変更は、期待通りの速さを得ることが出来ませんでした。決勝で巻き返さなくてはなりません。決勝レースは4番手スタートということで、スタート前に何とか改善点を見出せれば、まだチャンスはあります。

セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #8号車):
出来る限りのことはしましたが、正直に言って満足出来る予選ではありませんでした。TS050 HYBRIDには根本的な問題はないもののラップタイムには満足しておらず、決勝レースまでに原因を究明し、再び速さを復活させます。#9号車のステファンが最速ラップをマークしてくれたことは喜んでいます。彼らは今週、素晴らしい仕事を成し遂げました。アタックでのステファンの走りは見事でした。

ステファン・サラザン (TS050 HYBRID #9号車):
今日のTS050 HYBRIDは信じられないほど最高でした。素晴らしいアタックが出来、決勝レースでも良い走りが出来ると確信しています。久しぶりの予選アタック担当だったので若干プレッシャーはありました。全力を尽くしてアタックし、良いタイムが刻めましたし、楽しむことが出来ました。

ニコラス・ラピエール (TS050 HYBRID #9号車):
ステファンが素晴らしいラップタイムをマークしてくれただけに、私自身のアタックは残念なものになってしまいました。予定の作戦は悪くはなかったのですが、コース上の混雑に阻まれ、上手く予選アタックは出来ませんでした。最終的に3番手グリッドというのは悪くないですし、決勝レースに向けての作戦をしっかり立てて、前向きに明日の決勝レースに挑みます。

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WEC:Rd.2スパ・フランコルシャン 予選結果

  #1 PORSCHE TEAM (C)WEC

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2017年5月 2日 (火)

WEC:TOYOTA GAZOO Racing 初の3台体制でスパ・フランコルシャン6時間レースに挑む

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トヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Company

2017WEC第2戦 スパ・フランコルシャン6時間 プレビュー
TOYOTA GAZOO Racingは、今週末に開催される2017年FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦、ベルギーのスパ・フランコルシャン6時間レースに、初めてTS050 HYBRIDの3台体制で臨む。
TOYOTA GAZOO Racingは、先月の開幕戦、シルバーストーン6時間レースでの優勝に続き、今週末は、WECシリーズの中ではトヨタにとって3つあるホームレースのうちのひとつと言えるスパ戦に挑む。隣国ベルギー・スパのコースは、チームの本拠地があるドイツ・ケルン市から僅か120km程の場所に位置する。

スパはまた、WECシリーズの最大イベントであるル・マン24時間レースの前哨戦でもある。このため、スパ6時間レースには、今シーズンの規則で使用が許可された2種類の空力パッケージの両方を投入する。

小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名のTS050 HYBRID#7号車は、前戦シルバーストーンでポールポジションを獲得した時と同様のハイ・ダウンフォースの空力仕様となる。前戦、#7号車は、雨が降り出した場面でロペスがクラッシュを喫し、実質、レースを終えることになってしまったが、今週の木曜日の公式練習走行で彼がレースに復帰可能かの適性を判定されることになる。

また、シルバーストーンで勝利を飾った中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソンの3人のTS050 HYBRID #8号車も、最高速よりもコーナーでのグリップを重視したハイ・ダウンフォース仕様でスパに挑む。

そして、今大会の3台目として出場するTS050 HYBRID #9号車は、ル・マン24時間レースへ向けた実戦での確認も兼ねて、長いストレートを持つル・マンのサルト・サーキットに適したロー・ダウンフォースの空力仕様となり、今回がWECデビュー戦となる国本雄資、ベテランのステファン・サラザン、チーム復帰のニコラス・ラピエールの3名が担当する。

1922年に開設され、WECシリーズのサーキットの中では最も長い歴史を持つスパは、TOYOTA GAZOO Racingにとって良き思い出の地でもある。デビッドソン、ブエミ、ラピエールの3名は2014年のスパで勝利を挙げており、昨年は、エンジントラブルに見舞われた中盤過ぎまで、2台揃ってレースをリードしていた。

再びル・マンで優勝を争うことは今年の目標であり、そのために、ロー・ダウンフォース空力仕様のTS050 HYBRIDを含めた3台体制でスパ戦に臨み、決勝レースへ向けた最適セッティングの確認等、周到な計画をもってル・マンへの準備を進めていく。

ホームレースと言えるスパ6時間の決勝レースが行われる土曜日には、チーム本拠地であるドイツ・ケルン市のトヨタモータースポーツGmbH(TMG)から数多くの従業員やその家族が応援に訪れる。

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2017年4月17日 (月)

WEC:TOYOTA GAZOO Racing TS050 HYBRIDが劇的な開幕戦で先制勝利

17wec_rd1_race_12017年4月17日
トヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Company

2017年 WEC第1戦シルバーストーン6時間 決勝

2017年4月16日に行われたFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦シルバーストーン6時間レース決勝は、中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソンの駆るTS050 HYBRID #8号車が、ライバルとの激戦を制して勝利を挙げた。

TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)
決勝: 23位、159周、ピットストップ6回、グリッド:1番手、最速ラップ:1分39秒656

TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
決勝: 1位、197周、ピットストップ6回、グリッド:2番手、最速ラップ:1分39秒804

高速コーナーが続く1周5.589kmのシルバーストーン・サーキットにあわせてハイ・ダウンフォース仕様を持ち込んだTOYOTA GAZOO Racingは、その戦略が奏功し、前日の公式予選で2台のTS050 HYBRIDがポールポジション並びに2番手とグリッド最前列を占めた。しかし、決勝レースでは、異なる空力仕様で臨んだライバルに思わぬ苦戦を強いられることとなった。

現地時間16日(日)正午に決勝レースのスタートが切られた。最前列から飛び出した2台のTS050 HYBRIDは、序盤、#7号車、#8号車と続き周回を重ねた。#7号車のマイク・コンウェイはひとり1分40秒を切るタイムで逃げ、追走するチームメイトのブエミが駆る#8号車と共にライバルとの差を広げ、開幕戦での勝利を確実にしたかに思えた。しかし、その#7号車をトラブルが襲ったのは、コンウェイが小林可夢偉にステアリングを手渡す寸前だった。トラブルはリアのサスペンションの不具合。これが原因か、#7号車のハンドリングは損なわれ、小林はコースを外れてライバル勢に抜かれた後も反撃に出ることが出来ず、4位確保の走行に徹し、2台揃っての完走、ポイント獲得に集中せざるを得なかった。

ところが小林から新しくTOYOTA GAZOO Racingに加わったホセ・マリア・ロペスにドライバー交代が行われた直後、ロペスの#7号車は挙動を乱してコースアウトし、タイヤバリアに激突した。大きなダメージを負った#7号車だったが、エンジニアの無線指示を仰いだロペスはピットまで帰り着き、66分をかけて完全修復されて、代わったコンウェイがレースに復帰した。しかし優勝したチームメイトの#8号車からは38周遅れの総合23位に終わった。

コースアウトを喫したロペスはサーキットのメディカルセンターで診察を受けた後、総合病院に精密検査のために運ばれたが、幸いにも特に異常は認められなかった。

予選2番手からスタートした#8号車はブエミからデビッドソンに代わってからもトップでリードを保った。しかし、レースが2時間を過ぎた頃に悪化した天候で路面が僅かに濡れ、ライバルはインターミディエイトのウェットタイヤに交換、#8号車はスリックタイヤのままで走行し、一旦は2位に後退。その後天候が回復するとデビッドソンはタイヤ交換にピットへ入ったライバルを尻目に再びトップに躍り出て、中嶋にステアリングを渡した。

#8号車のドライバーが中嶋に代わった時点で、#7号車のアクシデント処理のためにセーフティカーが出動。その結果、中嶋の#8号車と2位につけるライバルとの十分なタイム差が瞬く間に縮まってしまった。

セーフティカーが退いた時点でレースは残り2時間。TS050 HYBRID #8号車とライバルの間で激しいトップ争いが展開されることになった。TS050 HYBRID #8号車はレースが残り45分になった時点で、最後のピットストップを行い、中嶋からブエミにドライバー交代。#8号車のピットストップでライバルに1位の座を譲ることとなったが、ライバルも最後のピットストップを行い、その時点で両車の差は8秒。そこから終盤戦へと#8号車のブエミの猛追が始まった。そしてレースが残り13分を切った時、TS050 HYBRID #8号車がライバルをかわしてトップに立ち、そのままゴールへ飛び込んだ。

不安定な天候、不慮のアクシデント、セーフティカーの出動と荒れたシルバーストーン6時間レースだったが、最後に勝利はTS050 HYBRID #8号車の頭上に輝いた。この勝利で、優勝した3人のドライバーには、RAC(英国王室自動車クラブ)から伝統あるツーリスト・トロフィー賞が贈られた。この賞は1905年に創設された英国のモータースポーツ界では最高権威の賞で、タツィオ・ヌボラーリ、グラハム・ヒル、スターリング・モスといったそうそうたるドライバーが受賞している。#8号車の中嶋は日本人として初めてこの賞を受ける栄誉を授かった。

チームは、既にル・マン24時間レースの前哨戦ともいえるWEC第2戦スパ6時間レースへと準備を整えている。次戦スパ6時間レースには、初めて3台体制で臨むことになり、ステファン・サラザン、国本雄資、ニコラス・ラピエールの3名がTS050 HYBRID #9号車で出場する。

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WEC:Rd.1シルバーストーン レース結果

Toyota TS050 HYBRID (C)Toyota Motorsports

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2017年4月16日 (日)

WEC:Rd.1シルバーストーン 予選結果

Toyota TS050 HYBRID (C)Toyota Motorsports

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2017年4月12日 (水)

TOYOTA GAZOO Racing WEC開幕戦シルバースト-ンへ向け準備万端

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2017年4月10日
トヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Company

WEC第1戦 シルバーストーン6時間 プレビュー
TOYOTA GAZOO Racingはこの週末、2017年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦となるシルバーストーン6時間レースへ、2017年仕様のTS050 HYBRIDと新たなドライバーラインナップで臨む。

今シーズンのWECも全9戦で行われる。今週末の第1戦へ向けて、2017年仕様のTS050 HYBRIDには、ハイブリッドシステムを含むパワートレーンとメカニカル及び空力面に全面改良が施された。   

今シーズンは使用可能な空力諸元が2種類に制限されることとなった。開幕戦シルバーストーンにトヨタは高ダウンフォース仕様のTS050 HYBRIDを持ち込む予定。トヨタは、シルバーストーンでこれまでに5度にわたる表彰台を獲得している。

1周5.901kmのシルバーストーンサーキットは、WECシリーズの開催される中でも最も長い歴史を持つコースのひとつで、開設は1948年。当時は非常に高速なコーナーが続く、最高速度よりもダウンフォースが重要なコースであった。

TOYOTA GAZOO Racingはこの冬のオフシーズンの間で、先週末のモンツァでの2日間のプロローグ(WEC合同テスト)を含めて約35,000kmを走破。チームはLMP1-Hクラスのライバルとの一騎打ちとなるシルバーストーンへ向けて万全の準備を整えた。

2017年仕様TS050 HYBRID #7号車のドライバーは、昨年の富士6時間レースで勝利を挙げ、最後までタイトル争いを繰り広げた小林可夢偉、マイク・コンウェイに、3年連続FIA世界ツーリングカーシリーズでチャンピオンに輝いた、ホセ・マリア・ロペスを加えた3名。ロペスはこのレースがトヨタでのWECデビューとなる。

もう一台のTS050 HYBRID #8号車は中嶋一貴とアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミという3年目のトリオ。デビッドソンとブエミは2013年からのコンビであり、2014年にはドライバーズチャンピオンに輝いている。

地元イギリス出身のドライバーであるデビッドソンとコンウェイは、これまでにも何度もシルバーストーンで好成績を挙げたことによって、両名共に英国レーシングドライバーズクラブのメンバー中最高位のリチャード・ロイド・トロフィーを獲得している。

週末のイベントスケジュールでは、14日(金)に、各々1時間30分の公式練習走行セッションが2回、15日(土)は午前中に1時間の最終練習走行の後、予選が行われる。現地時間16日(日)の正午に、6時間にわたる決勝レースのスタートが切られる。

トヨタモータースポーツニュース

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